北海道大学病院では,9月10日(水),医師や看護師,学生ら約300人が参加し,広域大規模災害の発生を想定した災害医療訓練を実施しました。
広域災害に対応できる災害指定病院として平成14年に厚生労働省より認可を受けた本院では,同年広域大規模災害時の対応をまとめた災害対策マニュアルを作成しました。本年度は昨年度に引き続き同マニュアルの一部見直しを行っており,今回の訓練もこれに準じた現実感のあるものとなりました。
訓練は,札幌で震度6弱の地震が発生し,一部医療機能が停止した状況で被災者が治療を求めて集まってきた,という想定で行われました。まず,傷病者の緊急度や重傷度によって治療や後方搬送の優先順位を決めるトリアージセンターを外来玄関前と外来ホールに設置し,次々と訪れる模擬被災者を院内3箇所の処置治療センターに振り分けます。模擬被災者らは外傷部位をリアルにメイクし,事前打ち合わせどおりにそれぞれの役割を演じました。もっとも重傷の患者はアメニティホールに運ばれ,職員らは本番さながらの声かけをしながら対応の流れを確認しました。約1時間にわたる訓練は,浅香病院長による訓練終了の宣言と挨拶で幕を閉じました。
訓練終了後は,各対応責任者から訓練についての意見発表がなされました。今後の課題を探っていくことで,現在の災害医療システムをより優れたものに発展させることが期待されています。
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模擬患者のトリアージ
(治療優先順位の決定) |
現実感溢れる処置の様子 |
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(北海道大学病院) |
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