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理学研究院でノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」の高校生講座が開かれる

 去る9月1日(土),理学研究院を会場に,ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」の高校生講座が北海道ではじめて開かれました。
 このフォーラムは,21世紀を担う若い世代に,世界の知性を代表するノーベル賞受賞者たちの生の声を直接聞く機会を提供すべく読売新聞社とNHKが主催し,第2回目の今年は,平成12年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士を招いて,高校生に実験を通じて科学を学ぶ楽しさを教えるべく,北海道大学で開催されたものです。
 実験のテーマは「導電性プラスチックを使った透明スピーカーを作ろう!」と題し,有機溶剤を高分子フィルムに塗って導電性プラスチックを作成し,それをアンプと音楽プレーヤーにつなぐと,スピーカーのように音が出る仕組みを学ぶというものです。
 講座には,21名の高校生が札幌市,苫小牧市のほか,東京都の高校からも参加があったもので,モデレーター役の理学研究院生命理学部門の古川英光准教授の司会進行により,白川博士から原理の講義を受けた後,実験室で5班に分かれ,同部門のグン剣萍教授や大学院生らの補助的指導により,高分子フィルムに有機溶剤を塗る作業に取り組みました。
 きちんと音を出すためのポイントは,フィルムに有機溶剤を均一に塗る必要があるため,生徒たちはOHP用紙のフィルムで何度も試作を繰り返した後に,高分子フィルムを使って導電性プラスチックを作成し,完成して音楽が流れると実験室のあちこちで喜びの声が上がりました。
 最後に白川博士との質疑応答で生徒から活発な質問があり,博士は「実験を楽しんでくれたことが一番の収穫」と話していました。
原理の講義をする白川博士 自分で作ったフィルム状スピーカーで音楽を確認
原理の講義をする白川博士 自分で作ったフィルム状スピーカーで音楽を確認
(理学院・理学研究院・理学部)

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