経済学研究科地域経済経営ネットワーク研究センターは,7月10日(水)の午後1時から3時30分にクラーク会館講堂にて開催されたシンポジウム「ワーク・スタイルと地域コミュニティの展望:コワーキングから考える」を開催しました。本シンポジウムは,3名の講師による講演とパネル・ディスカッションの2部構成でした。
具体的には,国内初のコワーキング・スペース「Cahootz」の開設者でコワーキング協同組合代表理事を務められるなど,当該現象に関する国内のリーダー的存在である伊藤富雄氏に,「コワーキングが果たすもの:コミュニティ型ワークプレイスの社会的役割」と題してご講演いただきました。次いで,現在,国内で最も成功しているコワーキング・スペースの一つである「7F(さいたま市)」を運営されている星野邦敏氏に,「人々が集い働く場所の構築:7Fの取り組み」と題してご講演いただきました。最後に,個人でWebサービスの開発に取り組むかたわら,札幌初のコワーキング・スペースである「Garage labs(札幌市中央区)」を日常的に利用している札幌旭丘高校3年生の伊藤 輝氏に,「新たな働き方の実践と課題:高校生コワーカーの声」と題してご講演いただきました。その後,「働き方と地域コミュニティの展望」というテーマでパネル・ディスカッションが実施されました。
200名を超える参加者は,働く個人や組織,地域社会への影響が大きいものの,未だなかなか馴染みのない「コワーキング」という働き方の先駆的実践・推進者による多角的かつ具体的な講演や議論に耳を傾けていました。また,参加した学生に対するアンケートには,「漠然としていたコワーキングについて具体的に知ることができ,興味・関心が高まった」,「一度スペースを訪ねてみたい」など肯定的なコメントが多数記されており,本シンポジウムが気づきや学びに富む機会になったようでした。
なお,本シンポジウムは,文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)「コワーキングの価値創出メカニズム:場・主体・関係性のダイナミクス(代表:平本健太教授)」により開催されました。