平成24年度「大学間連携共同教育推進事業」(文部科学省)
本事業は,国公私立の設置形態を超え,地域や分野に応じて大学間が相互に連携し,社会の要請に応える共同の教育・質保証システムの構築を行う取組の中から,達成目標が明確で高い成果が見込まれる取組を選定し,重点的な財政支援を行うことにより,教育の質の保証と向上,強みを活かした機能別分化を推進することを目的として今年度から実施されました。
8大学(北海道大学,お茶の水女子大学,琉球大学,大阪府立大学,玉川大学,同志社大学,関西学院大学,甲南大学)が連携し,本学が代表校となり申請を行い選定されました。大学間の連携以外に分野に関わるステークホルダー(学協会,経済団体,職能団体等)とも連携し,課題を共有,協働し,構想から実行,評価までを実施する体制の構築を図ります。
申請区分 |
取組名称 及び 実施年度 |
取組担当者 所属・氏名 |
分野連携 |
教学評価体制(IRネットワーク)による学士課程 教育の質保証(平成24年度〜平成28年度) |
理事・副学長(教育担当) 山 口 佳 三 |
採択事業の紹介
日本の大学は,PDCAサイクルをベースにした持続的な発展を行うことが期待されています。ところが,C(評価)の部分は脆弱で,現段階で利用可能なデータは学生の成績と学生による授業評価程度です。米国では,全国規模の学生調査分析を実施しており,IR(Institutional Research:機関評価)の一翼を担っています。本事業は,日本でもIRのネットワークを形成し,全国規模の学生調査分析を実施することを目指しています。すなわち8連携大学間での相互評価の結果ならびに学内の調査データを活用して,学士課程教育の質的向上に結びつける質保証システムの創出と教学支援組織を育成することが目標です。
具体的には連携大学において学生調査を実施し,大学の状況に適合した教学評価体制を構築し,大学間相互評価を実施します。同時に実施する英語力調査ならびに企業調査・卒業生調査により,グローバル化に対応した大学教育改革や就職ミスマッチの解消を目指します。さらに,教学評価人材育成のためのワークショップ事業も展開します。これらの事業により設置形態の相違を超えた国公私立大学の連携による, 学士課程教育の質保証に向けた新たな教学支援モデルを構築することが期待されます。さらには,教学評価のノウハウの共有化により教学評価を可能とする人材育成と日本版教学評価モデルの構築が行われます。