本年6月20日(土),21日(日)に京都で開催された「産学官連携推進会議」にて,本学の2つのグループが,「産学官連携功労者表彰」を受賞し,表彰されました。
また,野田聖子科学技術政策担当大臣が受賞者のブースを訪れ,受賞者の説明に熱心に耳を傾けていました。
受賞内容は,次のとおりです。
【科学技術政策担当大臣賞】
○「EBウイルスを用いたヒトリンパ球由来抗体の大量作製技術」の開発 |
受賞者:
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高田賢藏 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授/株式会社イーベック代表取締役会長
土井尚人 株式会社イーベック代表取締役社長
独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター
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受賞理由: |
(株)イーベックは,北海道大学高田賢藏教授のEBウイルスに関する研究成果を基に,高品質な医薬品向け完全ヒト抗体の大量作成技術を開発した。マウスを用いる従来手法に比べて臨床時の副作用が少なく,がんやリウマチなどの幅広い疾患に効果的な新薬開発への応用が期待される。同社は平成15年から産総研認定ベンチャーとなり,安全衛生基準等に則ったバイオ系実験室と研究開発における高いコンプライアンス確保に努めた。また,同社は学官の協力を得ながら抗体作製技術の高度化を進め,平成20年にドイツ企業と大規模ライセンス契約を締結した。「学」の技術を基に,「官」の支援を得つつ,「産」が挑戦することで,極めて優れたベンチャーを生み出した成功例として表彰に値する。 |
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【日本学術会議会長賞】
○「大規模糖鎖解析装置及び疾患マーカー探索技術」の開発 |
受賞者:
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西村紳一郎 北海道大学大学院 先端生命科学研究院 教授
(兼 産業技術総合研究所 招聘研究員)
近藤裕郷 塩野義製薬株式会社 執行役員医薬研究本部長
システム・インスツルメンツ株式会社
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受賞理由: |
塩野義製薬(株)は北海道大学との共同研究施設「シオノギ創薬イノベーションセンター」を開設し,新規創薬標的分子の解析や独創的な創薬技術の開発を実施している。国立大学法人の敷地内に民間企業の研究施設が建設されたのは全国初である。また,システム・インスツルメンツ(株)と北大は共同で,世界初の糖鎖自動解析装置「SweetBlot」を開発し,従来の数百倍の処理速度で,2倍以上の種類の糖鎖の検出を可能とした。さらに北大はこの装置を用いて,高い精度で健常者とがん患者を区別できる新規糖鎖バイオマーカーを,世界に先駆けて発見した。国内外の製薬,診断薬企業の注目を集めており,新たな連携から診断薬開発が促進されることが期待される。 |
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なお,本年2月まで本学エネルギー変換マテリアル研究センター教授であった,林潤一郎九州大学教授らの「木質バイオマスを全量燃料にするパイロコーキング技術の開発」も,環境大臣賞を受賞しました。 |
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「産学官連携功労者表彰」とは,大学,公的研究機関,企業等の産学官連携活動において,大きな成果を収め,また,先導的な取組を行う等,産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し,その功績を称えることにより,我が国の産学官連携活動の更なる進展に寄与することを目的とし,平成15年度より毎年1回行われているもので,今回が7回目になります。 |
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表彰される高田教授
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表彰される西村教授
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表彰式の様子 高田教授(右),土井イーベック社長(中央),北野邦尋産業技術総合研究所
北海道センター長(左)
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表彰式の様子
西村教授(右),近藤塩野義製薬執行役員,濱田和幸システム・インスツルメンツ取締役技術部長(左)
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野田科学技術政策担当大臣
に説明する高田教授
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野田科学技術政策担当大臣
に説明する西村教授
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