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ミネズオウ(
Loiseleuria procumbens
)
2008.7.20 大雪山黒岳
高山の稜線でマット状に広がる矮小化したツツジ科の一種であり,米粒サイズの葉よりは大きめの花を,上向きにびっしりと付ける木本植物である。本州の立山や蔵王の稜線でみられる花はピンク色がかった白色であり,沢山咲いていても目立つことはないが,北海道の個体は見事に紅いピンク色が多く,遠目に見ても容易に判別できる。本種の生える地理的範囲は極めて広く,周北極域から北半球全体の高山地帯まで分布するので,ヨーロッパアルプスのトレッキングでもおなじみの姿を見ることができる。
理事・副学長 岡田 尚武