会計専門職大学院(経済学研究科会計情報専攻)では,6月11日(火)午後2時から,学術交流会館小講堂において,一般社団法人日本内部監査協会との共催(後援:札幌証券取引所)で,「組織運営と内部監査2013」というテーマで共同セミナーを開催しました。
セミナーでは,はじめに北海道ガス株式会社千歳支店長の金沢明法氏が,「全ての答えは現場にある−内部監査の要諦−」と題して講演を行いました。体験談やユーモアを交えながら,組織にとって有効な内部監査を実施するために留意すべき事柄について話されました。
続いて,「効果的なガバナンスのための内部監査」というテーマの下で,北海道ガス株式会社の金沢氏,株式会社オストジャパングループ内部監査室長の杉本幸樹氏,株式会社GTM総研執行役員で公認会計士・税理士の那須伸裕氏の3名をパネリストとしてパネル討論会を行いました(モデレータ:経済学研究科教授 蟹江章)。
金沢氏と杉本氏は内部監査の視点から,那須氏は公認会計士として外部監査に従事されてきた経験から,それぞれガバナンスの意義を明らかにされました。その上で,ガバナンスを具体化するためのツールとしての内部統制に内部監査がどう関わるべきかについて,3氏の考え方が述べられました。
企業経営の健全性を確保するための理念や方針を示すガバナンスとそれを具体化する内部統制を充実させていくために,内部監査は業務が定められたルールに従って実施されているかを確認する(アシュアランス)だけではなく,業務のより一層の改善に向けた助言や提案を行うこと(コンサルティング)に重点を置いていくべきであるといった意見が述べられました。
道内外から内部監査関係者や自治体の監査担当者,会計専門職大学院の学生など,100名を超す参加があり,組織運営のあり方についての議論に熱心に耳を傾けていました。
経済学研究科・会計専門職大学院では,地域社会への研究成果の発信や地域社会との意見交換を目指して,今後もこのようなセミナーや研究会を開催していきます。