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大学文書館で日下大器関係資料を再受贈

 1月30日(水),大学文書館では,日下大器氏(農学部農業生物学科1962年卒業)より,本学在学時代(1958〜1962年)の資料等を再びご寄贈いただきました。
 受贈資料は,(1)大学受験記を寄稿した『市立尼崎高等学校新聞』第41号,(2)大学在学中に支払った下宿代金等の領収証(小南商店等)17点,(3)旅行記録・農業観察記録を書き留めた大学ノート4点,(4)農業体験日記2点,(5)下宿窓外の気温観測表,新聞報道にみられる農業生産・気象関連記事を記録した大学ノート3点などです。
 日下氏は「入学して1年6ヶ月後,教養課程を終えて,農学部の農業生物学科植物へ進んだ。(略)生物を学ぶ気構えは充分あったが,農業は知らなかった」ことから(『関西エルム新聞』第57号,19頁),農業を実践・経験してこそ農学の意義を知り得るとの気概を持ち,小川三策(札幌農学校第12期生)が営む農場(札幌市清田区里塚)に農学部3年生であった1960年4月から11月にかけて週4泊住み込み,農業体験を積みました。この体験日記が(4)です。日記には,農学部学生として常に問題意識を持ちながら,作物病害・農薬・農業器械学などの参考文献を参照しつつ,牛の飼育,飼料作り,水稲・燕麦・ビート・ジャガイモなどの栽培に取り組む様子が克明に記されています。小川農場の水田に旋回水路を作って灌漑水の温度と水稲生育への影響を実証研究した成果は,その後,学術雑誌への掲載に結びつきました。
 大学文書館では,新制大学期の学生の自主的研究・課外活動をあらわす資料として,受贈資料を大切に保管し,展示等で紹介していきます。
小川三策農場(牛舎,1960年初夏)

小川三策農場(牛舎,1960年初夏)

「ゴロ」を転がして田植え場所に印を付ける日下青年(1960年6月)

「ゴロ」を転がして田植え場所に印を付ける日下青年(1960年6月)

旋回水路図が描かれた「農家日記U」(1960年7月23日の条)

旋回水路図が描かれた「農家日記U」(1960年7月23日の条)

(大学文書館)

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