6月4日(木),東京都千代田区丸の内の東京ステーションコンファレンスにおいて,第3回「北大・九大合同フロンティア・セミナー」を,「先端医療」をテーマに開催しました。
いわゆる「新型インフルエンザ」感染報道等により,参加者の減少が危ぶまれましたが,当日は,首都圏の企業や官庁などで活躍している両大学のOBやOGの皆様をはじめとして,115名の方に参加いただき,過去最高の出席者数となりました。
最初に登壇した本学アイソトープ総合センターの久下裕司教授は,「機能画像診断の最近の話題」と題し,生体内の分子や細胞の動きを可視化する技術としての「分子イメージング」が注目されており,循環器疾患,とりわけ動脈硬化及び心不全を例に,その病態把握や個別治療に同技術が大きく貢献しうるものであることを紹介されました。
次に,九州大学大学院医学研究院の砂川賢二教授は,「衝撃のバイオニック医学〜変貌する21世紀の心臓病治療の最前線」と題して,医療技術の進んだ現代においても5年生存率が50%に止まる心不全の治療について,先端生命科学と先端工学を融合させた新たな治療戦略「バイオニック医学」が注目を集めており,循環調節系の首座である脳を中心とした神経調節系に工学的な手法を用いて介入(治療)を行うことにより,病態を克服することができるということについてわかりやすく説明されました。
総合討論では,本学アイソトープ総合センター長の玉木長良教授がコーディネーターとなり,講演を行った本学久下教授及び九州大学砂川教授がコメンテーターとなって,講演された内容に対する質問に両講師が応える形で進められました。
今回のセミナーは,前回同様有料で開催し,休憩中に軽食,オードブルとソフトドリンク,アルコールを提供しました。休憩後の総合討論では,両先生方の,知的興奮を誘った講演内容に出席者からの質問も活発になり,終了後も講演者が対応する一幕もあり,盛会裏に終了しました。
なお,次回の第4回「九大・北大合同フロンティアセミナー」は,平成21年10月20日(火)18時30分から,今回と同じく東京ステーションコンファレンスにて「異分野の基礎研究のつながりによる新たな知見(仮)」をテーマに開催いたします。詳細が決まりましたら本学ホームページ等で改めてご紹介いたしますので,皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 |
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講演中の久下教授
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講演を聞き入る参加者
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総合討論風景
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(学術国際部研究協力課) |
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