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「特別修学支援室」を開設

 平成25年4月から,障害を抱える本学学生への支援をマネージメントする機能を持つ組織として「特別修学支援室」を開設し,高等教育推進機構N144,N145に設置しました。
 大学において,「特別修学支援室」が必要とされる背景には,障害者施策の大きな時代の流れがあります。平成18年12月,国連総会にて障害者の権利条約が採択され,日本は平成19年9月に署名し,現在,批准に向けて国内法の整備を進めています。本条約は障害者に合理的配慮をしないことは差別であると規定しています。教育機関における合理的配慮とは,教育を受ける権利の行使であり,その機会を均等に提供するために必要な人員の確保や施設設備の整備,情報保障や支援・教育方法などの環境調整を行うことです。大学教育を例に取りますと,大学が障害学生を受け入れ,その学生が他の学生と同じように授業を受けて,学習・研究する権利を保障するために必要なものを提供することです。例えば,聴覚障害学生にノートテイクや手話通訳等の情報保障を提供することが合理的配慮であり,これを行わないことは差別となります。先日,障害者差別解消法も可決され,平成28年度施行が予定されています。本学において,障害者への差別が生じぬよう環境調整をマネージメントする責務を「特別修学支援室」は担って参ります。
 実際の支援は,主として教育と研究の場で展開します。他部局教職員の皆様,そして当事者である学生,支援する学生,つまり大学全体で,ともに創り上げていくものです。
 「特別修学支援室」は大塚吉則室長(教育学研究院)をはじめ,相談員3名(本学教員兼務)体制でスタートしました。すでに10名弱の学生の利用そして支援が展開しています。
 先日行われた大学祭では,「特別修学支援室」として,紹介ビデオ(学生制作)の上映やノートテイク体験などを実施し,多くの一般市民そして学内外の教職員等,124名の方にお越しいただき,おかげさまで盛況に終わりました。今後は,オープンキャンパスでの相談窓口設置,各部局への出前説明会を企画して,開設間もない支援室の周知に努めていくことが今年度の課題となります。今後ともご協力の程よろしくお願いします。
室長の大塚教授

室長の大塚教授

大学祭での紹介ビデオ観賞風景

大学祭での紹介ビデオ観賞風景

(学務部学生支援課)

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