大学院生による博物館展示リニューアルの取り組み(2) |
平成19年度後期より文学研究科の佐々木亨教授に総合博物館の湯浅万紀子准教授が協力して,来館者調査に基づいた展示制作に取り組む「展示制作プロセス演習」を行っています。その演習の一環として,平成20年度より,総合博物館の監修のもと,大学院生達が同館1階の「人間・社会・自然と科学技術」展示室のリニューアルに取り組んでいます。平成20年度の取り組みについては,北大時報No. 662(平成21年5月)に報告しました。
平成21年度以降,新規展示を単年度更新制で制作することが決定しています。工学研究科の但野茂教授にご助言をいただき,平成21年度は,恒川昌美教授の環境開発工学研究室と,田中啓司教授の光物性工学研究室が,展示制作にご協力下さいました。
展示制作プロセス演習の10名の院生は,2グループに分かれ,恒川教授の研究室では資源の循環と選別技術について,田中教授の研究室では薄膜太陽蓄電池について,ヒアリングを続けました。両研究室とも,教授をはじめ研究員や大学院生,学部生が,文系の大学院生の多い展示制作演習のメンバーに対して丁寧に説明を続け,多方面でご協力下さいました。総合博物館の教職員には,随時進捗を報告し,議論・確認しながらリニューアルを進めました。他にも,展示パネルの解説文の推敲,模型の説明文の作成,展示物の制作・設営の補助など,展示制作演習の院生達が担った役割は多岐にわたり,3月中旬まで授業枠を越えて熱心に取り組みました。展示制作会社など学外の方々との協働作業の場面も多くありました。
大学院生達が目指したのは,来館者の日常生活に結び付けた展示内容とすること,研究を担う研究者の姿を伝えること,来館者の能動的な観覧を促すことでした。この目的が達成されたか,改善点はないかを確かめるべく,今後,来館者調査を実施する予定です。ぜひ,工学研究科と展示制作演習のメンバーと総合博物館のコラボレーションの成果である展示をご覧いただき,ご意見をいただきたいと思います。
平成22年度もこの演習で,新たなリニューアルに取り組みます。 |
|
 |
 |
薄膜太陽蓄電池の展示の前で
工学研究科メンバーと演習メンバー |
資源の循環と選別技術の
展示制作を担った演習メンバー |
|
|
(総合博物館) |
|
|