訃報

教授 後藤 康明 (ごとう やすあき) 氏 (享年56歳)

後藤 康明 氏  後藤康明氏は,平成25年3月14日午前9時31分,癌性腹膜炎のため56歳でご逝去されました。
 先生は,昭和33年11月30日に北海道に生まれ,昭和56年3月北海道大学工学部建築工学科を卒業,昭和58年3月北海道大学大学院工学研究科修士課程を修了し,同年4月鹿島建設株式会社に勤務されました。昭和59年3月に同社を退職し,同年4月北海道大学工学部助手に採用され,平成7年3月に博士(工学)を取得,同年5月に助教授,平成18年4月に教授に昇任されました。
 先生は建築構造学に関する教育・研究に精励されました。鉄筋コンクリート構造などのコンクリート系構造物の挙動に関して,精緻な実験研究および解析研究を行い,この分野の発展に大きく貢献されました。特にプレストレストコンクリート杭のせん断抵抗性能,鉄筋コンクリート骨組の柱梁接合部のせん断破壊機構,柱梁接合部での梁主筋定着破壊性状に関する研究に力を入れ,多くの論文を発表し,その成果が建築構造設計に適用されています。
 学会活動においては,日本コンクリート工学会理事,日本建築学会北海道支部の常議員,総務委員長などを務められました。建築行政においては,北方建築総合研究所構造計算適合性判定センター構造計算適合性判定委員会委員,北海道庁北海道建築士審査会委員,札幌市耐震改修計画検討委員会副委員長などを務め,建築の専門家の立場から地域の建築行政に貢献されました。
 先生は,快気して研究・教育の場に戻る気概で最期まで闘病されていました。やり残した仕事が心残りでならなかったことと思います。今後さらに大きく世に貢献されるはずだった先生を失ったことは残念至極で,本学にとっても建築構造学分野にとっても大きな損失と思います
 ここに謹んで先生のご功績を称え,敬弔の意を表します。

(工学院・工学研究院・工学部)

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