総合博物館では,8月29日(土)に,総合博物館1階「知の交流」コーナーにおいて,高等教育機能開発総合センターの池田文人准教授を講師に迎え,フィンランドの歴史や風土,授業や学校生活の様子などについて紹介しながら,様々なモノと対話しながら学ぶ子どもたちが育まれる「教えない教育」についてご講演いただきました。
まず,PISA(OECD生徒の学習到達度調査)の問題や調査結果を用いて,国家が持続的に発展できる基盤を教育によって築いているフィンランドのすごさと,日本とフィンランドの生徒の学力の違いについてお話ししていただきました。続いて,日本の文化や自然と比較しながら,フィンランドという国の厳しい環境と自然,占領に次ぐ占領による歴史などについて紹介しながら,フィンランドの教育は,厳しくも,豊かな自然と文化に基づいており,異なるものを寛容し,物事を多視覚的に見て,生きるために多様で豊かな結びつきを生み出すための教育が行われていることをご報告いただきました。さらに,フィンランドの授業の様子や教科書,補助教材,あるいは,総合学習やクロスカリキュラム,マインドマップなどを例示しながら,日本よりも少ない授業時間数の中で,どのようにして多様で豊かな教育が実現されているのか,そして,フィンランドの教育に見られる社会構成主義に基づく学びとは何かについてお話ししていただきました。 |