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公共政策大学院が地方議員向けサマースクール開催
−地方分権や公民連携を学ぶ,議会改革では激論も−

 

 公共政策大学院では,8月19日(水)から3日間,地方議員向けのサマースクールを開催しました。
 このスクールは,地方分権が進む中,一層重要性を増す自治立法権の担い手となる地方議会の活性化に寄与することを目的に,昨年度,大学・大学院の取組としては全国初の試みとしてスタートしたものです。第2回目となる本年は,折しも衆議院議員総選挙の公示直後の開催となったにもかかわらず,全国各地から24名もの受講者が集い,涼しく美しい北大のキャンパスで,しばし学生時代の気分に戻って共に学び,地方政府に相応しい自治体議会のあり方について熱く語り合いました。
 スクールでは,まず,公共政策大学院の教授陣が,地方分権改革や自治体条例の最新の動向,指定管理者制度や地域福祉の課題,議会制民主主義の母国である英国との比較をテーマに講義を行うとともに,議会改革や議員提案条例の先進地域から仕掛人(キーパースン)を講師としてお招きし,先駆的な取組について紹介していただきました。これを受けて受講者は,それぞれが抱える地域課題について情報・意見交換を行うとともに,議会改革に関する「徹底討論」を実施しました。
 今回設定したテーマはいずれも現下の重要課題であり,受講者は,終始熱心に耳を傾け,議論をしました。特に2日目の「徹底討論」では,夕刻から4時間余りにわたり,議会改革に関する討論が交わされました。議会と首長とが共に住民による直接選挙で選ばれる二元代表制の下で,いかに両者が緊張関係を保ちつつ,地域住民の福祉の向上という共通目標の達成に向けて邁進していくか,そのためには,本会議・委員会の審議や,議会と理事者との関係はどうあるべきかなどについて活発な意見交換や情報交換が行われ,受講者の考え方の違い,各議会が営々と培ってきた文化・歴史に根差す「常識」の相違も浮かび上がって大激論となりました。
 また,これらの成果として,受講者が超党派でネットワークを形成し,情報を交換しながら,各地域で議会活性化や地域の振興に取り組んでいくこととなりました。
 その取組はすでに動き始めており,今後公共政策大学院としては,こうした動きをサポートするとともに,議会改革の動きが各地で芽生え,加速していくことを期待したいと思います。

 
サマースクール第2期生の集合写真 講義の様子 白熱した議論が展開された「徹底討論」
サマースクール第2期生の集合写真 講義の様子 白熱した議論が展開された
「徹底討論」
 
(公共政策学連携教育部・公共政策学連携研究部)

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