工学研究院量子理工学部門 応用量子ビーム工学分野 量子ビーム応用計測学研究室助教 藤田文行氏は,本年10月7日より膵臓癌治療のため入院加療中のところ,10月20日午前9時過ぎ,御逝去されました。ここに先生の生前の御功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
先生は,昭和49年3月北海道大学大学院工学研究科原子工学専攻修士課程を修了後,同年4月より工学部原子工学科基礎原子核工学講座に助手として採用され,プラズマ物理,粒子輸送論,放射線物理を専門研究分野としてご活躍されました。先生の研究内容は,具体的には,ラングミュアープローブによるプラズマ診断の研究,複合・プラズマの研究,核融合炉イオン温度測定用ダイヤモンド中性子検出器の開発などが主なものでした。
これらの研究テーマを軸として学部生や大学院生の教育にも心血を注がれました。先生は学生の研究テーマ設定の後,常に学生個別の懇切なセミナーを行い,初めての研究生活を無事乗り切ることができるように指導を行っておられました。教育者としての先生,特に学生と接しているときの充実感に満ちあふれた先生のお姿が偲ばれます。原子工学科2期ご卒業の先生にとって指導学生は後輩に当たり,常に慈しみの心をもって接しておられたものと拝察されます。
先生は今年の10月末にお誕生日を迎え,来春にはご定年のご予定でした。誕生日を目前に他界されましたことは誠に残念でなりません。
ここに謹んで先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
(工学院・工学研究院・工学部)
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