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総合博物館2008年夏の企画展示「分子のかたち展−サイエンス×アート」

 7月15日(火)から9月28日(日)の期間行われた企画展示「分子のかたち展−サイエンス×アート」は,私たちが暮らす世界のいたるところに潜み,日常生活と大きな関わりを持つ「分子」にスポットを当てた企画展示です。
 「ヒトの体の○○パーセントは水である」「最近ビタミン不足で…」「糖分の摂り過ぎは体によくない」など「分子」を含んだ会話が意識せずに交わされていることと思いますが,その「分子」が一体どんなものなのか,どういう仕組みで私たちに影響を与えるのかといった疑問は沸き起こることもなく,またそれほど興味を持つ必要もないことかも知れません。この企画展示は,少しでも多くの人が分子に興味を持ち,日常生活にフィードバックしてもらえればと企画したものです。
 これまで当館で行われていた展示は,貴重な標本とそれに関する学術的な説明パネルというスタイルが一般的でしたが,分子の標本は存在しないので展示できません。その代わりに展示室では「サイエンス×アート」のコラボレーションの成果が展示されていました。展示に先駆けて行われたのは,分子を研究するサイエンティストと札幌を中心に活躍しているさまざまな分野のアーティストによるワークショップ全12回です。分子を中心に自由な意見交換を行い,ワークショップに参加した20名のアーティストのうち7名が出展を決め,写真やCG,インスタレーション,平面作品などの作品が展示されました。総合博物館のアクティビティが異分野とのコラボレーションを生んだ企画展示であり,今後の札幌における新文化創造を期待した来館者も多いかも知れません。開催期間中20,000名を超える方が来館されました。
 また9月20日(土)には,分子のかたち展関連シンポジウム「サイエンスとアート,出会いのかたち」が総合博物館で行われました。小俣友輝助教(総合博物館・展示会主宰)から,企画展示開催により期待されたことと今後について,また森田克己教授(札幌大谷大学短期大学部美術科)からアートと異分野の融合,特にデザインがつなぐアート・自然・文化・ヒトのかたちについてお話しがあり,その後安藤文絵さん(アーティスト・北翔大学非常勤講師)によるアート作品制作ワークショップが行われました。参加者は自分とアートとの関係を作品を通して実感し,満足な様子でした。
展示の様子1 展示の様子2
展示の様子
シンポジウムの様子  
シンポジウムの様子  
(総合博物館)

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