役員便り

総長 山口 佳三

総長就任半年を省みて,そして展望

総長 山口 佳三 (やまぐち けいぞう)

 総長に就任しましてから,半年が経過しました。あっという間に過ぎ去ったというのが実感ですが,今さらながら,責任の重さを痛感しています。
 今年度新たに始まった取り組みから,進捗状況とその展望について報告します。

 一つ目は,「新渡戸カレッジ」です。これは平成24年度の文部科学省のグローバル人材育成推進事業に採択され,今年4月から立ち上げたプログラムで,国際社会の中で日本人としての自覚を持って生き抜くリーダーを養成する特別教育プログラムです。4月には,初めてのプレイスメントテストを実施し,372名の受験者中,上級合格者から129名を合格者としました。5月15日(水)に入校式を行い,終了後には,10名の北大OB・OGからなる新渡戸フェローとの最初の交流会も実施されました。プログラムは,順調に進行中で,10月11日(金)には第1回の新渡戸カレッジ講演会が開催されました。

 この新渡戸カレッジに呼応して,「現代日本学プログラム」という外国人留学生を受け入れるプログラムも現在計画中です。このプログラムは,1学年20名程度の留学生を世界各地から募集するもので,平成27年4月から始まります。当初は日本語能力をそれほど求めず,1年目は英語で教育します。ただし,並行して集中的な日本語教育を行い,参加留学生は学部のレベルではそれぞれ文系の学部に進学して専門教育は日本語で受け,1・2年次における日本文化理解等の授業を新渡戸カレッジ生と一緒に受講する,そのような形でバイリンガルキャンパスというものを実現し,日本人学生,外国人留学生それぞれのモチベーションを上げたいと考えています。

 二つ目は,道内国立大学の教養教育連携実施の取り組みです。これは,一昨年度あたりから開始されていました道内国立七大学の連携協議事項のうち,教養教育の連携部分が,文部科学省の平成24年度国立大学改革強化推進事業に採択されたことを受けて,今年度より実施されます。この取り組みの目標は,北海道内の国立大学が連携を図り,遠隔授業や単位互換制度を利用し,道内国立大学等の学生が受講可能な仕組みを構築し,教養教育の充実強化を図るというものです。このために,本学に連携教育機構を置き,遠隔授業・対面授業の開講調整,新たな授業方法の開発・普及,FD研修の実施等の連携業務を担います。初年度はこの事業の支えとなる遠隔システムの設置を行います。このシステムの有効利用を諮る観点から,本学では高等教育推進機構内にオープンエデュケーションセンターを立ち上げ,遠隔システムを利用した様々な教育方法の開発を進めていきたいと考えています。

新渡戸カレッジ「開校式」

新渡戸カレッジ「開校式」

フェローとカレッジ生との交流会

フェローとカレッジ生との交流会

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