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「ロボット」という言葉の生みの親として知られるチェコの作家カレル・チャペック(1890-1938)。『ロボット』,『山椒魚戦争』といった文明批判的SF作品や推理小説,『長い長いお医者さんの話』などの児童文学,『園芸家一二ヶ月』などのエッセイ,評論,旅行記,新聞コラムなど,多彩な作品で20世紀前半の世界文学を代表する作家として有名です。創作上のパートナーであった兄ヨゼフ(1887-1945)とともに,近年日本でもファンを増やしています。
カレル・チャペックがナチス進攻前夜のプラハで世を去ってから70周年となる今年,チェコ内外で作家を回顧する催しが相次いでいます。10月25日(土)から12月25日(木)までの55日間,3階企画展示室にて「カレル・チャペックその生涯と時代1890-1938:没後70周年展」を開催しています。作家の生涯に光をあて,その時代の流れをパネルによって再現しています。また生前の愛用品,本人撮影の写真,兄ヨゼフによる装丁本など約80点も展示。展示物はプラハ近郊ストゥシュにあるチャペック記念館監修によるもので,学内外のチェコ研究者が日本化を担当しました。会場では記念館作成の最新ドキュメンタリー映像も上映しています。会期中に多数の方々がご来館になり展示を楽しんでいただければと願っております。
10月24日(金)にはオープニング・セレモニーが開かれ,チェコ駐日大使にもご出席戴きセレモニーは大変盛会でした。25日(土)は「カレル・チャペック=シンポジウム」が開かれ,カレル・チャペックの研究家であられる飯島周(跡見学園女子大学名誉教授・日本チェコ教会会長),阿部賢一(武蔵大学人文学部准教授),沼野充義(東京大学大学院人文社会系研究科教授)の先生方の御講演を戴きました。約100名の参加があり好評を得た会でした。オープニング・セレモニーとシンポジウムの前には,チェコの作曲家であるドボルジャークの作品が,`島頼子さんによりチェンバロで演奏されました。
主催:北海道大学総合博物館,スラブ研究センター,大学院メディア・コミュニケーション研究院。協賛:岩波書店,エルムプロジェクト,筑摩書店,平凡社,成文社,恒文社。企画協力:カレル・チャペック記念館(チェコ),(株)イデッフ。シンポジウム協力:望月哲男(北海道大学スラブ研究センター)。後援:駐日チェコ共和国大使館,チェコ共和国文化省,チェコ共和国外務省,日本チェコ教会,日本チャペック兄弟協会,北海道新聞社,北海道教育委員会。
展示担当者:林 忠行(スラブ研究センター),橋本 聡(大学院メディア・コミュニケーション研究院),大原昌宏(総合博物館)
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