北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場では,7月26日(金)に桑園地区の小学生と保護者を対象に農場公開を開催しました。
生物生産研究農場は「生産から食品加工まで」の一環教育を運営の基本にしており,リンゴ,ベリー類や大豆を加工する農産製造と,豚,鶏や牛乳を加工する畜産製造について,それぞれ原料の生産から加工までの一連の流れを通して学生実習や研究が行われています。今年の農場公開は昨年と同じプログラムで地域の親子を対象に食育教育の一環としてウインナーソーセージ製造体験実習を農場内のアグリフードセンターで実施しました。
最初に原料である豚の生産について説明しました。豚は生後180日目ごろ,110kgくらいで出荷されるという説明を聞いた小学生から「豚は300kgくらいまで育つので,もっと大きく育ててから出荷した方が良いのでは」という鋭い質問がありました。
その後,「ハム」「ソーセージ」「ウインナー」「フランクフルト」の違い,実習中の注意点,ソーセージ作りの手順,おいしい食べ方などを説明してから,身支度と手洗いを済ませてウインナーソーセージの製造に入りました。まず原料肉を挽肉状にした後,挽肉と香辛料などを計量し,これらを混和してケーシングに充填しました。昨年は混和と充填に専用の機械を使いましたが,今年は手作業で行いました。原材料を混和するときは温度が10℃を超えてはいけなく氷といっしょに混ぜるため,参加者は冷たさに我慢しながら親子で交代しながら混ぜました。ソーセージメーカーを使って練り肉をケーシングに充填するのも力のいる作業のため親子で協力して詰めました。充填した後は好みの長さに整形し,くん煙で香りをつけてからボイルし,再びくん煙して完成です。
完成後に昼食を兼ねた試食を行いました。参加者が作ったソーセージとあらかじめ機械で作ってあったソーセージの食べ比べも行いました。試食後は参加者が作ったソーセージを持ち帰り用にするために真空パック処理し,最後にアグリフードセンターの施設見学を行った後,解散となりました。
今年もアンケートで「楽しかった」とか「おいしかった」という感想をいただきました。夏休みの良い思い出になったことでしょう。今年はなるべく機械を使わずに実際に参加者自身の体験を多くしました。「手作りは大変で,スーパーで気軽に買えてよかった」という感想もありましたが,材料と道具があれば自宅でも作れるので自家製ソーセージをぜひ作ってほしいと思います。