医学研究科がん予防内科学講座(寄附講座)の浅香正博特任教授が,スペインのマドリードで開かれた欧州ヘリコバクター会議9月12日(木)〜14日(土)において,最高賞である「マーシャル・ウォレン賞」を日本人として初めて受賞し,14日に行われた授賞式でメダル等を授与されました。
欧州ヘリコバクター会議(European Helicobacter Study Group)は,胃潰瘍や胃がんなどの原因となる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」(ピロリ菌)の研究を目的とした唯一の国際学会で,同賞は,ピロリ菌の発見により平成17年のノーベル生理学・医学賞を受賞したバリー・マーシャルとロビン・ウォレンの名を冠して平成18年に創設されました。
浅香特任教授は,これまでに450本以上にも及ぶピロリ菌に関する論文を発表し,大規模な臨床試験を主導して,ピロリ菌の除菌が胃がん予防に極めて有効であることを証明しました。除菌と内視鏡検査による「胃がん撲滅計画」を提唱し,薬の保険適用の拡大につなげてきました。今回の受賞はこれらの社会啓蒙活動の業績が高く評価されたもので,授賞式では,プレゼンターであるロンドン大学のアンソニー・アクソン教授が,浅香特任教授が日本国内で行ってきた先駆的な取り組みに各国も追随し,いずれ地球上から胃がんを撲滅できる時を期待したいとの賛辞を述べました。
浅香教授の関連業績は,医学研究科がん予防内科学講座ホームページをご参照下さい。
http://www.cpmed.org/