部局ニュース

木原均墨蹟(1975年揮毫)を大学文書館で受贈

 8月31日(水),大学文書館では,木村照子氏(木村勝太郎夫人,大阪府在住)から,木原均揮筆の色紙をご寄贈いただきました。色紙は,木村勝太郎氏の旧蔵品です。
 木村勝太郎氏(1905−2010)は,1924(大正13)年北海道帝国大学農学実科に入学し,栃内吉彦助教授の下で植物病理学を学び,1927(昭和2)年3月に卒業しました。卒業後,長野県下伊那農学校教諭となり,戦後は四国女子大学(現四国大学)教授などを務めました。著書に『原色日本桑樹病害図説』(1979年),『北海道酪農百年史』(1985年)があります。
 木原均(1893−1986)は,1918(大正7)年7月北海道帝国大学農科大学農学科第三部を卒業し,大学院に進学してコムギの研究を行いました。京都帝国大学理学部教授,木原生物学研究所所長,国立遺伝学研究所所長などを歴任し,コムギの祖先の発見,ゲノム説の提唱,種なしスイカ製法の確立など,植物遺伝学に大きな業績を残しました。
 木原均と木村勝太郎氏は大学の先輩後輩,近接分野の農学研究者同士でした。「昭和五十年十二月」と裏書きがあることから,色紙は翌春の干支辰にちなんで「龍」と大書し,木原が木村氏に贈ったものであると推測できます。落款に含まれる「麦」の字や,「一粒舎主人」の号は,木原の広範な研究の出発点となったコムギ研究に由来しています。
 受贈資料は,大学文書館において大切に保管し,展示等で紹介してまいります。

木原均墨蹟(1975年揮毫)
木原均墨蹟(1975年揮毫)

(大学文書館)


前のページへ 目次へ 次のページへ