![]() ユウパリリンドウ(Gentianella amarelle ssp. yuparensis) |
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リンドウの仲間には青紫や白色の花を付けるものが多いが,利尻・礼文島に自生するチシマリンドウと,夕張岳の特産種である本亜種は赤紫の花色が特色である。花の頂部を形成する裂片は平開し,喉部は深く裂けた内片で完全に覆われる。個体の様子は生息環境によって大きく変化し,ここに示す高層湿原の個体は大きく育って花数も多いが,吹きさらしの砂礫地に生える個体では葉が小さくて目立たず,一個の花が地面から直接生えているように見えて面白い。花の名山と騒がれすぎの夕張岳でも,この花が咲く頃には花が目当ての登山者は見あたらず,三脚を構えて写真を撮っていても関心を示す人は少ない。 | ||
理事・副学長 岡田 尚武 | ||
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