7月11日(水)〜19日(木),ソウル大学日本研究所(所長:韓榮恵)の教授引率現地研修が北海道で行われました。本研修は,ソウル大学日本研究所の次世代研究者プログラムの一環として実施され,教員の引率の下,ソウル大学大学院の修士課程学生を対象に,日本の各地を訪問して研修を行うプログラムです。今回は独立行政法人国際交流基金の助成を受けて,10名の大学院生が参加しました。これまで東京や沖縄等で行われてきましたが,今年は本学が協力することもあり,北海道で行われる運びとなりました。
7月12日(木)・13日(金)は,メディア・コミュニケーション研究院との共催で,ファカルティハウス「エンレイソウ」第1会議室において,「第1回ソウル大学−北海道大学日韓合同セミナー」を開催しました。ここでは本学から4名の教員が特別講義を行いました。12日は経済学研究科の内藤隆夫准教授と韓載香准教授が,それぞれ「明治前期の北海道開拓」と「北海道の地域経済:日本社会における役割とブランドとしての〈北海道〉」と題して講義を行いました。翌13日はメディア・コミュニケーション研究院の堀田真紀子准教授の研究グループが北海道のアートと地域振興について,行政,研究者,民間の視点から講義し,アイヌ・先住民研究センターの北原次郎太准教授がアイヌ民族の生活と文化について講義しました。
「日韓合同セミナー」には,国際広報メディア・観光学院及び文学研究科の大学院生も参加し,ソウル大学の学生らとともに議論し交流を深めました。なお,開会式にあたっては,メディア・コミュニケーション研究院の宮下雅年研究院長が本学を代表して挨拶を行いました。
14日(土)以降は,北海道開拓記念館,白老のアイヌ民族博物館,知床世界遺産センターを訪問して現地実習を行い,18日(水)は網走にも足を運び,博物館網走監獄などを体験しました。19日(木),ソウル大学一行は9日間の研修を終え帰途につきました。
研修を終えて,ソウル大学日本研究所から,今回の研修は非常に実りあるものであったと伝えられました。また,これまで東京に偏っていた研修を北海道で行うことで,活動領域を拡大することができ,特に北海道大学が受け皿となることで,深みのある講演と積極的な討論が行われ,さらに現地踏査までバランスのある研修になったと評価されました。参加した日本研究を主な専門とする大学院生からは,これまでイメージとして存在した日本とは異なる側面を体験することができ,視野を広げ問題意識を深化させることができたと成果の言葉が寄せられました。
今回の研修を契機として,ソウル大学日本研究所と今後多方面にわたる交流や協力が期待されます。