全学ニュース

分科会報告
○分科会1

「第6回機械工学および航空工学に関するソウル大学・北海道大学ジョイントシンポジウム」
工学研究院 教授 佐々木 克彦
 

 本分科会は2005年にソウル大学航空宇宙工学科・W. I. Lee教授と人間機械システムデザイン専攻・成田吉弘教授の企画によりスタートし,本年で6年目となります。シンポジウムで扱ったテーマは,「Aerodynamics, Vibration, Plasticity, Biomechanics」,「Combustion, Engines」,「Fuel Cell, Fluid Mechanics」など機械工学・航空工学全体を網羅する内容でした。また,例年通り本分科会の特徴である学生セッションも教員セッションと並行して行いました。参加者はソウル大学から教員7名,学生6名,本学から教員12名,学生5名の計30名でした。
 7月9日(金)のシンポジウムでは,本シンポジウムの創設者の一人である成田教授による歓迎の挨拶のあと,ソウル大学側ChairであるSong教授のソウル大学航空宇宙工学科の現状の紹介がありました。引き続き,藤川重雄教授およびJeung教授のキーノート講演があり,その後,教員と学生に分かれた講演が行われました。
 本年度は,事務局の厚意により,7月上旬に分科会シンポジウムを開催することができました。
 夏の北大キャンパスや札幌の自然環境のすばらしさを十分に堪能していただくために,シンポジウム1日目(7月8日(木))にソウル大学学生を対象にしたキャンパスツアーとラボツアーを,また,3日目(7月10日(土))には,ソウル大学教員を対象に小樽方面へのエクスカーションを開催しました。
 今年の7月上旬の札幌は蒸し暑く,ぐずついた天候が続き,キャンパスツアーやエクスカーションでは雨がぱらつき決して良いコンディションではありませんでしたが,ソウル大学の参加者には好評でした。

 
Song教授による挨拶 シンポジウム(教員)の様子
Song教授による挨拶 シンポジウム(教員)の様子
ラボツアー(学生)の様子
ラボツアー(学生)の様子
 
○分科会2

「フォーマル及びインフォーマルな教育環境における理科教員養成の日韓比較研究」
教育学研究院 教授 大野 栄三
 

 理科教員養成をテーマに分科会を開催し3年目になります。
 今回は,日本学術振興会と韓国NRFとの二国間交流事業(共同セミナー:韓国側オーガナイザーはJunehee Yoo准教授)の支援を受け,開催期間(11月4日(木),5日(金)の共同セミナーと6日(土)のセミナー整理会),参加規模(共同セミナー32名:日本側15名,韓国側14名,他3名)を拡大して開催しました。
 台湾師範大学からChen-yung Lin教授ら2名の教員,フィンランドのヘルシンキ大学からJari Lavonen教授の参加もあり,国際的な視点から研究テーマについて議論することができました。
 また,本学開催の機会を利用し,総合博物館の湯浅万紀子准教授とCoSTEPの石村源生准教授に参加をお願いし,学校外のインフォーマルな教育に関連した内容をテーマに含めました。ソウル大学からも,科学博物館等の施設をフィールドにした研究発表があり,充実した内容のセッションを行うことができました。
 日本,韓国,台湾はアジアの経済先進国であり,直面している教育課題に共通することはたくさんあります(たとえば,韓国のインクルージョン教育,台湾の教員養成の開放制化など)。フィンランドとアジア諸国では,教育がおかれている社会的,文化的背景に大きな違いはありますが,自家薬籠中のものにできればと思う成果はたくさんあります。交流を深め,研究成果を共有していくことが大切です。
 本シンポジウム分科会を継続しながら,国際的な広がりをもつ研究交流を進めていきたいと考えています。

 
全員での記念写真
全員での記念写真
 
○分科会3

「第5回日韓眼科シンポジウム」
医学研究科 准教授 南場 研一
 

 11月9日(火)午後5時から医学研究科中央研究棟5階セミナー室において分科会「第5回日韓眼科シンポジウム」を開催しました。
 本学から教員8名,医員5名,大学院生5名が,ソウル大学からHyeong Gon Yu教授,Sang Jin Kim先生が参加されましたが,本学には中国国籍2名,ロシア国籍1名の眼科医がおり,国際色豊かなシンポジウムとなりました。
 開会の挨拶の後,本学石田晋教授による「糖尿病網膜症の病態へのプロレニンの関与」についての講演,また,ソウル大学Hyeong Gon Yu教授による「ぶどう膜炎発症原因遺伝子」に関する講演が行われました。その後は各15分の演題が本学から5題,ソウル大学から1題が発表されましたが,眼科に関する基礎から臨床まで幅広い研究発表で,英語での活発な討論がなされました。特に若い大学院生にとっては英語で議論をする良い機会であったようです。
 シンポジウム後の懇親会では,双方の眼科医療事情や生活習慣の違いなど楽しく議論し,親睦を深めることができました。
 来年は,ソウルにて第6回日韓眼科シンポジウムを行う予定です。

 
講演の様子 参加者の集合写真
講演の様子 参加者の集合写真
 
○分科会4

「持続可能な未来に向かって」
総合化学院長 喜多村 f
 

 11月26日(金),27日(土)に理学部5号館大講堂において”Towards a Sustainable Future”「持続可能な未来に向かって」と題する分科会を開催しました。
 この分科会は,本学GCOEプログラム「触媒の先導する物質科学イノベーション」との共催といたしました。
 ソウル大学 (SNU) とは今回が13回目のジョイントシンポジウムとなりました。加えてアジアとの連携強化を指向して,今回が6回目となる中国・南京大学 (NU) とのジョイントシンポも共催とし,GCOEの教育拠点・総合化学院において連携講座として関わる物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス (NIMS/MANA)も加わり,2010 HU−NU−SNU−NIMS/MANA ジョイントシンポジウムとなりました。
 分科会では,GCOEプログラム代表である宮浦憲夫特任教授からの歓迎挨拶に続き,今回の分科会チェアである総合化学院長の喜多村f教授から挨拶がありました。これらの挨拶の中で,本年度より始動した理工融合を目指した新しい教育組織である総合化学院の説明がありましたが,韓国側,中国側の参加者が興味深げに聞き入っている様子が印象的でした。
 その後,本学の理学研究院化学部門・稲辺保教授,ソウル大学のTaek Dong Chung教授,南京大学のJianwei Zhao教授,からの最先端の研究発表によって,本分科会を開始しました。16件の口頭発表と49件のポスター発表がおこなわれましたが,内容は主に触媒やナノ構造関連が中心でした。異分野からも数多くの参加者が集まり,活発な討論・意見交換が行われました。また,ポスターセッションでは,3大学の大学院生による口頭でのショートプレゼンテーションを含む発表があり,日韓中それぞれの学生が英語で積極的に質問や議論をしている姿が印象に残りました。
 夜は懇親会を行い,大いに盛り上がりましたが,そこでも分科会での議論・意見交換の続きが学生間において積極的に行われ,これまでに開催したシンポジウムによる交流深化の成果であることを改めて認識しました。
 本学からは過去最高の総勢116名が参加しましたが,本分科会への関心とその期待の高さが伺えました。
 今後も,本シンポジウム開催等を通じて,ソウル大学はもちろんですが,南京大学も含むアジアでの教育ネットワークの構築とさらなる発展が期待されます。

 
GCOEプログラム代表・宮浦憲夫特任教授 総合化学院長・喜多村f教授 理学研究院・稲辺保教授
GCOEプログラム代表・宮浦憲夫特任教授 総合化学院長・喜多村f教授 理学研究院・稲辺保教授
ソウル大学・Taek Dong Chung教授 南京大学・Jianwei Zhao教授
ソウル大学・Taek Dong Chung教授 南京大学・Jianwei Zhao教授
 
○分科会5

「コンバージェンス科学技術フロンティアに関する合同シンポジウム」
情報科学研究科長 栗原 正仁
 

 ソウル大学大学院コンバージェンス科学研究科から教員5名と大学院生5名が参加し,本学の情報科学研究科からも同じ数の参加者の構成で,11月26日(金)午前10時から分科会を開催しました。
 はじめに,本学情報科学研究科長 栗原正仁教授の開会の挨拶,参加者の自己紹介,集合写真撮影を行い,その後,教員と学生は各々別れ,2会場にてシンポジウムを実施しました。
 最初のセッションの座長は本間利久教授とS.Hong教授であり,講演内容はソフトウエアの複雑性の危機・自然現象のビジュアルシミュレーション・次世代e−ラーニングシステムとその設計でした。2番目のセッションの座長は遠藤俊徳教授とE.Yoon教授であり,講演内容はナノスケール神経インターフェース・アナログLSIにおける雑音駆動型神経計算・DNAシーケンス集合の並列グラフ構成でした。3番目のセッションの座長は浅井哲也准教授とY.K.Song教授であり,講演内容は生物情報から機会の学ぶもの・音楽の類似フレーズの発見・ユーザの感情付与強調インターフェースでした。
 学生の最初のセッションの座長は,宇田川玲さんとHuhさん,2番目のセッションの座長は,中野基輝さんとBanさん,3番目のセッショは,吉田寛輝さんとJungさんでした。講演内容は,各自が取り組んでいる研究テーマについての紹介がなされました。
 最後に教員と学生がまた一同に会し,コンバージェンス科学研究科長のY.Choi教授の閉会の辞があり,その後懇親会を学外において開催し,より一層の交流を深めました。

 
参加者の集合写真 講演の様子
参加者の集合写真 講演の様子
 
○分科会6

「複雑対象・環境の3次元モデリングと計測に関する北大−ソウル大学合同ワークショップ 2010」
情報科学研究科 教授 小野里 正彦
 

 本分科会は,情報科学研究科GCOEプログラム「知の創出を支える次世代IT基盤拠点」の支援により合同ワークショップとして2008年から毎年開催しているもので,今回で3回目となります。
 ソウル大学からは船舶海洋工学部Tae−wan Kim教授をリーダーに,情報系の教員4名,ポスドク研究員1名,博士課程学生3名,修士課程学生3名の合計11名が来日しました。
 ワークショップでは双方の教員を中心とした10件の研究発表と,学生15名によるポスター発表を行い,3次元形状処理,最適化処理,データ可視化,データマイニング,データモデリング,リアルタイム検索など情報科学に関する幅広い内容に対しての活発な議論と意見交換を行いました。また,合同ワークショップと並行する形で大学院学生を対象に,計算機による形状処理に関する特別講義をTae−wan Kim教授に行っていただきました。夕方にはシステム情報科学専攻の3つの研究室を順に訪れ,研究成果のデモを見たり,日本の大学の研究室の様子を見て回りました。
 最後に,ちょうど開催初日となったさっぽろホワイトイルミネーションを眺望できるさっぽろテレビ塔の会議室で懇親会を行い,来年の再会を期して分科会を終了しました。

 
学生によるパネル発表 Tae-wan Kim教授による特別講義
学生によるパネル発表 Tae-wan Kim教授による特別講義
 
○分科会7

「植物の発生と進化2010」
理学研究院 教授 山本 興太朗
 

 昨年度に引き続き,ソウル大学 Cho教授と本学理学研究院 山本興太朗教授が企画して,植物の発生と進化に関する分科会をおこないました。
 今年度の開催方針は,(1)部局横断的に植物科学の分野で活躍する若手研究者を起用すること,(2)大学院生と博士研究員を参加させて,大学院生の教育に貢献できる分科会を行うことの2点でした。前者を実現するために,理学研究院のほか,農学研究院,北方生物圏フィールド科学センター,低温科学研究所,創成研究機構から講演者を招きました。また,後者を実現するために,理学研究院の経費を利用してソウル大学の大学院生3名を招き,本学生命科学院の大学院生6名とともにポスターと口頭の両方で研究発表を行いました。
 この2つの方針は非常に好評で,大学院生にとっては,新進研究者による最新の成果の交換を目の当たりにすることができて大きな刺激になったほか,大学院生自身による発表で自らの研究の意義を確かめる良い機会になったと考えています。
 研究対象以外にも,両大学が共通に抱える教育の面の課題は驚くほど多く,主要参加者は深夜まで熱心に意見交換を行いました。
 来年度も,大学院生の教育という側面に一層重点をおいた分科会を行いたいということで,双方の参加者の意見が一致しました。

 
会場前での集合写真
会場前での集合写真
 
○分科会8

「ロシア文学・言語研究における可変的要素と不変的要素」
スラブ研究センター長 望月 哲男
 

 11月26日(金)午後1時から6時まで,スラブ研究センター4階大会議室にて上記の分科会が行われ,ソウル大学ロシア・東欧・ユーラシア研究所(IREEES)から7名,スラブ研究センターから教員・外国人研究員・大学院生など10名,学外外国人ゲスト2名が参加しました。
 スラブ研究センターは,北海道大学・ソウル大学ジョイントシンポジウムの枠で過去4回合同企画に参加していますが,IREEESとの連続ジョイントプログラムとしては,今回が3年目になります。IREEESは学際的な組織ですが,人文系研究者が相対的に多いため,言語・文学をテーマにした今回は,所長と次期所長を含む7人の大きな代表団が参加しました。
 企画の趣旨は,主として20世紀のロシア文学・言語の研究史を踏まえて,モダニズム以降の文化における不変的なものと可変的なものを論じようというものでした。パク・ジョンソウ教授・所長の「トルストイとソロヴィヨフの論争」,チョイ・ジンセク上級研究員の「現代のバフチン研究と文化のダイナミクスの問題」,ソン・ヨンジ教授の「ロシア語における原因の接続詞」など,6件の興味深い報告がなされました。
 司会・コメンテーターはスラブ研究センターのスタッフのほか,ロシア科学アカデミーロシア文学研究所(サンクトペテルブルグ)からの外国人研究員マリヤ・マリコヴァさん,文学研究者のエドワルド・ヴラーソフ博士(有限会社フロントインタレスト(札幌)副社長)が務めました。ロシア語と英語でロシア文化を語り合いながら,お互いの関心や認識の幅を確かめ合う,極めて有意義な研究会となりました。
 ソウル大学側の参加者から,本学執行部の企画支援への感謝が述べられるとともに,鈴木章名誉教授のノーベル賞受賞への祝意と,本間利久教授の基調講演に対する深い関心が表明されたのが印象的でした。

 
講演の様子 講演に聞き入る参加者
講演の様子 講演に聞き入る参加者
 
○分科会9

「感染症の克服に向けて」
獣医学研究科長 伊藤 茂男
 

 獣医学研究科では,ソウル大学獣医学部と11月26日(金)に“Towards Infectious Disease Control(感染症の制圧に向けて)”と題したサテライトシンポジウムを,今年4月に完成した獣医学研究科講義棟講堂で開催しました。
 今年は,獣医学研究科,人獣共通感染症リサーチセンターから3名の教員,ソウル大学獣医学部から3名の教員に,感染症分野における各々の研究について講演して頂きました。
 梅村孝司教授(獣医学研究科)は狂犬病の治療法確立に向けた研究,大橋和彦教授(獣医学研究科)はマレック病の強毒化機構,梶野喜一准教授(人獣共通感染症リサーチセンター)は細胞障害性Tリンパ球誘導ペプチドワクチンによるインフルエンザ予防法の確立に向けた研究について講演し,ソウル大学のYoo教授にはプリオン病における神経細胞死の機構,Kim准教授には韓国で発生した高病原性鳥インフルエンザ,Chae教授には最近新たに韓国で存在が確認されたAnaplasma原虫について講演して頂きました。
 教員,研究員,大学院生を含め約80名がシンポジウムに出席し,活発な質疑応答,その後の討論により相互理解を深めました。
 両大学ともに,人獣共通感染症,動物感染症は得意分野の一つですが,獣医学にはこれ以外にも重要な領域があることから,次回は,獣医臨床及び基礎獣医学領域を中心にソウル大学でシンポジウムを開催することを約束しました。
 また,アジアの獣医系大学の先導的立場にある両大学が,教育・研究面で,これまで以上に交流を深めて連携を強化し,アジアにおける獣医学の進展に寄与する必要があることを確認しました。

 
分科会関係者での記念撮影
分科会関係者での記念撮影
 
○分科会10

「ナノバイオが拓く次世代核酸医薬」
薬学研究院 教授 原島 秀吉
 

 本分科会は,「ナノバイオが拓く次世代核酸医薬」をテーマに,11月26日(金)に開催されました。ソウル大学からはYu-Kyoung Oh教授他2名が参加,また,本学からは講演者4名を含む約100名の参加がありました。ソウル大学と本学薬学研究院との分科会を初めて開催しましたが,今回のシンポジウムが成功裏に終了したことは,大変意義深いものです。
 ソウル大学のOh教授と今回ホスト役を務めた原島秀吉教授は,核酸医薬を次世代医薬へ発展させるべく,世界でもトップクラスの研究を展開しており,元々国際学会では良く顔を合わせていましたが,本分科会を開催することで,多数の若手教員や大学院生が参加することが可能となり,交流を一段と深める良い機会となりました。
 今後は,競争と協調の関係へと発展することが期待されます。

 
ソウル大学Oh教授の講演 100名を越える聴衆が参加
ソウル大学Oh教授の講演 100名を越える聴衆が参加
サッポロビール園での楽しい懇親会
サッポロビール園での楽しい懇親会
 
○分科会11

「新世代のための学習支援」
高等教育推進機構 教授 細川 敏幸
 

 分科会「新世代のための学習支援(Learning Support for New Generation)」は,11月26日(金)午前10時から高等教育推進機構情報教育館4階の共用多目的教室(1)で開催されました。
 ソウル大学CTL(Center for Teaching & Learning)とのシンポジウムは今回で2回目になります。本学から12名,ソウル大学から6名の参加者がありました。
 まずソウル大学からは,工学部の教員を対象に調査した教員としてのコンピテンシー(職能)に関する研究が紹介され,学生との相互作用,言葉や態度による対話,授業改善の探求などの重要性が示されました。
 次に,エリートのみを受け入れていた入試制度を多様な学生の入学を許す制度に変えたため,学習上の問題を抱える学生が出てきたこと,そのため学習方法のセルフテスト,グループでの学習相談を実施していることが紹介されました。
 さらに,ライティングの指導やグループ学習の導入についての紹介がありました。グループ学習に際して,意見をまとめられない場合や,一人の意見に引きずられる場合があることが課題として紹介されました。
 一方,本学からは,まず総合入試の説明をしました。次に総合入試をサポートするための,アカデミック・サポートセンターの3つの活動(進路相談,学習指導,情報分析)を紹介しました。また,昨年度から新たにはじめたピアサポートについても報告しました。
 今回のシンポジウムでは,互いの大学における新しい教育制度の導入と,それにともない導入された学習支援システムが紹介され,討論が展開されました。グループ学習相談など本学では採用されていない支援システムもあり,興味深い会合でした。
 来年はCTLが創立10周年を迎えるため,さらに充実したシンポジウムが企画運営される予定です。

 
分科会の様子
分科会の様子
 
○分科会12

「大学の国際化」
国際本部役員補佐,工学研究院 教授 蟹江 俊仁
 

 このセッションは,ソウル大学と本学の国際交流担当教員・事務職員が大学の国際化に向けた方策について意見交換を行う場として,第8回ジョイントシンポジウムで初めて開催されて以来,6回目の開催となります。
 本学からは本堂武夫 理事・副学長をはじめ国際交流に携わる教職員が10名ほど参加しました。今回の分科会は「学生のモビリティを向上させる諸施策について」をテーマとして,両校からプレゼンテーションが行われました。
 ソウル大学からはJunKi Kim国際本部長が,現在ソウル大学が取り組んでいる留学プログラムや国際オフィスの拡充に加えて,今後の目標として協定校数の更なる増加や全学生の25%を留学させる計画について発表を行いました。
 本学からは,はじめに野田昭彦国際連携課長が,国際本部立ち上げやダブル・ディグリー・プロジェクト,そしてトリノ工科大学とのジョイント・サマースクール実施といった近年の取組を紹介しました。
 続いて,瀬名波栄潤 文学研究科准教授(国際本部AUAプロジェクト,プロジェクトディレクター)が, AUA(Alternative University Appraisal: ESD大学評価事業)プロジェクトについて説明を行いました。AUAプロジェクトとは,持続可能な発展のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)に励む大学の価値と魅力を伸ばすために,ESDの観点から自己評価を行うことができるモデルの作成を目的とするもので,延世大学校(韓国)やマレーシア科学大学など,アジア太平洋地域の著名な大学と協働して進められています。
 発表終了後はフリーディスカッションを行い,両国を取り巻く環境の違いを踏まえつつ,活発な議論が交わされました。
 今回の分科会では,大学教育の国際化に関して率直な意見交換が行われ,今後この問題に取り組んでいく上で有意義なものとなりました。

 
分科会の様子 発表するKim国際本部長
分科会の様子 発表するKim国際本部長
 

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