9月4日(金)にクラーク会館講堂で,メディア・コミュニケーション研究院附属の東アジアメディア研究センター(センター長:渡邉浩平教授)の設立を記念した公開シンポジウム「東アジアの未来とメディアの役割−東アジアの中の北海道とメディア−」が開催されました。一般市民,会社員,学生,マスコミ関係者,大学関係者,中国関係者,韓国関係者など400名を越す参加者があり,会場は満員状態で熱気にあふれていました。
第1部の特別講演では,東京大学大学院情報学環・学際情報学府の姜尚中教授から,「東北アジア共同の家とメディア」と題して,グローバルな環境変化に対応し,東アジア地域が連携することの重要性とメディアや大学の役割について講演がありました。姜教授からは,北海道大学にこのような研究拠点ができることは大変素晴らしい,期待も大きいとの激励もありました。
第2部のパネルディスカッションでは,姜教授のほか,北海道テレビの樋泉実専務取締役,北海道新聞の須賀信昭常務取締役,高井潔司研究院長を交えて「東アジアの未来とメディアの役割」と題したパネルディスカッションが行われました。北海道テレビで10年ほど前から台湾で放送されている番組「北海道アワー」の事例,中国・黒龍江省の放送局との共同制作の事例や,北海道新聞も10月から東アジアから見た北海道を紙面で紹介を予定しているなどの具体的事例を交え,経済成長率の高い東アジアと北海道との地域連携に向け,メディアの果たす役割が議論されました。これまでのように全ての日本のメディア情報が東京経由になるのではなく,東アジア内での地域と地域が連携・交流し,相互理解を深めていくことの重要性が高まるとの指摘もありました。
東アジアメディア研究センターは,東アジアメディアの情報を集積し,東アジア社会の発展に資する知見を提供し,さまざまな組織に対して,実際的な提言を行います。同時に,東アジアのメディア研究機関と交流をはかり,ジャーナリズム,メディア研究者とネットワークを構築し,東アジアメディア研究の国際的拠点とするために,平成21年4月に大学院メディア・コミュニケーション内に設置されました。 |