北の息吹  (45)

エゾコザクラ(Primula cuneifolia

2008.7.20 大雪山北梅沢
2008.7.20 大雪山北梅沢
 ツツジ科のコエゾツガザクラと並んで,北海道の高山風景を代表する高山植物であろう。大雪山の雪田が融けたあとの土地に大群落を形成し,目にも鮮やかなピンク色のカーペットを広げる。個体のレベルでも容姿端麗であり,根元に集まった細長い葉からすっきり伸びた茎の先に着く花冠は,5つに深裂して平開し,その先は浅く分裂する。花冠の中心(喉部)は鮮やかな黄色でよく目立つ。花色は濃淡様々のピンク色で個体差が大きいが殆ど赤色といっても良いものもある。本州日本海側の高山に自生する変種のハクサンコザクラ(var. hakusanensis)は母種よりも花が大きく,色もやや薄い個体が多いようである。
理事・副学長 岡田 尚武

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