公共政策大学院(公共政策学連携研究部・公共政策学教育部)では,8月2日(木)・3日(金)の2日間,地方議員向けのサマースクールを開催しました。
このスクールは,地方分権が本格化する中,自治立法権の担い手としてその役割がますます重要となっている地方議会の活性化に寄与することを目的に,大学・大学院の取組みとしては全国初の試みとして,平成20年にスタートしたものです。第5回目となる本年は,道議,市議,町議ら40名の参加を得て実施しました。
スクールでは,1日目に,当院の山崎幹根教授から「これからの地方議会改革」について,また,外部講師として,前三重県議会事務局次長 高沖秀宣氏より「地方議会改革の動向と課題−事務局側からの視点」について,更に,北海道福島町議会議長 溝部幸基氏から「議会基本条例制定のビフォー・アフター」と題して,それぞれ講義が行われた後,当院の大学院生の協力の下,NPO法人公共政策研究所が今年度実施した道内地方議会へのアンケート調査結果(速報値)が報告されました。2日目には,6つのグループに分かれ,分科会形式での情報・意見交換,全体の討論を行いました。
分科会及び全体の討論では,「地方議会改革・活性化の現状と課題」というテーマで議論が行われ,具体的には,(1)住民参加による地域課題の発見と共有(議会や委員会等主催の住民との対話の場ほか),(2)課題を踏まえた議会内の討議と合意形成(議員間の自由討議,議会事務局体制の充実ほか),(3)行政(執行部)と議会の課題共有と討議(通年議会,一問一答方式,反問,政策討論の場の充実ほか),(4)住民への説明(議会情報の公開・提供の充実,議会や委員会等主催の議会報告会ほか)という4つの検討項目に関して,熱心な討論が行われました。
実施後のアンケートでも高い評価をいただき,地方議員の間で,受講者同士がともに学び,情報交換し,議論することができる当スクールのような場が切望されている様子が今回も強くうかがえました。
今回のサマースクールをひとつの契機として,受講者同士がネットワークを形成し,今後も情報交換をしながら同志を増やし,各地域で議会の活性化や地域の振興に取り組んでいかれることを期待したいと思います。