第4回公開研究会が,過去3回に引き続き,大学院理学院自然史科学専攻/高等教育機能開発総合センターの池田文人准教授を講師に迎え,「世界と対話する子どもたち」と題して,2月20日(土)に総合博物館1階「知の交流」コーナーにおいて開催されました。
今回も,過去3回の内容を簡潔におさらいすることから始まり,そこから「フィンランドの先生は子どもたちの何を観察しているのか」という話題が提起され,今回の本題へと進んでいきました。まず,日本の場合は,子どもたちが正しい知識を正確に理解し,記憶しているかどうかを観察しており,試験やテストにより確認されている。つまり,「今日までの発達水準」に重きが置かれていることが紹介されました。続いて,「教授・学習と発達の理論」としてピュアジェ,ジェームス,コフカ,そしてヴィゴツキーの理論を紹介しながら,日本がどの理論に基づいているかについて考え,それに対比する形で,フィンランドの場合は,子どもたちの「明日の発達水準」,「のびしろ」に重きを置いていることについて話していただきました。さらに,フィンランドでは,教育ばかりでなく,会社や企業(経済),政治においても,「明日の発達水準」,「未来ののびしろ」というものに重きを置いているということを,若い教育大臣や,Nokiaの携帯電話,Air Guitarの世界大会,ムーミン物語などを例に取りながら,話していただきました。
また,フィンランドの教育における課題として,移民問題や障害者学習,読書離れ,早期外国語教育などが紹介され,これらへのフィンランドの今後の対策は,日本の教育においても大きな参考になることを,そして,これから求められる教育として,脳の発達と教授・学習の関係に基づく教育,すなわち,学び直しをいかに促進させるかがこれからの教育には必要であり,それに不可欠な「他者」,「結合」,「感情」という3つの要素すべてが備わっているフィンランドの教育は,これからの教育を模索する上で大いに参考になるであろうことをご提案いただきました。
池田先生からの話題提供の後の質疑応答では,今回も,現職の教職員等から現場の実情を交えて多くの質問や意見も出されたほか,後半では,「フィンランドと比較して日本の教育が優れているところはどこか」という質問に対し,池田先生ばかりでなく,会場からも声が上がるなど研究会らしい活発な議論が展開されました。また,最終回ということもあり,これで終わってしまうことを惜しむ声も多く聞かれました。 |