名誉教授 村尾 誠 (むらお まこと) 氏 (享年93歳)
名誉教授 村尾 誠先生は平成24年12月31日にご逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。 同氏は,大正8年2月13日に静岡県浜松市に生まれ,昭和17年9月東京帝国大学医学部医学科を卒業し,海軍軍医としての勤務を経て,同21年5月東京大学内科学佐々内科,美甘内科,上田内科に勤務され,同24年6月東京大学助手となり,同25年12月医学博士の学位を授与されました。その後,昭和30年12月東京大学講師となり,同31年6月より1年間,アメリカ合衆国(メイヨ・ファウンデーション・フェロー(呼吸生理部門))へ留学されました。帰国後,昭和34年6月に東京大学助教授を経て,同41年11月に北海道大学医学部内科学第一講座教授に就任され,同57年3月31日の退官まで一貫して内科学の教育,研究,診療に従事されました。 同氏の研究は内科全般,特に呼吸器疾患の基礎,臨床を通じて広範,多岐にわたりましたが,昭和49年厚生省特定疾患「肺線維症」調査研究班初代班長に任命され,我が国の肺線維症研究の幕開けを担ったことは特筆されます。昭和51年には第16回日本胸部疾患学会(現呼吸器学会)総会を札幌で開催され,同52年には日本内科学会総会で「肺気腫と肺線維症」というタイトルで宿題報告を行っています。国立循環器病センター委託研究「肺高血圧症ならびに右心障害の診断の体系化に関する研究」においても班長を務められました。また,第22回老年医学会会長も務められました。 同氏は,北海道大学医学部結核研究所教授,同応用電気研究所教授,同医学部附属臨床検査技師学校長,同医学部附属看護学校長,同評議員,同医療技術短期大学部設立準備室長,同医療技術短期大学部教授並びに主事を歴任され,医学部,同附属病院及び医療技術短期大学部の運営,発展に尽力されました。これらの研究業績に対し,平成4年11月に勲三等旭日中綬章を受章されています。定年退官後は,帝京大学医学部第二内科教授,静岡県西部浜松医療センター病院長,北海道社会保険中央病院の顧問に就任され,地域医療にも貢献されました。 ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 |