イアン・モリソン氏の未公開手記“Englishman in Japan”を受贈 |
7月29日(火),附属図書館に,内山浩二郎氏(在豪州日本大使館一等書記官)の仲介により“Englishman
in Japan”の未公開手記のコピーが寄贈されました。
著者のイアン・モリソン(Ian Ernest McLeavy Morrison)は,1935年9月から1937年9月までの約2年間,予科傭外国人教師(英語担当)として北海道帝国大学に在籍しました。その凛々しい授業風景は北海道大学東京同窓会編集の『写真集都ぞ弥生』(1978年,金剛出版製作)で見ることができます。
イアン・モリソンの旅行好きは当時も知られていたらしく,予科教師を辞めて英国大使館入りを伝える「北海道帝國大學新聞」(1937年9月28日号)の記事に以下の言葉が見られます。
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手記の北海道帝国大学記述の冒頭部分 |
イアン・モリソンは従軍記者として朝鮮戦争に赴き,1950年に亡くなっています。
今回寄贈された手記は,タイプ打ちの原稿コピー6冊(総ページ数約800ページ)で,イアン・モリソンの令嬢である英国ロンドン在住のぺトラ・モリソン氏から寄贈を受けたものです。手記は,北海道帝国大学在職中に,日本各地を旅行したときの見聞記が内容の大半となっています。“A
ride through Japan on two Hokkaido ponies”, “Asama and Kusatu”,
“A journey to Shikoku”, “Five representative Japanese songs”等の章タイトルから,欧米人の目から見た当時の日本や日本人の姿が分かる資料であることがうかがわれます。北海道帝国大学については,40ページ程度の記述があります。
今から五十数年前に制作されたアメリカ映画『慕情』をご記憶の方は多いでしょう。しかし,ウイリアム・ホールデンが演じた主人公(ジャーナリスト)のモデルとなった人物が本学と関係があったことを知る人は少ないのではないでしょうか。イアン・モリソンがその人と言われているのです。今回不思議な縁で『慕情』に思いをはせることも可能な資料を入手しました。
附属図書館北方資料室で公開し,教育や研究の役に立てていきます。 |
(附属図書館) |
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