訃報

名誉教授 藤本 征一郎 (ふじもと せいいちろう) 氏 (享年74歳)

藤本 征一郎 氏  名誉教授 藤本征一郎先生は平成24年11月24日にご逝去されました。先生は昭和38年3月に北海道大学医学部を卒業し,1年間の実地修練修了後,同39年4月に同産婦人科学講座に入局されました。昭和46年3月に医学博士の学位を取得し,同47年4月から同49年5月まで米国ミシガン州立大学及び米国ロックフェラー大学に留学し,生殖内分泌学の研究に従事されました。昭和49年5月に北海道大学医学部附属病院講師,同60年8月に同大学医学部産婦人科学講座助教授に任ぜられ,同62年8月に教授に昇任し,平成14年3月の定年退官まで産婦人科学の教育,研究,臨床に従事されました。
 教授在職中に,医学部附属病院分娩部部長,同輸血部部長,同病院長,北海道大学評議員などを歴任され,医学部及び同附属病院の運営,発展に尽力されました。
 先生は人材育成と国際交流促進にリーダーシップを発揮され,先生の薫陶を受けた多くの産婦人科医が診療,研究に活躍しています。研究活動は多岐にわたり,胎児脳室周囲白質軟化症の機序解明,B型肝炎母児間垂直感染予防法の確立,妊婦甲状腺機能スクリーニング体制の確立,破水診断のための羊水中AFP測定キット開発などに成果をあげられました。平成11年には「胎児染色体異常の出生前診断に関する総合的解析」の功績により,北海道医師会賞,北海道知事賞を受賞されました。一方で婦人科癌における傍大動脈リンパ節郭清の臨床的意義を明らかにし手術治療の発展に貢献されました。
 退官後は,複数の病院の病院長を歴任され,地域医療に貢献されました。先生は平成24年4月から闘病生活を送られていましたが,11月に享年満74歳の人生を閉じられました。先生が開拓し,歩み続けてこられた若手の育成,地域医療への貢献,国際交流の促進への路を私ども後輩は力を併せて継承し歩んでいく所存です。ここに謹んでご冥福をお祈り致します。

(医学研究科・医学部)

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