本年度の医学教育等関係業務功労者として,本学から北海道大学病院看護部 看護助手 石川雅子氏,北海道大学病院診療支援部 主任診療放射線技師 菊池務氏の2氏が表彰され,11月25日(水)ホテルフロラシオン青山において,表彰式が行われました。
この表彰は,文部科学省が毎年,医学または歯学に関する教育・研究若しくは患者診療等の補助的業務に従事し,顕著な功労のあった方々に対して行うものです。
2氏の表彰に当たっての感想を紹介します。 |
| |
| (総務部広報課) |
| |
○石 川 雅 子(いしかわまさこ) 氏
(北海道大学病院看護部 看護助手) |
この度,医学教育等関係業務功労者表彰について聞いた時は,驚きと戸惑いでいっぱいでした。正直,充分に理解出来ませんでしたが,看護部長より今まで頑張ってやってきたご褒美と薦められ,涙が出るほど大変嬉しく思いました。表彰式に出席し,改めてこの受賞の重さを感じました。
私は,昭和50年,北海道大学医学部附属病院材料部に入り7年余りを過ごしました。その後,循環器内科病棟,脳神経外科病棟,第一外科病棟とローテーションしました。数十年間に渡り,各病棟で患者さん,看護師と関わりながらその病棟の特有の看護に触れ,常に「看護助手として何ができるか」を考え,自分に出来ることを行ってきました。縁あって,資格がないにもかかわらず医療という特殊な職場で働く事は,困難が多くありました。しかし,ここでしか身につけることができないと思い一生懸命覚えることが,ひいては自分の家族や周りの人達に還元できるのだと思っていたような気がします。長い月日の間には,自分の未熟さ故,ストレスを感じることも多々ありました。しかし,病棟での勤務は患者さんと接する楽しみがあり,何かの役にたっている自分を感じることができました。振り返ってみますと,本当によい時間を過ごさせていただきました。また今は退職までの残りの時間を就職した当初の物流管理センター材料部(現物流管理センター)に戻り,滅菌消毒という患者さんへの安全の保証をするという重要な場所で,患者さんのために働いています。
退職を前にして医学教育等関係功労者表彰という身にあまる受賞に,感謝の気持ちでいっぱいです。これからもこの受賞に恥じることのない人生,仕事に頑張っていきたいと思います。
最後になりましたが,長年にわたり私を支え,ご指導下さった皆様への感謝と,この受賞に際してお世話になりました皆様へ深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。 |
| |
○菊 池 務(きくちつとむ) 氏
(北海道大学病院診療支援部主任診療放射線技師) |
この度は医学教育等関係業務功労者として,文部科学大臣表彰を賜り,身に余る栄誉と深く感謝申し上げます。表彰にあたり,ご推薦いただきました放射線部長始め,ご尽力いただきました関係各位の皆様に心より厚くお礼申し上げます。
私は,昭和47年放射線部に勤務して以来37年余り,一貫して診断部門に在籍し主にX線撮影(CR撮影)や血管造影,CT,MRI等の診断画像作成に従事して参りました。
この間,十数年続けていた放射線画像解析・画像処理に関する研究が評価され,平成3年(社)日本放射線技術学会の推挙により,米国シカゴ大学カート・ロスマン放射線画像研究所に留学が叶いました。そこで「大腿骨頭壊死症のX線画像特徴解析とコンピュータ支援診断」の研究テーマを成熟させることが出来ました。本留学に際しては,大学本部事務局より公務海外出張のご承認を戴き,今も時折その緑色の公用パスポート(公用旅券)を眺めては往事を振り返っております。しかしこの間,妻が突然癌で倒れ亡くす事態にも見舞われました。
平成8,9年には北米放射線学会(RSNA)に「高エネルギーX線を用いたCR胸部画像による肺癌(腫瘤陰影)検出能の向上」をテーマの研究発表がacceptされ,また平成10年には札幌市で開催された(社)日本放射線技術学会第26回秋季学術大会・大会長の任を全うすることが出来ました。これらの経験や研究成果は医学部保健学科での講義,特別講演や臨床実習にも活かされ,微力ながら放射線技術学発展を通じて医学・医療に貢献できたのではと自負しております。これらは多くの研究仲間と関係各位のご支援・ご尽力のお陰でもありました。
しかし,その直後から認知症を発症した実母の介護に拘わる日々を余儀なくされ,そのための家の新築を始め,現在の妻と協力・分担しての,ここ10年の母親とのかかわりは,夫婦の身体の変調をきたすほどの格闘でした。しかし一方では,今後の母の余生と共に,この経験を私たち夫婦の将来に「何らかの形」で活かして参りたいとも考えています。
私事ばかり連ねましたが,兎にも角にも北大病院放射線部に在籍中のこの37年余は,嵐の大海に漂う小舟のような波乱に満ちた起伏の激しい年月でした。この間終始ご理解ご指導を賜った歴代放射線部長を始め諸先生,時には暖かい叱咤と激励をいただいた数多くの先輩や同僚各位のご支援なくして私の現在は考えられません。今回の受賞も私を導き支えていただいた皆様のお陰と心より感謝と御礼を申し上げます。有り難うございました。 |
| |
| (北海道大学病院) |
| |