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総合博物館でパラタクソノミスト養成講座を開催

 総合博物館では平成16年より「パラタクソノミスト(準分類学者)養成講座」を開講しており,各講座修了者に「準分類学修了証」を発行しています。8月には下記の日程で魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)を開催し,参加者は熱心に取り組んでいました。

魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

 8月9日(木)・10日(金)の両日,総合博物館の河合俊郎助教と水産科学研究院の矢部 衞教授,今村 央准教授を講師に迎え,函館キャンパスにおいて開催しました。
 1日目の午前は水産科学館において,館長の矢部先生による開講の挨拶,メンバーの紹介,イントロダクションが行われました。次に,実験棟の実験室に移動し,河合先生による魚類の多様性についての講義が行われました。この講義には学術的にも貴重なミツクリエナガチョウチンアンコウなどの液浸標本も用いられました。講義後は休憩をはさみ,河合先生より魚類の分類方法,測定方法の説明が行われました。休憩の後,受講生は一人1個体のカサゴ目魚類の標本の測定を行いました。
 午後の講座では,引き続きカサゴ目魚類の標本の測定を続けた後,測定によって得られた計数・計測値を基に各標本の種同定を行いました。受講生は各自が測定・同定を行った魚類標本のスケッチを行い,1日目の講義は終了しました。
 講座2日目は,今村先生による日本の魚類学研究史の授業から始まりました。 授業後は,海洋生物学講座魚類体系学領域の見学が行われ,受講生は実際の魚体測定,解剖などの研究を熱心に見学していました。休憩をはさんだ後,河合先生による標本作成方法の指導がありました。この授業では透明二重染色標本なども資料として用いられ,午後に行われる標本作製作業のガイドラインが示されました。
 午後の講座では,生鮮標本から標本を作製する実習が行われました。標本作製は解凍,種同定,肉片採取,鰭立て,写真撮影,タグ付,固定の7段階の作業から成りますが,受講生は種同定から鰭立てまでの作業を行いました。標本はフグ目,カサゴ目,コイ目などなじみのある分類群から,トゲウオ目など普段あまり目にすることのない分類群にもおよび,受講生たちは一人当たり約10個体の標本を作製しました。
 最後に,今村先生より閉講の挨拶及び修了証が授与されました。本講座では受講者全員がパラタクソノミスト魚類(初級)の資格を得て,2日間の日程を終えました。
標本作製に取り組む受講生

標本作製に取り組む受講生

修了式の様子

修了式の様子

(総合博物館)

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