教員は職員と協同し,本学の運営や教育・研究,社会貢献にあたっています。教員がこれらの場面で“教員力”を発揮し活躍することは,大学の存在感を高めることにつながります。また,女性教員の活躍により多様な価値観・考えが生まれ,大学の力がさらに高まっていくと考えます。
昨今,男女共同参画社会の実現が求められています。社会を構成している重要なセクターである大学も例外ではなく,女性教員比率の向上は社会的要請でもあり,本学にとっても重要な課題となっています。
本学の取組
本学は2020年までに本学全研究者に占める女性研究者比率を20%までに高めるという「Triple Twenties計画」を公約し,女性教員・研究者比率を向上させるために,採用からキャリア形成,出産・育児・介護期間までさまざまな取組を行っています。例えば,新たに女性教員を採用した部局にはさらに人件費ポイントを付与するシステム「ポジティブアクション北大方式」,特に女性教員の少ない理系を対象とした各種の採用プロジェクト,女性研究者に対する複数メンター制度,あるいは出産・育児・介護期間における代替・補助人材の派遣や事業所内保育所の設置,病児の一時保育制度などがあります。詳細は女性研究者支援室ホームページ(http://freshu.ist.hokudai.ac.jp/)をご覧ください。
こうした取組は下図に見られるように,正規女性教員数の増加という形で成果を上げています。
正規女性教員数の増加状況(本学全部局) ![]() |
現状
「Triple Twenties計画」は,第4期科学技術基本計画に掲げられた自然科学系女性研究者の採用目標25%と比べてもごく控えめなものです。しかしながら,本学においてはこの目標の達成ですら大変厳しい状況にあります。特に,理系部局,教授などの上位職種に女性教員が少ない状況は際立っており,国際比較においてはより顕著です。世界大学ランキング最上位校のカリフォルニア大学バークレー校,ハーバード大学,イェール大学は正規女性教員比率が30%を超えており,工学系のマサチューセッツ工科大学でも19%ですが,本学はわずか8%にすぎません。
学内の部局で正規女性教員が20%を超えているのは保健科学研究院とメディア・コミュニケーション研究院のみであり,工学系,環境系,水産系では5%にも達していません。学部や大学院における女子学生比率が27%を超えている現状に鑑みれば,ここには能力差では説明できない社会的障壁が存在していることは明らかです。
世界主要大学における正規女性教員比率 ![]() |
職階別正規女性教員割合(本学全部局) ![]() |
課題
女性研究者の増加は,大学に有形無形の好影響を与えるに違いありません。しかし,男女共同参画は,単にメリット論の視点からだけで語られるべき問題ではないでしょう。
男女共同参画社会を実現するには,ありのままの多様性を含んだ社会や組織が望ましいという理念を共有することこそがもっとも大切なのだと思います。ジェンダー教育なども含めて,長期的な展望のもとでの取組が求められます。



