部局ニュース

第9回北海道大学教育GPセミナー「北大の教育改革の15年」開催

 総合博物館では,北大教育GPによる北大の教育システム改善のための議論や取り組み,活動が学内にとどまることなく,広く理解と協力を得るため,そして,日本の大学教育の質の向上に寄与するために,平成21年1月より,北大教育GPセミナーを実施しています。
 今回は,3月27日(土)に,高等教育機能開発総合センター高等教育開発研究部・部長で,文学研究科・教授の安藤厚先生を講師に迎え,「北大の教育改革の15年」と題し,北大が取り組んできた15年にわたる教育改革の成果や,特色GP・現代GP・教育GPなどのさまざまな取り組み,そして,今後の体験型教育の充実の方向性と課題などについて講演していただきました。
 まず,コアカリキュラムの導入をはじめとする1995年以降の北大の教育改革の歴史をたどりながら,その土台となった北大の基本理念や教養教育の目標などについてお話しいただきました。続いて,特色GP「進化するコアカリキュラム」(平成15〜18年度),現代GP「北方地域人間環境科学教育プログラム」(平成16〜19年),特色GP「国際獣医学教育協力推進プログラム」(平成16〜19年),そして,教育GP「博物館を舞台とした体験型全人教育の推進」(平成20〜22年)などの取り組みについて,「練習船おしょろ丸を利用したフィールド体験学習」,「(フィールド体験)流氷を巡るロマン科学」,「(フィールド体験)牧場の暮らしと自然」などのフィールド体験型の一般教育演習(フレッシュマンセミナー)を事例として取り上げながら,具体的な教育改革について紹介していただきました。また,北大における単位の実質化の取り組みや,1年次の履修登録の上限設定について,その背景や実施するまでの道のり,そして,学生へのアンケートに見られる効果などをお話しいただきました。最後に,体験型学習の今後として,学生のボランティア活動やコミュニティとの協働などを体験型の成果の学習として取り入れるサービスラーニングや,4年間にわたる一貫した一般教育演習などを提案していただくとともに,その実現に向けた試みや困難さなどについてもお話しいただきました。
 参加者は,1995年の教養部廃止・学部教育の開始から15年をかけて北大が取り組んできた,さまざまな取り組み,特に,北大のさまざまな教育資源を用いた多様な体験型教育の実施についてのお話に熱心に耳を傾けており,講演後の質疑応答では,1年次の履修登録に上限を設定することによる弊害,来年度から実施される総合入試の導入などについて熱心な質問が出されていました。
 
講演の様子 講演の様子
講演の様子
 
(総合博物館)
 

前のページへ 目次へ 次のページへ