分科会「新世代のための学習支援(Learning Support for New Generation)」は,11月26日(金)午前10時から高等教育推進機構情報教育館4階の共用多目的教室(1)で開催されました。
ソウル大学CTL(Center for Teaching & Learning)とのシンポジウムは今回で2回目になります。本学から12名,ソウル大学から6名の参加者がありました。
まずソウル大学からは,工学部の教員を対象に調査した教員としてのコンピテンシー(職能)に関する研究が紹介され,学生との相互作用,言葉や態度による対話,授業改善の探求などの重要性が示されました。
次に,エリートのみを受け入れていた入試制度を多様な学生の入学を許す制度に変えたため,学習上の問題を抱える学生が出てきたこと,そのため学習方法のセルフテスト,グループでの学習相談を実施していることが紹介されました。
さらに,ライティングの指導やグループ学習の導入についての紹介がありました。グループ学習に際して,意見をまとめられない場合や,一人の意見に引きずられる場合があることが課題として紹介されました。
一方,本学からは,まず総合入試の説明をしました。次に総合入試をサポートするための,アカデミック・サポートセンターの3つの活動(進路相談,学習指導,情報分析)を紹介しました。また,昨年度から新たにはじめたピアサポートについても報告しました。
今回のシンポジウムでは,互いの大学における新しい教育制度の導入と,それにともない導入された学習支援システムが紹介され,討論が展開されました。グループ学習相談など本学では採用されていない支援システムもあり,興味深い会合でした。
来年はCTLが創立10周年を迎えるため,さらに充実したシンポジウムが企画運営される予定です。
分科会の様子
○分科会12
「大学の国際化」
国際本部役員補佐,工学研究院 教授 蟹江 俊仁
このセッションは,ソウル大学と本学の国際交流担当教員・事務職員が大学の国際化に向けた方策について意見交換を行う場として,第8回ジョイントシンポジウムで初めて開催されて以来,6回目の開催となります。
本学からは本堂武夫 理事・副学長をはじめ国際交流に携わる教職員が10名ほど参加しました。今回の分科会は「学生のモビリティを向上させる諸施策について」をテーマとして,両校からプレゼンテーションが行われました。
ソウル大学からはJunKi Kim国際本部長が,現在ソウル大学が取り組んでいる留学プログラムや国際オフィスの拡充に加えて,今後の目標として協定校数の更なる増加や全学生の25%を留学させる計画について発表を行いました。
本学からは,はじめに野田昭彦国際連携課長が,国際本部立ち上げやダブル・ディグリー・プロジェクト,そしてトリノ工科大学とのジョイント・サマースクール実施といった近年の取組を紹介しました。
続いて,瀬名波栄潤 文学研究科准教授(国際本部AUAプロジェクト,プロジェクトディレクター)が, AUA(Alternative University Appraisal: ESD大学評価事業)プロジェクトについて説明を行いました。AUAプロジェクトとは,持続可能な発展のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)に励む大学の価値と魅力を伸ばすために,ESDの観点から自己評価を行うことができるモデルの作成を目的とするもので,延世大学校(韓国)やマレーシア科学大学など,アジア太平洋地域の著名な大学と協働して進められています。
発表終了後はフリーディスカッションを行い,両国を取り巻く環境の違いを踏まえつつ,活発な議論が交わされました。
今回の分科会では,大学教育の国際化に関して率直な意見交換が行われ,今後この問題に取り組んでいく上で有意義なものとなりました。