サステナビリティ・ウィーク2013の開催
サステナビリティ・ウィーク2013を振り返って
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サステナビリティ・ウィーク2013 実行委員長
国際担当理事・副学長 上田 一郎 |
7回目となる今年のサステナビリティ・ウィークのテーマは,「持続可能な社会の構築に向けた学び」としました。2014年に国連「持続可能な開発のための教育の10年」キャンペーンが最終年を迎えるのを前に,サステナブルな社会とは何か,そしてその実現のために私にできることは何かを共に「学ぶ」ことにスポットライトを当て,40企画を開催しました。
総括
本年最初の行事が学生企画であったのは,とても喜ばしい出来事でした。9月10日(火)から3日間開催された「サステナビリティ学生環境シンポジウム」の副題は「食の未来に向けて私たちができること」とあり,まさしく主体的に考える企画でした。同時に,このシンポジウムは本学の留学生がイニシアチブをとり,本学の日本人学生のみならず他大学の学生とも協働して企画,実施したということですから,そのプロセスでも素晴らしい学びがあったことでしょう。
そして最後の行事が12月9日(月)・10日(火)に開催された,「第1回 サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト 国際大会」でした。世界から集まった学生発表者が準備のプロセスと当日の発表・議論を経て成長の手応えを得たと共に,聴衆者も大いに知的刺激を受けたとのことです。
これらのことに象徴されるように,国内外の様々な機関との共催,最先端の研究成果の共有,そして活発な議論を通じ,多くの気づきを与えたり考えを深めたりして自らを高めていくような学びの機会が数多く創出されたことが,各行事の報告からうかがえます。
今後に向けて
叡智や課題を分かち合い共感することを通じて,新たな未来を切り拓く心,ちから,仲間を育み続けるために,来年もサステナビリティ・ウィークを開催します。2014年10月25日〜11月9日を中心に,持続可能な社会の実現の担い手が世界中から集まれるよう準備を進めますので,今後とも皆様のご理解とご参加をお願い申し上げます。
 「サステナビリティ学生環境シンポジウム」を牽引した学生 |
 パンフレットBOXのついた サステナビリティ・ウィークの看板 |
 ベロタクシー初動の瞬間
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 授賞式の記念写真 12月11日(水)開催 「第1回北海道大学サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト国際大会授賞式」にて |
9月10日(火)〜12日(木) 会場:サステイナビリティ学教育研究センター
第2回サステナビリティ学生環境シンポジウム:持続可能な消費
主催:サステナビリティ日本学生ネットワーク,WSES同窓生/実施責任者:工学院 博士課程2年 Sebastian Charchalac
9月10日(火)〜12日(木)の3日間,「持続可能な食の消費」をテーマに,第2回目となる学生環境シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは,年1回,各国の学生が一か所に集結し環境問題について議論するサミット「世界環境学生サミット(WSES)」への参加経験者が中心となり,その北大版として開催しました。
食に係わる様々な立場の講演者を招き6つの講義を開催しました。加えて,参加者が意見を交わし,互いの考えを共有するためのワークショップも実施しました。 これらのプログラムを通して,参加者は食の問題について様々な視点から考える機会を得ることができました。参加者は本学に在籍する留学生を中心に約20名でした。様々な文化や学問分野の学生が集まり,積極的で活発な討論を行うことができました。講義の後には,学生からの質問が相次ぎ,時間が足りないほどでした。
サステナビリティ日本学生ネットワークのメンバーは,今回のシンポジウムで学んだことや経験を共有したいという思いを込めて,このイニシアチブを広める活動を続けています。本イベントの参加者も今後積極的に活動することが期待されます。
 講義の様子 |
 ワークショップの様子 |
9月24日(火) 会場:浙江大学バイオシステム工学・食品科学学院
国際シンポジウム:アジアにおけるサステイナビリティ学の展開
主催:サステイナビリティ学教育研究センター/共催:浙江大学バイオシステム工学・食品科学学院/
実施責任者:サステイナビリティ学教育研究センター副センター長 教授 田中教幸
9月24日(火),中国・杭州の浙江大学において,戦略的環境リーダー育成拠点形成事業の一環として,国際シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは2009年から毎年実施しており,今年で4回目の開催となります。
「アジアにおけるサステイナビリティ学の展開」をテーマとした今年のシンポジウムには,本学とその大学間交流協定校である中国・浙江大学,インドネシア・ガジャマダ大学,同・パランカラヤ大学,台湾・國立成功大学が参加しました。参加者は本学の学生と教職員10人,浙江大学の学生と教員13人,他の協定校の教員5人及びその他の参加者の31人でした。
シンポジウムでは,浙江大学・バイオシステム工学・食品科学学院の朱 松明教授をはじめ,各提携校からアジアにおける持続的社会構築のための教育の取り組みについて7件の発表がありました。シンポジウムの冒頭に,朱教授から浙江大学のバイオシステム工学・食品科学学院における教育の概要や業績,海外協定校との連携や国際交流についての紹介がありました。続いて,本学のサステイナビリティ学教育研究センターの田中教幸教授と石村学志助教からコースの概要や,地域持続モデル構築フィールド研修などについて説明がありました。國立成功大学・環境工学科の福島康裕准教授からは,新しく設立されたサステイナビリティ学の国際的・学際的コースの紹介がありました。パランカラヤ大学・農学部のスルミングミリ教授からは,森林や水源地域の保全活動を通した地域社会づくりをテーマとするエコビレッジを用いた研究開発の取り組みが発表されました。ガジャマダ大学・水産学科のスアディ博士からは,大学とコミュニティが協働してサステイナビリティに関連した課題解決策を模索すると同時に,コミュニティの活性化を目指すという,同大学の長年の取り組みの成果が発表されました。更に,浙江大学・エコプラン景観設計研究所の厳 力蛟教授から,中国の急速な経済発展によってもたらされた環境問題への対策のひとつとして,風水のような伝統的な中国文化を取り入れる「エコ都市」の建設が紹介されました。
最後に,アジア地域の持続的社会構築に必要な人材の育成について引き続き共同教育プログラムを継続,発展させていくことが確認され,インターネットによる講義の共有やフィールド研修の共同実施を充実させていくこと,来年度の国際シンポジウムをインドネシア・ガジャマダ大学で開催することへの合意が得られました。
 会議の様子 |
9月29日(日) 会場:歯学部講堂
自分じゃ気づかない,寝ている間のいびきと歯ぎしり
主催:歯学研究科/実施責任者:歯学研究科 助教 有馬太郎
9月29日(日)9時より,サステナビリティ・ウィーク2013の一企画である「自分じゃ気づかない,寝ている間のいびきと歯ぎしり」を開催しました。本企画は歯学研究科が実施する,臨床口腔生理学に関する企画の内,2010,2011,2012年に次ぐ4つ目の企画であり,題名の通り,本人が気づかないうちに発生する睡眠中のいびきと歯ぎしりについて,その悪影響や診断方法,治療方法について紹介,討論するために企画されました。
当日は天候もよく,多くの参加者がありました。道民カレッジと共催したこともあり一般市民の参加が多く,約80名の方々が集まりました。まず最初に睡眠中の歯ぎしり(睡眠ブラキシズム)について,部局間交流協定校であるデンマーク・オーフス大学よりピーター・スベンソン教授が紹介しました。次いで歯学研究科 有馬太郎助教より,いびきと睡眠時無呼吸についての概論の紹介があり,最後に北海道大学病院高次口腔医療センター副部長の山口泰彦准教授より,睡眠時無呼吸症の検査,治療法,医科との連携についての紹介がありました。その後,本会責任者の歯学研究科 北川善政教授から睡眠時無呼吸症患者の症例報告があり,質疑応答が行われました。実際の生活に密着しているトピックであったこと,自分では気づきにくい疾患であること,生死にかかわる場合があることから,聴衆より多くの質問があり,活発な討論が行われ大盛況で閉会することができました。
歯学研究科は,来年度以降も市民の生活に関わる企画を提供していきたいと思います。
 発表の様子 |
 身近な問題に熱心に耳を傾ける聴衆の方々 |
10月10日(木) 会場:百年記念会館大会議室
泥炭地管理国際会議 熱帯および冷温帯泥炭地管理の在り方とその未来像
主催:サステイナビリティ学教育研究センター/実施責任者:農学研究院 教授 大崎 満
今回のワークショップでは,泥炭地管理に関する,熱帯及び寒帯の泥炭地のあり方,そして,今後の泥炭地のあるべき姿について,泥炭研究のスペシャリストである,英国・ノッティンガム大学 Jack Rieley教授とインドネシア・科学技術評価応用庁 Bambang Setiadi博士を招聘し,講演を行いました。Rieley教授からは"Responsible Peatland Management: Can we learn from the past and present to make a better future?"(泥炭地管理の重要性:よりよい未来のために過去と現在から学ぶことができるのか)と題した発表,また,Setiadi博士からは"Future Aspects of Management in Tropical Peatlands"(熱帯泥炭地管理の在り方とその未来像)に関する発表がありました。
午後のセッションでは,現在,本学で採択されているSATREPS地球規模課題対応国際科学技術協力事業のひとつである「インドネシアの泥炭・森林における火災と炭素管理」プロジェクト(研究代表者:農学研究院 大崎 満教授)でのこれまでの長期的な活動での経験と最新の泥炭研究に関する発表が行われました。
今回は,全体で60名の参加があり,学内外の関係者及び多くの学生による活発な議論が行われました。
現在,UNFCCC(気候変動に関する国際連合枠組条約)等の国際的な会合の場でも,低湿地における「泥炭」が大きな注目を浴びるようになってきました。今後のこの分野での最新の科学技術の活用と,泥炭地とその周辺地域における人間活動の仕組みあるいはルール作りが,持続可能な低炭素放出社会実現への重要な一歩となると期待しています。
 発表の様子 |
 講演者・参加者との集合写真 |
10月17日(木) 会場:附属図書館
STAND UP TAKE ACTION in Hokudai
主催:附属図書館(国連寄託図書館)/共催:JCK北海道事務局,TICAD V 学生プロジェクト 北海道事務局/実施責任者:附属図書館 利用支援課長 鈴木宏子
10月17日(木)(貧困撲滅のための国際デー)午後6時20分より,附属図書館本館4階大会議室において,「STAND UP TAKE ACTION in Hokudai」を開催しました。
附属図書館は道内唯一の国連寄託図書館として,半世紀にわたり国連資料の所蔵・提供を行うとともに,国連の広報活動に協力してきました。当イベントは,その広報活動の一環として,世界の貧困解決と国連の「ミレニアム開発目標」達成のために「立ち上がる」世界的なキャンペーン「STAND UP TAKE ACTION」に連動して行ったものです。
想定外の急激な冷え込みのため,イベント前日に急遽,会場変更を余儀なくされるというトラブルに見舞われたものの,当日は学生,教職員,市民の方を合わせて63名の参加がありました。
イントロダクションとして,図書館職員による国連の「ミレニアム開発目標」達成状況の紹介が行われ,続いて共催者でもある2つの国際系学生団体から,活動を通して学んだことの発表がありました。JCK北海道事務局からは,今年の9月に札幌で開催された,第4回日中韓ユースフォーラムの学生運営事務局の北海道支部としての活動経験から,フォーラムの運営側と参加者側,それぞれの視点で活動を通して得られたことについての,流暢な英語での発表がありました。TICAD V 学生プロジェクト 北海道事務局からは,今年の6月に横浜で開催された,日本政府主導でアフリカの開発について考える国際会議「TICAD V」の大学生プロジェクトに関わってきた経験からの,アフリカをテーマにした発表がありました。最後に新田孝彦附属図書館長の「スタンド・アップ!」の掛け声のもと,参加者全員で立ち上がり,世界から貧困をなくしたいという意志をアピールしました。
散会後も,会場内に出展された両学生団体のブースでは,発表者と来場者との対話が行われ,時間を忘れて熱心に話し込んでいる様子が見受けられました。
アンケートの回答では,「自分と同じ大学生が行動を起こしていることを知り,たいへん刺激を受けた」「自分も世界に向けて活動しよう!という気になった」といった声が寄せられ,同世代の活躍に刺激を受けた参加者が多かったことがうかがえました。
 TICAD V 学生プロジェクト北海道事務局の発表 |
 参加者全員でスタンド・アップ |
10月19日(土) 会場:人文・社会科学総合教育研究棟 W103,102,101,104
経済学部主催 第10回プレゼン・ディベート大会
主催:経済学部/実施責任者:経済学部 准教授 肥前洋一
10月19日(土),経済学部主催「第10回プレゼン・ディベート大会」を開催しました。テーマは「とかい暮らし,いなか暮らし−北海道で『豊か』に暮らすには−」でした。今年は参加チーム数が少し減りましたが,文学部,法学部からの参加もあり,10チームが参戦しました。対戦をリーグ形式にし,一度負けてもまだチャンスはある!という展開に,各チームは知力を尽くしてプレゼン力とディベート力を競いました。「とかい」と「いなか」をどう定義するか。「とかい」での利点は交通網にあるのか。「いなか」の利点はイベントによる町おこしにあるのか。各チームそれぞれの切り口で,独創的な案が提示されました。
7時間にわたる数々の熱戦を繰り広げ今大会を制したのは以下のチームでした。詳細は,北大時報11月号に掲載していますのでご覧ください。
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/news/jihou/jihou1311/716_21.html
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 ディベートの様子 |
優 勝 準 優 勝 3 位 審査員特別賞 |
モーニング・ワイフ(橋本ゼミ) 黒子の茶道(肥前ゼミ) 名状しがたいディベーターのようなもの(文学部・法学部) チームきー(高井ゼミ) |
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10月21日(月)〜11月4日(月) 会場:附属図書館正面玄関ロビー
図書館展示 世界へ伝える・未来へつなぐ
主催:附属図書館/実施責任者:附属図書館 学術システム課長 片桐和子
持続可能な社会の構築に向け,研究活動,教育活動の成果を広く国内外の人々と共有することができるオープンアクセスとHUSCAP(北海道大学学術成果コレクション)の取り組みについて,「世界へ伝える,未来へつなぐ」と題したポスター展示を開催しました。展示は,HUSCAPで研究成果を公開している5名の研究者へのインタビューを通じて,本学の様々な研究分野と,それらの成果をオープンアクセスで公開することの意義について紹介するポスターを中心に構成されました。今回の展示は,研究成果のオープンアクセスに馴染みのない方にもその意義について理解していただくことを目指して,研究者の協力により作成されました。附属図書館正面玄関ロビーでの開催ということもあり,一般の方々も立ち止まって展示をご覧になる姿が見られました。附属図書館ではこれからも学術成果のオープンアクセスと,それを実現するHUSCAPについて理解を深める取り組みを進めていきます。
 研究者へのインタビューを基にしたポスター |
 HUSCAPの取り組み紹介ポスター |
10月23日(水) 会場:国際本部大講義室
持続可能な社会をつくる日本のボランティア
主催:JICA北海道/共催:国際本部/実施責任者:国際本部国際連携課 国際協力マネージャー 榎本 宏
JICA事業のひとつである青年海外協力隊に参加した本学卒業生の体験談発表をメインとして,JICA北海道による当事業の制度の簡単な紹介と,国際本部による取組紹介を行いました。
「青年海外協力隊」事業は途上国の発展を目的としており,現場では「相手国の自助努力を促進するような活動をすること」に主眼が置かれています。隊員は「いかにして持続可能な活動をするか」に頭を悩ませます。
このような悩みを抱えながら活動した方の報告を聞くことで,参加者には自分だったらどのような分野で事業に参画できるかを考えてもらうと同時に,自分にできる持続可能な活動は何かを考えるきっかけになったのではないかと思います。
サステナビリティ・ウィーク期間に海外ボランティアに関するイベントを開催するのは,今回で2回目でした。前回初めて開催した時には31名の参加がありましたが,今回少し減ってしまったことが残念でした。しかし,学内外問わず海外での活動に興味を持った参加者が集まり,特に若い世代の参加者には将来海外で活躍する道のいくつかを紹介できました。
このセミナーに参加した方の中から,海外で幅広く活躍できる人材が多く生まれてくれることを期待しています。
 本学卒業生からの体験談の発表 |
 JICA事業の概要説明 |
10月25日(金) 会場:農学部大講堂
特別講演:パーマカルチャー 〜持続可能な農業を目指して〜
主催:札幌日仏協会/札幌アリアンス・アランセーズ,アンスティチュ・フランセ日本/共催:農学研究院,国際本部/
実施責任者:農学研究院 教授 柳村俊介,国際本部国際連携課長 五味田將
10月25日(金),サステナビリティ・ウィーク2013の関連企画として,シンポジウム「持続可能な農業を目指して」を農学部大講堂で開催しました。
基調講演には土壌微生物学者であるリディア,クロード・ブルギニョン夫妻が初めて来日され,「生物相」を基盤とした土壌学について,基礎的な部分から始まり,実践に至るまで幅広い内容の講演を頂きました。当日は約100名の来場があり,大学関係者,一般市民の他に道内各地から多くの農業者にお越しいただきました。
引き続いて行われたパネルディスカッションでは,農学研究院客員教授の林美香子氏のコーディネートによって,ブルギニョン夫妻に加えて農学研究院の柳村俊介教授,内田義崇助教,小林国之助教が議論を交わしました。会場の農業者からは,多くの実践的な質問も寄せられ,ブルギニョン夫妻も熱心に回答されていました。
 会場の様子(農学部大講堂) |
 パネルディスカッションの様子 |
10月26日(土)〜11月10日(日) 会場:札幌キャンパス路上
ベロタクシー DE 北大散歩
主催:環境科学院環境起学専攻実践環境科学コース/共催:北海道グリーン購入ネットワーク/
実施責任者:地球環境科学研究院 教授 山中康裕
サステナビリティ・ウィークの風物詩となったベロタクシーが,今年も北海道大学を走りました。本企画は,4年前からグローバルCOEプログラムにより始められた,持続可能な社会構築のための学内交通手段に関する実証試験でもあります。今年の乗車人数は,期間を通じて698名でした。ベロタクシーは,一般的にはタクシーなどに替わる,低炭素社会のための乗り物と考えられがちですが,この実証実験を通じて,スローライフ・バリアフリー社会の乗り物であるということが見えてきました。今年度は,そのコンセプトのもとで,本学を訪れる方(お客様)への「おもてなし」として実施しました。
ドライバーとなる学生は,数多く発生する事例に対する分析と議論,全員の情報共有を毎日繰り返しました。これは,お客様への対応を通じて,正解のない公平性・公正性の問題への対応を実践する場となりました。例えば,予め乗車の時間を予約しようとするお客様への対応については,時間予約を可能と謳ってはいない中で特定の方のみの予約を受け付けることは公正ではないのではないか,日常の活動の中に「予約の時間」といった時間の制約を設けることはスローライフの考え方に反するのではないかといった議論が生じました。学生はほかにも,アトラクションのひとつとして紹介しようとするテレビ取材への対応や,歩行が不自由な方が同時に複数訪れた際の対応にも直面しました。また自然発生する待ち行列に対しても,学生は,本部を務める学生や時には実施責任者の教員と連絡を取り合いながらも,その場で,お客様に対応することが求められました。
安全運行はもちろんのこと,「おもてなし」というミッションを達成するために,学生は非常に高い意識を持つようになり,チームビルディングはもとより,公平・公正とは何か,お金で買えないものとは何か,などを肌で感じる貴重な「学びの場」となりました。
 銀杏並木を走るベロタクシー |
 頂いた写真とお礼状 |
10月26日(土) 会場:学術交流会館1会議室
GiFT2013 -Global Issues Forum for Tomorrow-
主催:北海道大学/実施責任者:国際本部長 上田一郎
本学の研究を世界の若者に向けて発信するインターネット・フォーラム「GiFT」は,誕生から3年目を迎えました。
今年は,「水」をテーマに掲げた第1セッションと「現代日本」の第2セッションという2部構成で,本学の6人の若手研究者が,最新の研究成果と共に課題解決の展望を各自12分間,英語で講演しました。
当日は会場とインターネット生中継を合わせて約100名の観客と視聴者が集いました。フィリピンやアメリカからの参加もありました。各講演に対し,Twitterを通じて多くの質問が寄せられ,Q&Aセッションはとても充実した時間となりました。
11月15日(金)からYouTubeで閲覧可能となったアーカイブ動画は,公開から1か月間で日本はもちろん世界各地から989回視聴され,その数は毎日増えています。
来年度もGiFTをサステナビリティ・ウィークの主要行事として開催する予定です。
◆GiFTウェブサイト
http://sustain.oia.hokudai.ac.jp/gift/
講演者と講演タイトル(意訳)
工学研究院 准教授 木村克輝
"Wise Water Use in Future Cities: Membrane Technology will Save the World"
(賢明な都市内水利用のあり方−膜技術が世界を救う−)
理学研究院 特任准教授 Helena Fortunato
"Living in an Ocean of Vinegar"(酸性化する海と生き物たち)
地球環境科学研究院 准教授 根岸淳二郎
"Reading Rivers for the Future"(未来に向けて川を読み解く)
留学生センター 特任准教授 Emma Cook
"Creating Unsustainable Lives: Effects of Gender Norms on Male Freeters"
(日本青年が抱える悩み)
留学生センター 教授 Philip Seaton
"TV Dramas & Tourism, Japanese Historical Sites as Sustainable Tourist Resources"
(大河ドラマ地の光と影)
留学生センター 准教授 Susanne Klien
"Relocating to the Countryside in Contemporary Japan: The Quest for Purpose in
Life (
ikigai)"
(都会を離れはじめた若者たち)
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 上田一郎理事・副学長による冒頭の挨拶 |
| GiFTとは,Global Issues Forum for Tomorrowの頭文字を取ったものです。これは,持続可能な社会の実現を阻んでいる世界規模の課題を解決しようと励む人々が集う機会を,インターネット上に提供するイベントです。同時に,これから専門分野を決めて本格的に研究を開始しようとする高校生や学士課程の学生に対し,最新の研究成果を紹介し,世界の課題の解決のために研究を共にしようと呼びかける機会でもあります。 |
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 Cook准教授による講演 |
 Klien准教授による講演 |
 セッション1のQ&Aの様子 |
10月29日(火) 会場:札幌市時計台ホール
時計台サロン 農学部に聞いてみよう
主催:農学研究院/共催:北海道新聞社/実施責任者:農学研究院 教授 高橋昌志
「時計台サロン」は,市民の方々に農学部などの研究を広く知っていただくと同時に,一緒に考え討論する場として平成24年4月から始まった市民公開セミナーです。
毎回の講演は,旧札幌農学校演武場の雰囲気を色濃く残した2階にあるホールで行われており,平成24年度は毎月開催の12回,平成25年度になってからは隔月開催になり,現在までに16回開催されました。
第17回目は「農畜産物と私たちの健康」をテーマに,「ミルクの健康・機能性」及び「ダイズ発酵物の機能性物質」について,普段食べている農畜産物が私たちの健康にどのように役立っているのかを,2名の講師がそれぞれ40分間で講演しました。
参加者は市民の方々,本学のOBや学生の計65名であり,終了後に実施したアンケートでは,「ミルクの役割や健康への効果,ダイズ発酵食品からの機能性サプリメントがどのように開発されているかがよくわかった」との回答が多く見られました。
時計台サロン実行委員会では,農学部から市民への情報発信の場として引き続き時計台サロンを開催していく予定です。
10月29日(火) 会場:学術交流会館講堂
第4回 ESD国際シンポジウム ―国際協同教育の開発―
主催:教育学研究院/共催:ソウル大学校,高麗大学校,北京師範大学,チュラロンコン大学/
実施責任者:教育学研究院 教授 水野眞佐夫
第4回国際ESDシンポジウムは,本学教育学部がアジアの4大学と協同で過去3年間取り組んできたESD国際協同教育について,参加大学が実践してきた双方向型短期留学における教育内容の報告と今後の展望について討議することを目的として開催しました。
今回のシンポジウムのプログラムは,各大学から報告者として参加した5名の教員(韓国・ソウル大学校と高麗大学校各1名,中国・北京師範大学1名,タイ・チュラロンコン大学1名,本学1名)による報告と各大学のESDプログラムに参加した本学の教育学部生代表5名による短期留学の成果発表を組み合わせた内容で実施されました。
「ESDキャンパスアジア in 北大」の担当教員による報告では,国際社会が抱えている持続性の危機を超克すべき国際協同教育の挑戦について,また,このプロジェクトの柱である互いの国に滞在する留学生を生活・学習・文化理解のためにサポートするBuddy Programについて,参加学部生からの報告が行われました。
引き続き,各アジアの大学における特徴的な取り組みについて教員と学部生からの報告を受けて,世界的課題を共有することによって生まれる新たな国際協同教育の可能性を議論しました。
今回のシンポジウムへの参加者は71名(教育学部生36名,大学院生7名,教育学研究院教員17名,その他,環境関連国立研究所,高大連携担当高校教員など学内外から11名)でした。
シンポジウム終了後に実施したアンケートでは,「学術的な話だけでなく実際に留学を体験した学部生の話を聞けたことが良かった」との回答が多くみられました。また,参加大学の教員が一堂に会して実践的教育の現状を踏まえて今後の展望を議論できたことの満足感を共有しました。
教育学研究院は,個別の大学や国家の枠を超えた展望の中で,学生と教員が相互に訪問し合いながら世界的課題を共有することを基軸として,持続的発展の保障を実現するESD国際協同教育の構築に今後も挑んでいきます。
 講演者の集合写真 |
 成果発表を行った学部生 |
10月30日(水) 会場:人文・社会科学総合教育研究棟 W103 共同講義室
「世界で働く」講演会:附属図書館新渡戸カレッジ応援イベント
主催:附属図書館(国連寄託図書館)/実施責任者:附属図書館 利用支援課長 鈴木宏子
10月30日(水)午後6時30分より,「世界で働く」講演会を開催しました。
この講演会は,国際機関で勤務した経験を持つ2人の教員を講師として,「世界を舞台に働くためにはどのような学生生活を送るべきか」「グローバルに活躍するために必要なこととは何か」といったことをテーマに話をしてもらい,学生が卒業後のキャリアプランを具体的に描くための一助とすることを目的としたものです。「附属図書館新渡戸カレッジ応援イベント」の一企画として,新渡戸カレッジ生をはじめとする世界で働くことを目指す学生を対象に行いました。
当日は大学生,高校生,教職員,市民の方を合わせて211名の参加があり,会場いっぱいにエネルギーの満ちた講演会になりました。
まず,国際本部の玉城英彦特任教授(元世界保健機関(WHO)所属)と正木幹生講師(元国連地域開発センター(UNRCD)所属)が,それぞれ自身の経験を基に「世界で働く」ことについて話しました。続いて,国際系活動に携わっている現役の北大生3名と講師を交えたパネルディスカッションを行い,学生の視点から見た「世界で働く」ことについての率直な意見,悩み,疑問を取り上げました。最後の会場からの質問受付では,多数の質問が寄せられました。
アンケートの回答では,「実際に世界で働いている方からお話を聞くことができて,将来への希望が高まった」「自分の将来を考える上で,非常に参考になった」といった声が寄せられ,温かいユーモアと熱いエールのこもった講師からのメッセージに,勇気をもらった参加者が多かったことがうかがえました。
 玉城先生の講演 |
 パネルディスカッション |
10月30日(水)〜11月10日(日) 会場:北図書館
資料展示「サステナビリティって,なに?」
主催:附属図書館,図書館学生サポーター/実施責任者:附属図書館 利用支援課長 鈴木宏子
10月30日(水)から11月10日(日),北図書館を会場に,図書館学生サポーターの企画による資料展示「サステナビリティって,なに?」を開催しました。
この展示を通してサステナビリティについて知り,今後の学生生活で深く考えるきっかけとなればという思いから,学部1年次の学生が多く利用する北図書館を会場としました。
展示では,図書館学生サポーターと図書館員が選んだ「サステナビリティを知るための本」とサステナビリティとは何かを解説するポスター,サステナビリティについての意見や感想を"葉"に書き込んで貼り付けていく「サステナビリティの樹」を展示しました。紹介した8冊の資料は,経済・政治・環境・エネルギー・貿易などサステナビリティに関わる幅広いジャンルから選定されました。資料は展示開始と同時に次々と貸し出され,サステナビリティに対する関心の高さがうかがえました。また「サステナビリティの樹」にも18枚の葉が茂り,「Up to our individual act!」「地球の未来のためにもTake Actionが大切!」など,サステナブルな社会の構築に向けた積極的で力強いコメントが多く見られました。
今後も附属図書館では,資料の提供を通して「持続可能な社会」の実現に向けた教育・研究を支援していきます。
展示の様子 |
 「サステナビリティの樹」に寄せられたコメント |
10月31日(木) 会場:医学部特別会議室
北海道大学−フィンランド ジョイントシンポジウム:オープニングセッション
主催:北海道大学,オウル大学,ラップランド大学/実施責任者:国際本部 国際連携課長 五味田將
10月31日(木)に医学部特別会議室において,北海道大学−フィンランド ジョイントシンポジウムオープニングセッションが行われました。このシンポジウムは,サステナビリティ・ウィークの一企画として,オウル大学とラップランド大学との共催により開催されたものです。
セッションでは,山口佳三総長をはじめ,オウル大学ラウリ・ラユネン学長,ラップランド大学マウリ・ユラコトラ学長の挨拶の後,マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使,ラーズ・クッレルード北極圏大学(University of the Arctic)
※学長より来賓の挨拶がありました。その後行われた「研究プロファイルの紹介」のセッションでは,本学,オウル大学,ラップランド大学及び北極圏大学から,各大学で実施されている研究活動の紹介がありました。
その後,「大学の国際化」をテーマとして,上田一郎理事・副学長,オウル大学 ラウリ・ラユネン学長,ラップランド大学 マウリ・ユラコトラ学長,北極圏大学ラーズ・クッレルード学長によるプレゼンテーションが行われました。さらに,本学ヘルシンキオフィスの田畑伸一郎所長をモデレータとしたパネルディスカッションでは,本学及び上述の3大学による活発な議論が行われました。
本学とオウル大学とは,平成13年の大学間交流協定締結以来,研究者及び学生の交流を行ってきており,今後様々な形での連携の拡大が期待されます。また,ラップランド大学とは平成23年に大学間交流協定を締結し,先住民に関する研究をはじめ,幅広い分野での交流が期待できます。北極圏大学については,平成23年6月に本学が加盟してまだ2年程度ではありますが,本年6月に本学の教員が参加する「永久凍土」に関するネットワークが正式プログラムとして承認されるなど,ネットワークの構築が進んでいます。
今回のシンポジウムを通じて,フィンランドの大学及び北極圏大学との連携が一層強化されることが期待されます。
※北極圏大学(University of the Arctic):カナダ,デンマーク,フィンランド,アイスランド,ノルウェー,ロシア,スウェーデン及びアメリカ合衆国(Arctic8)を
中心とした,北方圏における課題(環境問題,先住民,サステナビリティなど)に係る教育・研究を推進するための教育機関ネットワーク。
 山口総長の挨拶 |
 パネルディスカッションの様子 |
11月1日(金) 会場:医学部学友会館フラテホール
北海道大学−フィンランド ジョイントシンポジウム
分科会1 国際シンポジウム:北方圏における生態系サービスのリスク管理と持続的社会の構築
実施責任者:地球環境科学研究院 准教授 藤井賢彦
持続可能な発展(Sustainable Development,以下SD)に資する教育に熱心に取り組んでいる本学の大学間交流協定校5校から7名を招いて,国際シンポジウムを開催しました。
シンポジウムは陸域-海域生態系の生物に及ぼす人為的影響"Anthropogenic influence on living organism in terrestrial and aquatic ecosystems",海洋生態系と沿岸群集地域社会における持続的科学"Sustainability science on ocean ecosystem conservation and coastal communities",持続可能な社会と自然生態系保全の促進に関する法体系とガバナンス"Law and governance for promoting sustainable society and natural-ecosystem conservation"及び水の持続可能性:自然エネルギー,水衛生と水保全"Water sustainability: water use as natural energy, water sanitation and conservation"の4つのセッションからなり,全部で12の講演(1題20分)が行われました。
地球上で人類は指数曲線的に増加し70億人を超えており,その60%以上が沿岸域に集中的に分布し,その活動が地球温暖化の進行や生物多様性の低下をもたらしています。そのような全球的な環境変化の中で如何に持続可能な社会を構築していくかは極めて緊急的な課題であり,次世代への義務でもあります。本シンポジウムの成果はその問題点と課題を明確に打ち出すとともに,今後も協定校を中心に北方圏教育研究コンソーシアムとしてネットワーク化しながら持続的社会の構築を進めるための第一歩となりました。継続的な今後の展開が望まれます。
 分科会タイトルのスライド |
 活発な議論の様子 |
11月1日(金) 会場:医学部学友会館フラテホール
北海道大学−フィンランド ジョイントシンポジウム
分科会2 少子高齢社会における健康 〜持続可能な発展に向けて〜
実施責任者:医学研究科 助教 新井明日奈
学生・若手研究者の研究教育・訓練を推進する目的で,本学との大学間交流協定校(デラサル・デリー・ジュネーブ・ハワイ・マヒドーン・ペラデニヤ・ソウル・テキサスの各大学)をメンバーとする「Consortium for Global Health Research, Education and Training」が2009年に設立されました。それ以来,札幌,ペラデニヤ,ソウル等で定期的な会議を開催するとともに,学生交流や共同研究等を実施しています。
今年は,これらの大学にフィンランドのラップランド大学とオウル大学が加わりました。本シンポジウムでは,国内外の9人の専門家が,第1部「高齢社会における関心事項」,第2部「持続可能な高齢社会に向けた課題」に分かれ,公衆衛生学的観点から,自国の高齢社会の現状を踏まえて講演を行いました。
参加者は,本学の学生,職員,一般市民など40人でした。講演ごとに会場からの質疑に基づく活発な意見交換が行われ,各国が直面する課題に関する学際的かつ国際的な討論を,参加者を交えて展開できたことは大変有意義でした。
今後も,協定校との連携強化,若手研究者育成,並びに公衆衛生の啓発に努めるべく,継続してシンポジウムを開催していきたいと考えています。さらに,一般からの参加者を増やし,研究活動の社会還元をいっそう図り発展させていくよう,シンポジウムのあり方を検討することにも努めたいと思います。
 発表の様子 |
 講演者の集合写真 |
10月31日(木) 会場:情報科学研究科大会議室
北海道大学−フィンランド ジョイントシンポジウム
分科会3 遺伝情報のビッグデータ氾濫へ向かう科学
実施責任者:情報科学研究科 教授 遠藤俊徳
10月31日(木)に情報科学研究科が実施責任者となり,「遺伝情報のビッグデータ氾濫へ向かう科学(Analytical approaches toward big data flood of genetic information)」セミナーを,大学間交流協定校であるオウル大学からMikko Sillanpaa教授をお迎えして開催しました。セミナーでは,Sillanpaa教授の報告に加え,本学からモデレータである遠藤俊徳教授(情報科学研究科)をはじめとして,鈴木 仁准教授(環境科学研究院),荒木仁志教授(農学研究院),今井英幸教授(情報科学研究科)が報告を行い,北海道大学とオウル大学両校間の遺伝統計学・集団遺伝学分野における新たな共同研究の可能性を探りました。
本セミナーは,北海道大学−フィンランドシンポジウムの一環として開催されたもので,大学間交流協定を基にした組織的な研究交流の可能性を探る機会でもありました。今後もこうした取組みを実施することで,研究者個人間のネットワークを基にした従来型の研究交流に加え,持続的な組織間研究交流への発展が期待されます。
 オウル大学Sillanpaa教授(左側)との懇談 |
10月31日(木)〜11月4日(月) 会場:クラーク会館講堂
CLARK THEATER 2013
主催:北大映画館プロジェクト/実施責任者:文学部人文科学科2年 半澤麻衣
CLARK THEATER 2013では「After めぐり逢う,映画感。」というテーマを設定しました。映画を観た後の新しい価値観や,世界観の変化を大切にしてほしいという思いを込めてこのテーマにしました。昨年のテーマ「Routes」から自分たちの原点は何かと振り返った時,それは普段足を踏み入れることのない大学という場所で,あまり親しみのない作品やジャンルと出逢うことではないかと気づきました。
しかし,ただ出逢っていただくだけではなく,映画を観た後の変化を大切にしていただきたいと思いました。人によって積み重ねてきた経験は様々で,同じ映画を観た後でも人によって違う感想を抱くと思います。映画を観終わった後の余韻に浸りながら,自分の経験と作品との出逢いによって生まれた自分自身の変化は何だろうと思いを巡らせてみてほしいという思いを込めました。
オープニングでは北海道出身の若手クリエイター 片岡 翔さんと伊藤早耶さんの作品上映及びトークショーを行い,全国で活躍する若手監督としての貴重なお話を聞くことができました。またサステナビリティ・ウィークに参加の文学研究科応用倫理研究教育センターとの共催企画「今をときめく女性映画監督特集」では横浜聡子監督の3作品の上映及び,横浜監督と文学研究科の阿部嘉昭准教授とのトークショーを行い,映画を介して大学と監督と参加者が交流することができました。
他にも高松琴平電気鉄道(通称:ことでん)創業100周年記念事業「百年の時計」の上映及び金子修介監督によるトークショーや,「茄子 アンダルシアの夏」上映及び高坂希太郎監督によるトークショーを行うなど,監督の方と来場者が交流できるまたとない機会の提供や,名作「雨に唄えば」の上映など開催期間の5日間で,長編・短編作品から企画などを合わせて計32作品・14プログラムを上映しました。
今後も私たち映画館プロジェクトは映像文化を今以上に発展させるべく,北大での常設映画館の創設に向けて活動を続けていきます。その中で現代社会が内包する問題を様々な切り口で訴えていき,また教育機関としての大学に常設映画館が存在することの可能性を私たちの活動を通して訴えていければと思います。
 会場入り口に設置された映画紹介ポスター |
 スタッフ集合写真 |
11月1日(金) 会場:農学部大講堂
第1回農学研究院地域連携企画 現場主義に基づく持続可能な農村づくり
〜農学研究院と道内自治体の連携活動の実績から〜
主催:農学研究院/共催:北海道新聞社,北の3大学連携(酪農学園大学・北海道大学・帯広畜産大学)/
実施責任者:農学研究院 教授 坂下明彦
11月1日(金),農学研究院が連携する自治体の方をお招きした初めてのシンポジウムを開催しました。当日は,フリーライターの渡辺一史さんの講演に続き,訓子府町長 菊池一春さん,富良野市経済部長 原 正明さんからの話題提供がありました。
その後,北海道新聞社の久田徳二さんのコーディネートのもとで,本学農学部卒で余市町に新規就農した笠 小春さん,農学研究院の斎藤秀之講師も交えて2時間にわたるパネルディスカッションが行われました。
会場前のロビーでは,連携協定を締結している自治体(富良野市,標津町,弟子屈町,訓子府町,余市町,栗山町)及び北の3大学連携との活動を紹介するパネルと特産品販売も行われました。
農学研究院が地域との連携を進めるためのプラットフォームとして連携研究部門を設立して3年目になりました。今後やるべきことは山積みですが,これからも農学の実学としての使命を果たすべく,地域の方々と連携した取り組みを行っていくためのヒントと元気をもらう機会となりました。参加していただいた関係者,来場者の方々にお礼申し上げます。
 シンポジウムの様子 |
 連携する自治体によるパネル展示・発表 |
11月1日(金) 会場:国際本部大会議室
留学希望者向けセミナー SD on Campus: Invitation to Study Abroad Program
主催:国際本部/実施責任者:文学研究科 教授 瀬名波栄潤(国際本部 プロジェクト統括ディレクター)
国際本部は,昨年に引き続き,今回で5年目となる留学希望者向けセミナーを実施しました。参加大学は,タイ・マヒドーン大学,インドネシア・パランカラヤ大学,スリランカ・ペラデニヤ大学,中国・浙江大学,同・中国海洋大学,ロシア・北東連邦大学,ナイジェリア・ナイジェリア大学の7大学でした。セミナーでは,学生の目線での情報提供を目的に,北海道大学短期留学プログラム(HUSTEP)で交換留学している留学生による発表が行われました。それぞれの大学が,サステイナブル・ディベロプメント(SD)についてどのような教育を行い,学生が授業や授業外でSDにどのように関わっているか,特徴的な取り組みを紹介しました。また,セミナー後半ではナイジェリアの伝統的なダンスが披露されました。
参加した学生達に実施したアンケートでは「協定大学への留学について興味を持てた」,「英語を勉強しようと思った」などの回答が見られました。また,発表した留学生も自らの大学を直接アピールできる貴重な機会と捉えて十分な準備を重ね,当日も満足感を抱いていたようでした。参加学生のアンケートでは,来年度に講演してほしい大学の希望についても聴取することができたので,可能な限り希望を取り入れて来年度も開催したいと考えています。
 瀬名波栄潤教授による本学のSD取り組み紹介 |
 留学生による発表の様子 |
11月1日(金)〜24日(日) 会場:総合博物館「知の交流コーナー」
白夜の北極・グリーンランド展
主催:低温科学研究所,総合博物館,北海道テレビ放送株式会社/実施責任者:低温科学研究所 講師 杉山 慎
気候変動を調査する文部科学省の5か年計画の大規模プロジェクトに低温科学研究所が参加しており,北海道テレビ(HTB)の番組がこの夏1か月にわたってグリーンランドでの観測に密着しました。
この時行われた現地での調査研究の内容のほか,HTBのクルーが取材した映像や写真の展示を総合博物館にて行いました。
期間中には,低温科学研究所の杉山 慎講師,現地に同行したHTB金子 陽記者,写真家 阿部幹雄氏が講演し,地球温暖化で溶けてゆく氷河氷床の変化,そうした極地で暮らす人々の様子を伝えました。
神秘的で美しい氷河の光景とは裏腹に,想像を超えるスピードで進む地球温暖化の様子には,訪れた人々の関心も高く,期間中11,000人以上の来場者がありました。
学術研究とテレビでの番組放送の融合から派生した本展示は立体的で,双方にとっても,実験的な試みとなりました。
 展示を見学する多くの来場者 |
 低温科学研究所 杉山講師による講演の様子 |
11月2日(土)〜4日(月) 会場:学術交流会館小講堂(11月2日,4日),遠友学舎(11月3日)
東アジアメディア文化交流プロジェクト「越境するメディアと東アジア」
主催:メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター/実施責任者:メディア・コミュニケーション研究院 教授 渡邉浩平
東アジアメディア研究センターでは,11月2日(土)〜4日(月・祝)の3日間,「越境するメディアと東アジア」と題してシンポジウム,討論会,講演会を開催しました。
2日(土)の第1部「メディア文化フローのダイナミズム」では,センターが平成25年度「東アジアにおけるメディア文化フローの調査研究プロジェクト」を通じて行った研究の成果を当学院の教員と大学院生が披露しました。第2部で実施したのは,日本・韓国・中国がナショナリズムを乗り越えて共通のアイデンティティを育むリージョナル放送空間の構築をテーマにした国際シンポジウムです。2001年に始まった「日韓中テレビ制作者フォーラム」の実践をメインの議題に据え,東アジアにおけるコンテンツ産業の流通及び交流の現状について関係者・専門家が議論しました。
3日(日)の大討論会「ポスト韓流時代と北海道」では,これまでの「韓流」が持つ意味と現状,そして今後の日韓の文化交流について,専門家や市民,学者,学生が議論を行いました。第1部「北海道の映画文化と韓国映画」では,シアターキノの中島 洋さん,第2部「北海道のラジオとK-POP」では株式会社STVラジオの室田智美さんをお招きし,90年代以降の日韓の文化交流の変遷について語り合いました。
4日(月・祝)の第1部は,「中国の経済成長とメディアの果たす役割」と題して,胡 舒立さんの講演会を実施しました。胡さんは90年代末から中国の経済誌「財経」「財新」の編集長を務めつつ,中国・中山大学メディア学院(傳播与設計学院)学院長も兼務されている中国を代表するジャーナリストです。中国メディアは統制されつつも経済ジャーナリズムの領域において,一定程度の自由な報道を行っていること,さらに,インターネットの普及により,市民の声がネットによって表現されるようになったことが紹介されました。第2部「東アジアが共有するメディアと歴史の記憶」では,済州4・3事件を描いた映画『チスル』を上映し,済州4・3研究所所長及び本大学院の教員と学生による白熱した議論が行われました。来場者からは上映会を通して国家暴力による犠牲の歴史を共有し,映画がどのように抑圧された記憶を語りうるのかについて考えさせられたという意見が寄せられました。
これらの活動を通じてこれからの東アジアのメディア交流の可能性が示唆されました。
 大討論会の様子 |
 胡さんの講演の様子 |
11月3日(日) 会場:中央キャンパス総合研究棟
保健科学研究院公開講座 ようこそ! ヘルスサイエンスの世界へ
主催:保健科学研究院/実施責任者:保健科学研究院 教授 傳田健三
「ようこそ! ヘルスサイエンスの世界へ」というテーマのもと,3名の講師が専門分野の紹介を行う公開講座を開催しました。
第1限目は「リウマチ診療の進歩と画像診断」と題して,神島 保教授が進行性の関節破壊をきたす関節リウマチの診断・治療に画像診断がどのように役立つかを解説しました。
第2限目は「超音波でみる心臓の動きと血液の流れ」と題して,三神大世教授が心臓の動きや血流の動画など人体内をリアルタイムで映像化する超音波の診断能力について解説しました。
第3限目は「子どものうつと自殺に傾く心理−その実態と対策について−」と題して,傳田健三教授が近年増加している子どものうつ病,若者の自殺について,我が国の実態を報告し,その対策について解説しました。
講演者はサステナビリティ・ウィーク2013のテーマである「持続可能な社会の構築に向けた学び」をキーワードとして,保健科学の視点から詳しくかつわかりやすく解説しました。
参加者からは概ね好評を博し,様々な質問が出ました。それに対して,3名の講師は丁寧に解説しました。
今後も毎年,その時の時代を反映するようなテーマを設定して,同じ時期に公開講座を開催していく予定です。
 保健科学研究院 伊達広行研究院長による挨拶 |
 講演する傳田教授 |
11月4日(月) 会場:学術交流会館大講堂
国際シンポジウム 触発する映画 女性映画の批評力
主催:文学研究科応用倫理研究教育センター/実施責任者:文学研究科 教授 瀬名波栄潤
文学研究科応用倫理研究教育センターは,現代日本の女性監督による映画を題材に国際シンポジウムを開催しました。映画監督の横浜聡子さんをお招きし,国内外の映画研究者とともに文化表象及び文化受容の特質や歴史性あるいは政治性を,ジェンダー・セクシュアリティの観点から批評的に捉え直す試みです。アメリカやアジアで,かつて男性中心だった映画産業に女性が監督として進出したとき,映画という表象実践はそれまでとは全く異なった「イメージ」と「語り」をもち始めました。そうした女性監督たちの手による「女性映画」は,ジェンダーおよびセクシュアリティの表現を最も批評的かつ創造的に探求してきたジャンルだと言えます。本国際シンポジウムでは,「女性映画」に焦点を当てて,持続可能なジェンダー・セクシュアリティ平等や文化多様性の観点からそのポテンシャルについて再考を試みました。
シンポジウム前日には,「北大映画館プロジェクト」と協力開催し,横浜監督の作品を「CLARK THEATER 2013」で上映しました。シンポジウム前半は,米国・スワースモア大学 パトリシア・ホワイト教授に「トランスナショナルな女性映画―美学,政治学,制度」,そして明治学院大学文学部 齋藤綾子教授に「女性映画が問いかけるもの」と題し講演を行っていただきました。後半は,横浜監督より,映画監督として現場を知る立場から,自らの映画における女性のイメージや語りについて,具体的にお話しいただきました。その後,前本学文学研究科准教授(現小樽商科大学准教授)の菅野優香さんの司会による全体討論へと移りました。来場者アンケートでは,「非常に勉強になった,継続してほしい」などの声が多く聞かれ,満足度の高いシンポジウムを行うことができました。
応用倫理研究教育センターは,今後も「持続可能な社会の構築に向けた学び」のひとつとして,ジェンダー・セクシュアリティ平等や文化多様性について考察していきます。
 シンポジウムの様子 |
 米国・スワースモア大学 ホワイト教授による講演 |
11月5日(火) 会場:学術交流会館講堂
環境・エネルギー国際シンポジウム:持続可能な未来へ
主催:北海道大学「持続可能な低炭素社会づくり」プロジェクト,札幌市/共催:環境省北海道地方環境事務所,一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構,さっぽろGreenerWeek運営協議会/実施責任者:地球環境科学研究院 特任教授 荒井眞一
11月5日(火),「環境・エネルギー国際シンポジウム:持続可能な未来へ 〜低炭素社会と再生可能エネルギー〜」を開催し,学内外から約190名が参加しました。今回のシンポジウムは,札幌市・大田市・ノボシビルスク市の姉妹都市科学シンポジウムも兼ねており,日本,韓国及びロシアの研究者,実務家による講演及びパネルディスカッションが行われました。
上田文雄札幌市長が開会挨拶を行い,環境負荷の少ない低炭素社会の形成とエネルギー転換をまちづくりの中心課題として位置づけていることを紹介し,これをきっかけとして参加者が日常生活の中でできることから取り組みを進めていくことを期待すると述べました。
経済学研究科 吉田文和教授は,基調講演「再生可能エネルギーと地域経済の活性化」において,再生可能エネルギー導入の条件として,枠組み条件と目標設定等の4つを挙げ,今までの教訓として,関係者の合意と協力等の3点を指摘しました。次に,ロシア科学アカデミーシベリア支部工業経済経営研究所部長 兼 ノボシビルスク国立総合大学経済学部教授 ススロフ・ニキタ氏が「エネルギーが豊富な経済における再生可能エネルギー源:ロシアの場合」と題して講演し,コスト,インフラストラクチャー等が原因でロシアでは再生可能エネルギー利用が発達しておらず,さらに手続き時間の長さ等が原因で関係法が機能していないことを指摘しました。そして将来的には新たな仕組みを作ることが重要であると述べました。韓国エネルギー技術研究院主席研究員 李 震石氏は「バイオエネルギー:持続可能な社会への鍵となる手段―韓国の経験―」と題し,2012年に固定価格買取制度から再生可能エネルギー利用割合基準(RPS)に変更したこと,今後再生可能燃料基準(RFS)等を導入する予定であり,バイオエネルギーは重要な役割を果たすことを述べました。
パネルディスカッション「地域の先進的な取り組みと今後の北海道」では,苫前町長 森 利男氏,鹿追町長 吉田弘志氏,寿都町長 片岡春雄氏から現状及び課題について報告がありました。議論では再生可能エネルギーを軸にして地域の活性化を図っていく必要性,コスト及びインフラを含めた仕組みを見直し,また,地域に適合した技術を作っていくことの重要性について共通認識が図られました。参加者からは,再生可能エネルギー利用を通じた地域産業及び雇用の創出の重要性等が指摘されました。
最後に,一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構理事長 鈴木 享氏と吉田教授が,北海道が日本の再生可能エネルギー普及の鍵であること,本シンポジウムが3地域における協力関係の新しい展開のきっかけになることを期待する旨を述べて閉会しました。
本シンポジウムでは,低炭素社会の実現及び持続可能な未来へ向けた方向性等について認識を深めることができました。また,アンケートでは特に,ロシア・韓国の再生可能エネルギーに関する実情や取り組み,3町長による自治体の具体的な取り組みの報告が非常に参考になったという回答が多く,充実した内容になったものと思われます。
今後も,環境政策の最新動向を情報提供などを行う場として,サステナビリティ・ウィークに参加していきたいと考えています。
 会場の様子 |
 パネルディスカッションの様子 |
11月5日(火) 会場:地球環境科学研究院D201
日露学術シンポジウム「知られざる極東ロシア 〜北大による連携研究の成果〜」
主催:日露学術シンポジウム実行委員会/共催:国際科学技術センター/実施責任者:創成研究機構URAステーション長 行松泰弘
11月5日(火),日露学術シンポジウム「知られざる極東ロシア〜北大による連携研究の成果〜」を開催しました。
冒頭,上田一郎理事・副学長の挨拶に続き,主賓のロシア科学技術アカデミー極東支部総裁 ヴァレンティン・セルギエンコ氏と,来賓の文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(国際担当)の長野裕子氏より挨拶が行われました。
セッション1「海洋・地球環境分野」では,低温科学研究所との取り組みとして,ロシア科学アカデミー極東支部 水・生態問題研究所長 ボリス・ボロノフ氏らにより,アムール流域から供給される溶存鉄がオホーツク海の生産性を支えるという研究成果などが報告されました。セッション2「カムチャッカ,千島,極東での地震火山研究」では,理学研究院との取り組みとして,同支部火山地震研究所長 エフゲニー・ゴルディエフ氏らから,20年に及ぶ日露共同の地震及び火山観測の成果と,防災への応用という側面が語られました。セッション3「サハ地域における陸域環境モニタリング」では,地球環境科学研究院との取り組みについて,同支部寒冷圏生物学研究所室長 トロフィム・マキシーモフ氏らから,内陸のサハ地域における降水量の変動が永久凍土に影響を与えつつあることや,持続的環境観測のための人材育成の重要性が指摘されました。
パネルディスカッションでは,初めに公益財団法人環日本海経済研究所の西村可明所長が,北海道開発を担ってきた本学が,極東ロシア開発において協力できる可能性を指摘し,長野戦略官は,特に日露の科学技術協力を巡る情勢と,今後協力を拡大していくことの重要性について言及しました。セルギエンコ総裁からは,日本は極東ロシアとの科学技術協力において最も重要なパートナーであるとの認識が語られ,その上で本学と,これまでの協力関係を基礎に,重層的,多面的な協力体制を構築すべき旨を示唆されました。まとめとして本学の創成研究機構URAステーション長 行松泰弘氏より,本学としては,人材育成面の取り組みの強化と,日本と極東ロシアとの研究面での協力強化に一層重要な役割を果たすべく,更なる学内外の研究ネットワーク化を推進していく熱意が語られました。
最後に,共催者である国際科学技術センターの岡本拓也事務局次長の閉会の挨拶により閉幕しました。本イベントの参加者は,総勢100名以上に及びました。北海道内外の大学や研究機関から研究者や学生が参加したほか,全体の3分の1を市民参加者が占め,北海道における極東ロシアへの関心の高さがうかがえる結果となりました。
 パネルディスカッションの様子 |
 講演の様子 |
11月5日(火) 会場:学術交流会館小講堂
国際シンポジウム
サステナブルで安心な社会の構築へ向けて〜予防原則という考え方〜
主催:環境健康科学研究教育センター/共催:医学研究科,教育学研究院,保健科学研究院,メディア・コミュニケーション研究院/
実施責任者:環境健康科学研究教育センター長 齋藤 健
「サステナブルで安心な社会の構築へ向けて〜予防原則という考え方〜」のテーマのもと,持続可能で人々が安心して生活できる社会をつくるために,「予防原則」という考え方がどのように役立つかを専門家と市民が一緒に学び考えるための機会としてシンポジウムを開催しました。自然科学,予防医学,公衆衛生学,社会科学など様々な観点から,1.予防原則の概要,2.水俣の教訓,3.環境化学物質ばく露による子どもの健康に関する調査研究,4.アジアの出生コーホート研究コンソーシアムが予防に果たす役割,5.リスクガバナンス:リスクベース,予防ベース,対話ベースのアプローチに関する5つの演題を提供しました。その上で,予防的方策とはそもそもどのような考え方を意味するのか,それは私たちの暮らしの安全に役立つのか,どのようにして環境を起因とする健康へのダメージを避けることに役立つのか,などを学びました。
医学研究科 大林由英助教,環境健康科学研究教育センター 岸 玲子特任教授の司会のもと,以下の講演を行いました。
講演後は司会及び講演者によるパネルディスカッションを行いました。単純なリスクであれば専門家による意見で良いが,複雑なリスクである場合は,市民や,特にそのリスクに影響を受けるであろう人々も含めた上でのネゴシエーションが必要であること,リスクとベネフィットのバランスをいかに保つか,経済的な観点からもリスクを評価し,社会科学,政策科学,毒性学等異なる分野の専門家がどのようにコンセンサスをとって人々に効果的に予防的に管理体系を組むかが,市民の不安感を取り除く上で重要である点などが議論されました。加えて会場からは,アジアや世界において異なるリスクが存在するが,それにコンソーシアムがどう関わるかに関する質問があり,講演者からは,当然地域によって化学物質の場合はリスクが異なり,遺伝的な背景からその影響も異なるので,地域に根差した形でリスクガバナンスが行われることが重要との回答がありました。最後に,今回の講演ではリスクとして環境化学物質曝露の問題を中心に取り上げましたが,社会経済要因や格差によるリスクについてもサステナブルで安心な社会構築には重要である点が強調されました。
講演者
1.メディアコミニューション研究院准教授 長島美織
「健康・環境・予防原則−導入として」
2.国立水俣病総合研究センター国際・総合研究部長 兼 環境・疫学研究部長 坂本峰至氏
「メチル水銀のハイリスクグループとしての胎児−メチル水銀の特異的経胎盤移行性」
3.環境健康科学研究教育センター特任講師 荒木敦子
「有機フッ素化合物曝露とこどもの健康−子どもの健康と環境に関する北海道研究−」
4.国立台湾大学教授 Pau-Chung Chen
"Birth Cohort Consortium of Asia"
5.シュトットガルト大学教授 Ortwin Renn
"Risk Governance, Precaution, and Policy Making"(ビデオ会議)
 講演の様子 |
 パネルディスカッションの様子 |
11月5日(火)〜11月7日(木) 会場:学術交流会館ホール
第5回北海道大学サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト
主催:北海道大学/実施責任者:国際本部長 上田一郎
サステナビリティ・ウィークの全学行事として定着しつつある「北海道大学サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト」を開催しました。
本コンテストは,本学の学生が今取り組んでいる研究を「持続可能な社会づくり」という観点から捉え直し,研究分野の異なる人にその意義をアピールするものです。自らの研究が,「持続可能な社会づくり」という人類の課題にどのように貢献し得るのか今一度考えてみようと74チーム(81名)の学生が参加しました。各自の研究と学びがどの観点から「持続可能性」に関係するかにより,参加チームは次の4つの課題に分かれました。
新たな社会の仕組み:11チーム
健やかに人間らしく生きる:15チーム
環境変化の緩和と適応:24チーム
資源の適切な利用:24チーム
11月5日(火)のコンテスト日には,発表者がポスターの脇に立ち,研究領域の異なる審査員に対し自らの研究の特徴・意義・課題への貢献内容を口頭で説明しました。それを,1枚のポスターにつき教員3名,学生3名の6名が審査をし,総得点378点でスコアを争いました。
厳正なる審査により最優秀賞,優秀賞,特別賞が決定しました。11月8日(金)には,学術交流会館第1会議室で授賞式を執り行い,山口佳三総長より4チームに最優秀賞が授与され,上田一郎理事・副学長より7チームに優秀賞,そして4チームに特別賞が授与されました。受賞者は,12月9日(月)に海外の大学間交流協定校の学生を招聘して行う第1回サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト国際大会に出場する権利が与えられました。
アンケートからは,発表者と審査員双方が知的刺激にあふれた議論を行ったことがうかがえます。一方で,審査委員長を務めた上田一郎理事・副学長からは授賞式の中で,「人間や社会の課題と自らの研究との関係性についてより深く理解し,より明確に発表する参加者が来年はもっと増えて欲しい」との総評がありました。来年は事前説明会を今年以上に充実させ,この点を参加者に伝える努力をしていきます。
所属部局別参加者数
環境科学院48人,保健科学院13人,農学院3人,経済学研究科2人,工学院2人,
水産科学院1人,理学院1人,獣医学研究科1人,理学部2人,HUSTEP1人
受賞者・チーム一覧 (「チーム」と表記のある者以外は個人での参加)
| 最優秀賞 |
| 「新たな社会の仕組み」分野 |
保健科学院 |
満永有美(M2) |
| 「健やかに人間らしく生きる」分野 |
獣医学研究科 |
Chukwunonso O. Nzelu(D3) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
環境科学院 |
MD. Shariful Islam(D3) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
環境科学院 |
森谷友郎(M1) |
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| 優秀賞 |
| 「新たな社会の仕組み」分野 |
保健科学院 |
蔵満美奈(M1) |
| 「健やかに人間らしく生きる」分野 |
環境科学院 |
Devon Ronald Dublin(D2) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
環境科学院(チーム) |
稲場優飛(M1),三原義広(D3) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
環境科学院 |
岡 佳和(D3) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
保健科学院 |
木村宣哉(M1) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
環境科学院 |
三原義広(D3) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
環境科学院 |
平山 純(D1) |
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| 特別賞 |
| 「新たな社会の仕組み」分野 |
保健科学院 |
長谷川淳子(M1) |
| 「健やかに人間らしく生きる」分野 |
理学院 |
沼崎麻子(D2) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
環境科学院 |
田中幹展(D1) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
水産科学院 |
Fenjie CHEN(M2) |
審査員数
164名(教員83名,学生81名)
 審査の様子 |
 授賞式の記念写真 |
11月6日(水) 会場:学術交流会館第1会議室
北大アフリカ研究会シンポ:アフリカで活躍する北大の研究者たち
主催:北海道大学アフリカ研究会/実施責任者:工学研究院 特任助教 牛島 健
目覚ましい発展を遂げようとしているアフリカ。しかし,ひとたび現地に入れば,まだまだ貧困,政治,環境をはじめ様々な問題が山積し,しかもそれらは複雑に絡まりあっていることがわかります。アフリカのサステイナビリティを議論するには,分野横断的な学際的アプローチが求められます。昨年,アフリカ研究に関わっている本学の研究者が集まり,北大アフリカ研究会(HURNAC)を立ち上げました。様々な専門をもつ本学研究者がネットワークを作り,一筋縄ではいかないアフリカの課題に取り組もうとしています。
本イベントでは,そうしたHURNACメンバーの中から,ルサカオフィス,獣医学研究科,保健科学研究院,工学研究院,メディア・コミュニケーション研究院に属するメンバーが,アフリカでの取り組みをそれぞれの視点から紹介しました。多様な専門性からの話題・内容でしたが,どの講演者もわかりやすい言葉で伝える努力をしており,参加者に十分に理解していただけたようです。どの発表に対しても質問・意見が活発に出されました。参加者は合計44名で,そのうち31名が学生・教職員を含めた学内関係者,13名が一般もしくは未記入でした。一般の中には,札幌市内の高校生2名も含まれていました。
イベントに合わせて実施したアンケート(回答率34%)では,「あなたの今後の活動に有益となりそうですか」の問いに対し,53%が「大変そう思う」,27%が「そう思う」と回答していて,参加者の満足度は高かったものと思われます。また,「感想・ご意見」を見ると,幅広い分野からのアプローチを一度に見られたことに対する評価が高かったようです。一方,次のイベントに向けて期待することとして「アフリカ出身者(留学生など)による発表も聞くことができるとよい」という趣旨の意見も複数いただきました。この点については,次に向けた課題です。
今後とも,こうしたイベントを通じてHURNACの取り組みを大学内外にアピールできるよう努めていきます。
 発表の様子 |
11月7日(木) 会場:学術交流会館小講堂
産学官セミナー 地理空間情報が拓く未来X ビッグデータの衝撃
主催:文学研究科/共催:一般社団法人地理情報システム学会北海道支部,北海道GIS・GPS研究会,NPO法人Digital北海道研究会/
実施責任者:文学研究科 教授 橋本雄一
地理空間情報とは,持続可能な社会を構築するための道具として期待が高まっている社会的な情報基盤であり,これをGIS(地理情報システム)や衛星測位の技術とともに活用することで,効果的な社会的活動を行うことが可能となります。本年度は,主にビッグデータに焦点を当てて,地理空間情報の活用に関する最新の動向を,野村総合研究所イノベーション開発部上級研究員の城田真琴氏に解説していただきました。
城田氏は,クラウド,ビジネス・アナリスティクス,ビッグデータなどを専門としており,先端テクノロジーの動向調査,国内外企業のIT利活用調査を通じてITの将来予測や提言を行っています。著書には『ビッグデータの衝撃―巨大なデータが戦略を決める―』(東洋経済新報社)があり,その内容を発展させて講演を行っていただきました。
「クラウド」,「ソーシャル」に次ぐ第3の潮流「ビッグデータ」。これは,ITやインターネットの発達に伴って蓄積された巨大データのことであり,その重要性に世界中の企業が注目しています。また,環境,経済,防災など様々な分野でも「ビッグデータ」の活用が検討されています。城田氏には,持続可能な社会を目指す上で社会問題解決やリスク回避のためにビッグデータをどのように活用すべきなのか,Google,Amazon,リクルートなどの企業の具体的な取り組みを盛り込みながら,俯瞰的な立場でお話しいただきました。当日は研究者,自治体職員,学生など160名以上の参加があり,ビッグデータを用いた地理空間情報の活用についての関心の高さがうかがえました。
 講演する城田氏 (野村総合研究所イノベーション開発部上級研究員) |
11月6日(水) 会場:学術交流会館大講堂
サステイナブルキャンパス国際シンポジウム2013
主催:サステイナブルキャンパス推進本部,施設部/共催:一般社団法人国立大学協会/
実施責任者:環境配慮促進課サステイナブルキャンパス推進本部担当 係長 森本智博
11月6日(水)に,「地域と連携したサステイナブルキャンパスの構築」をテーマに国際シンポジウムを開催しました。
講演者は,文部科学省と東京大学,また,本学とサステイナブルキャンパスに関する国際共同プロジェクト"UNI Metrics"を実施している欧州3大学(トリノ工科大学,ケンブリッジ大学,アムステルダム自由大学)から招聘しました。民間企業,自治体の関係者をはじめ,他大学の研究者,市民,本学教職員,学生など,約95名が来場しました。
シンポジウムでは,東京大学及びケンブリッジ大学から,地元行政,企業,市民と連携し,地域計画に根差したサステイナブルキャンパスを構築しようとする実践プロジェクト「アーバンデザインセンター柏の葉」「ノースウェスト・ケンブリッジ」について講演がありました。文部科学省からは,大学キャンパスを,教育・研究を下支えする従来の役割のみならず,社会に開かれた大学を創造する交流の場として位置付ける計画指針の紹介がありました。その後,"UNI Metrics"プロジェクトの成果として,トリノ工科大学と本学をエネルギーマネジメント及び環境負荷の視点から比較した講演,また,アムステルダム及び札幌の両都市圏の経済条件の比較調査をもとに,各々地域で産学官連携を促進するための政策戦略を示した講演が行われました。
最後に,上記講演者に札幌市市長政策室のエネルギー政策担当者を加えたメンバーでパネルディスカッションを実施しました。その中で札幌キャンパスは,市街中心部において他との明解な境界を持つにも関わらず,市民,観光客との相互作用が盛んな環境にあるため,その優位性を活かし,札幌市都市計画と調和したキャンパスづくりを目指すべきとの意見が多く出されました。
本シンポジウムにより,札幌市との地域連携協定を基礎に,さらに具体的なキャンパス計画を練るための手がかりと,国内外ネットワークの拡充を図ることができました。
 講演者の集合写真 |
 パネルディスカッションの様子 |
11月7日(木)・8日(金) 会場:学術交流会館小講堂
第6回セラミド研究会 学術集会
主催:セラミド研究会事務局/共催:サッポロ ヘルス イノベーション"Smart-H"/
実施責任者:先端生命科学研究院附属次世代ポストゲノム研究センター 特任教授 五十嵐靖之
11月7日(木)・8日(金)の2日間,学術交流会館小講堂でセラミド研究会第6回学術集会を開催し,他大学や企業研究所から90名,学内からは20名の学生を含む約30名の計120名が参加し,活発な討論が繰り広げられました。
今回の海外招待講演は,リピドミクスの世界的権威であるXianlin Han博士(アメリカ・Sanford- Burham 医学研究所)による,アルツハイマーの脂質変異との相関に関する報告に始まり,皮膚のアシルセラミドに関する酵素系の研究(薬学研究院 木原章雄教授),アトピーのバリア機能を促進する薬剤の発見(京都大学 椛島健治准教授)など基礎研究としても極めて質の高い発表や,コンニャクセラミドによる皮膚機能亢進の研究(ユニチカ株式会社 向井克之氏),機能性食品セラミドの研究の総括(藤女子大学 大西正男教授),セラミド運搬酵素の研究(国立感染症研究所 花田賢太郎氏(第5回JSC賞受賞)など招待講演5題,一般演題11題の講演が行われました。第6回JSC賞
*には濱中すみ子先生(濱中医院院長),JSC若手賞には薬学研究院博士課程1年の安倍健介君が選ばれました。
初日の夕方には,アスペンホテルで懇親会が開催され,50名以上が参加して情報交換や共同研究の話し合いがなされました。次回の研究会は,平成26年10月に東京ユビキタス協創広場で開催されることになりました。また,この会の講演や討論の詳細は11月27日付の食品化学新聞でセラミド特集号として,会長のインタビュー記事を含めて広く一般に報道されました。
*JSC賞は,セラミド研究に関する業績が顕著であり,セラミド研究会の発展に大きく寄与した同研究会会員に贈られる。
 会場の様子 |
11月9日(土) 会場:人文・社会科学総合教育研究棟
外来生物シンポジウム:生物多様性保全のために外来生物問題とどう取組むか
主催:文学研究科地域システム科学講座保全生態学チーム/実施責任者:文学研究科 教授 池田 透
北海道の豊かな自然環境や生物多様性保全のために,現在大きな問題となっている外来生物の生息・生育地の拡大や被害の問題について,その知識を広げ,どのように取り組むかを考える外来生物シンポジウムを開催しました。
シンポジウムは一般市民を対象に,各種外来生物の研究者,専門家,活動者,行政担当者を招き2部構成で実施しました。第1部では,各種外来生物の現状や駆除などの取り組みが25分ずつ紹介されました。第2部では,会場からの質問も取り入れながら外来生物にどう取り組んでいったら良いかについて,講演者をパネリストとしてパネルディスカッションを行いました。
参加者76人,講演者7人,スタッフ6人の計89人の構成で実施しました。知っているようで知らなかった外来生物問題について,一般市民に発信することができました。シンポジウム終了後に実施したアンケートでは,「様々な外来生物について学ぶことができ勉強になった」,「外来生物の現状を知ることができて良かった」,「来年も継続して開催してほしい」などの回答が多く見られ,多くの方から本シンポジウムの開催や内容について好意的な意見をいただきました。
参加者からいただいた意見や要望を受け止め,来年も開催できるように努めていきます。
 講演の様子 |
 パネルディスカッションの様子 |
11月9日(土)・10日(日) 会場:学術交流会館小会議室
原子力人材育成事業 第3回環境放射能に関する国際セミナー
福島の環境修復のための科学的基礎
主催:原子力人材育成「環境放射能」事務局/実施責任者:工学研究院 教授 小崎 完
本行事は,文部科学省補助事業である原子力人材育成等推進事業「多様な環境放射能問題に対応可能な国際的人材の機関連携による育成」のプログラムの一つとして実施し,今年で3回目の開催になります。環境放射能に関連した研究分野において国際的に活躍している研究者らを国内外から招聘し,最新の知見を学ぶとともに,活躍中の研究者との交流を促すことで,原子力施設の事故によって環境に放出された放射能の評価とその対策に従事できる国際的な専門家を養成することを目的としています。
今年度は,環境中の放射性核種の移行挙動に関して,フランス・放射線防護原子力安全研究所,米国・ウッズホール海洋研究所,フランス・ナント大学から4名の研究者並びに九州大学及び日本原子力研究開発機構の研究者2名による講演が行われました。また,ドイツ・放射線防護連邦研究所,ドイツ・ベルリン自由大学,フィンランド・放射線・原子力安全センター,ベルギー原子力研究センターの研究者4名に,放射性廃棄物管理に関する各国の取り組みや状況,研究例などを紹介いただきました。なお,これらの講義は日本人教員・研究者による逐次通訳を行いました。さらに,最終日(2日目)には,参加者全員が小グループに分かれて,グループディスカッションを行い,積極的な討論がなされました。
参加者は学生49名,社会人28名に加えて,本事業の実行委員18名でした。このうち,学生は,本学以外に,福島大学,福井大学,東海大学,金沢大学,筑波大学,新潟大学,広島大学,帯広畜産大学,旭川工業高等専門学校から参加がありました。イベント終了時に参加者を対象として実施したアンケートでは,「有意義であった」との回答が大部分であり,充実した内容であったと思われます。本事業は,今年度が実施の最終年度ですが,来年度以降も何らかの形で継続することを検討しています。
 講演の様子 |
 参加者からの質問 |
11月10日(日) 会場:学術交流会館第1会議室
第4回サステナブル・キャンパス・コンテスト
主催:SCSD (Student Council for Sustainable Development in Hokkaido University)/
共催:サステイナブルキャンパス推進本部/実施責任者:工学部4年 井上義之
11月10日(日),第4回サステナブル・キャンパス・コンテストを実施しました。サステナブル・キャンパス・コンテストとは,学生が,教育研究や日常生活の中で感じる問題を提起し,解決策をプレゼンテーションするコンテストです。
今年は,6組の学部生による発表があり,最優秀賞は「北大カフェプロジェクト」が受賞しました。「北大カフェプロジェクト」は,総合博物館横のウッドデッキを拠点に,学生が主体となり募金制で市民や学生へ飲み物を提供する活動を行ってきました。今回のプレゼンテーションでは,ウッドデッキが破損し使えなくなったという問題に対して,大学にただ直して欲しいと言うだけでなく,今後の利用価値を訴えて,修復するための提案をした点が高く評価されました。
また,本学の教員,大学院生が,科学や環境関連の講義を行う「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SSP)」で指導した北海道札幌藻岩高等学校の生徒からは,「凝集剤を利用した時の水質改善効果に関する実験」と「電子顕微鏡を使った鉄の微細構造の観察」に関する研究発表があり,指導した教員・大学院生も応援に駆けつけるなど,会場は元気あふれる雰囲気に包まれました。
 発表の様子 |
 藻岩高校の生徒と記念撮影 |
11月15日(金)〜17日(日) 会場:学術交流会館講堂
先住民文化遺産とツーリズム:生きている遺産の継承と創造
主催:アイヌ・先住民研究センター,観光学高等研究センター/共催:平取町/実施責任者:アイヌ・先住民研究センター 教授 加藤博文
持続可能な先住民族の文化遺産の保護と活用について議論することを目的として,国際シンポジウムを,11月15日・16日は本学学術交流会館において,17日は平取町沙流川歴史館にて開催しました。
11月15日と16日は,それぞれ「誰が守っていくのか」「どのように継承していくのか」という副題の下,先住民文化遺産の保護と活用に携わるアイヌ民族,地方行政担当者,企業関係者,研究者の方々,さらに文化遺産における知的財産権問題に国際的に取り組むIPinCH(Intellectual Properties in Cultural Heritage Issues,本拠地カナダ)の研究者の方々にご報告いただきました。16日の午後には,ユネスコ前事務局長である松浦晃一郎先生に基調講演をいただきました。松浦先生がユネスコ事務局長在任期間中にご尽力された無形文化遺産成立の過程とその意義,また先住民文化遺産を保護・継承していく上で国際社会・日本が解決すべき課題についてご講演していただきました。また,17日は「ツーリズム開発は地域の文化資源を活かせるか」という副題の下,地域の観光開発に携わる実務担当者に取り組みをご報告いただきました。
3日間にわたる本シンポジウムには,一般市民,本学学生・教員,行政担当者など約300名を超える方が参加しました。文化遺産の保護と活用において国内外で実際に行われている先住民族との協業に関する報告や,上記の課題について国際社会や国・地方自治体が進めている方策についての報告に対して,先住民政策,考古学,そしてツーリズムの視点から様々な質問やコメントがありました。これまで日本であまり馴染みのなかった,市民あるいは先住民族との協働を目指した文化遺産マネジメントについて,国内外の事例を多く参加者に紹介できた貴重な機会であったと思います。
 パネルディスカッションの様子 |
 講演者の集合写真 |
11月21日(木) 会場:クラーク会館講堂
地域経済経営ネットワーク研究センターシンポジウム
観光地アメニティによる地域活性化への路−マーケティングからの提言−
主催:経済学研究科 地域経済経営ネットワーク研究センター/共催:日本ダイレクトマーケティング学会/
実施責任者:地域経済経営ネットワーク研究センター長 町野和夫
日本のマーケティング学会の重鎮で観光に関する著書も多い神戸大学名誉教授(北海学園大学特任教授)田村正紀氏,高知県安芸郡馬路村でゆずによる農業活性化に40年間取り組み,それが観光振興につながり国土交通省選定観光カリスマに選ばれた,馬路村農協組合長・観光協会会長の東谷望史氏,経営破綻した青森県の古牧グランドホテルを再建し,今はアルファリゾート・トマムを引き継いだ星野リゾート・トマムの代表取締役・総支配人 佐藤大介氏を招いて,シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは当研究センターが,地域経済に関するテーマを決めて年1回開催するもので,今回で第3回目となります。
田村氏は基調講演「観光地振興の決め手は何か−アメニティ・ミックスに注目せよ−」で,名所旧跡,町並み景観,宿泊施設などの各アメニティ
*を個別にではなく,どのように組み合わせるかが重要であることを主要観光地のデータに基づいて示され,観光地マーケターの育成やコミュニケーション戦略の大切さを強調されました。
東谷氏には「ゆずの村の産直が村へ人を呼ぶ−1,000人の村の観光振興−」という演題で,ゆずを売るための加工品の製造・販売という農業の6次産業化を30年前から始め,年間を通して売れる商品開発や,村を売る地域ブランドづくりを行う中で,次第に観光客や視察が増加してきたこと,新事業に対する周囲の理解を得るため,地道な努力や工夫で収益を上げてこられたことをお話しいただきました。
佐藤氏の講演「変革の現場から知る観光産業の現実と可能性」では,青森の老舗旅館はなぜ破綻し,その後再生できたのか,星野リゾートはどのように甦ったのかについて,顧客満足度向上,そこにしかない魅力づくりと収益性改善の3点の追求が必要なことをデータや実例を交えてお話しいただきました。
これを受けて,本研究科の坂川裕司教授から「観光アメニティからみた北海道観光の今と未来」という演題で,アメニティの豊富な北海道で,北海道らしさの追求や発信力が不十分であるという指摘がありました。その後のパネルディスカッションと質疑応答では,各講演に関連した補足説明などもあり,さらに理解を深めることができました。参加者は,学内約240名,学外約100名の計340名で,回収したアンケートからは講演への高い評価がうかがえました。
*アメニティという言葉について当センターでは「その地域全体の魅力・快適性」と定義しています。
 講演の様子 |
 パネルディスカッションの様子 |
実施期間:12月9日(月)・10日(火) 会場:学術交流会館
第1回北海道大学サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト国際大会
主催:北海道大学/実施責任者:国際本部長 上田一郎
11月に本学の学生を対象に開催した「第5回北海道大学サステナビリティ学生研究ポスターコンテスト」の受賞者と大学間交流協定校の代表者が集まり,初めての国際大会を行いました。これは,人間と社会の持続性について「世界に開かれた議論のプラットフォームの提供」を目的に掲げるサステナビリティ・ウィークにふさわしい行事で,且つ世界的に見てもユニークなものを育てようと,先のポスターコンテストで試行錯誤を重ねて運営方式をほぼ確定し,開始に至った本学発の国際イベントです。
国際大会のルールは学内コンテストとほぼ同じですが,初の試みであるため,特定の大学間交流協定校から代表学生を招き小規模に行うことにしました。自らの研究が「持続可能な社会づくり」という人類の課題にどのように貢献し得るのか,ポスターと口頭で発表するために19人が世界中から集まりました。
厳正な審査により最優秀賞,優秀賞,特別賞が決定し,12月11日(水)には百年記念会館大会議室にて授賞式を執り行い,山口佳三総長より賞が授与されました。
オウル大学,コッパーベルト大学,ラップランド大学は,各自が学内ポスターコンテストを開催するなどして参加者を選定してくれました。本学から参加した者の中には,学内コンテストで使ったポスターに改良を加えて国際大会に臨んだ学生がいました。そして全ての参加者が口頭発表の練習を随分行ったと見られ,審査員と参加者双方から「質の高い議論ができて本当に面白かった」という感想が多く寄せられると同時に,「この場をより多くの研究者・学生が経験できるよう工夫して欲しい」とのリクエストも複数ありました。そこで,本大会の実行委員会は来年の開催について,学内コンテストと国際大会を統合して第2回国際大会という形とし,参加大学数も増やす方向で検討することになりました。
本国際大会が「世界に開かれた議論のプラットフォーム」として海外の大学や学生に認知されるよう,来年以降も工夫を重ねつつ開催していきます。
国別参加学生数
フィンランド・オウル大学1人,同・ラップランド大学1人,ザンビア・コッパーベルト大学2人,オーストラリア・シドニー大学2人,アメリカ・スティーブンズ工科大学(大学間交流協定校ではないため参考参加)1人,同・マサチューセッツ大学アマースト校1人,
北海道大学11人(日本人学生8人,留学生3人)
受賞者一覧
| 最優秀賞 |
| 「新たな社会の仕組み」分野 |
保健科学院 |
長谷川淳子(M1) |
| 「健やかに人間らしく生きる」分野 |
獣医学研究科 |
Chukwunonso O. Nzelu(D3) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
シドニー大学 |
Faculty of Agriculture and Environment Mana Gharun(D3) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
水産科学院 |
Fenjie CHEN(M2) |
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| 優秀賞 |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
環境科学院 |
MD. Shariful Islam(D3) |
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| 特別賞 |
| 「健やかに人間らしく生きる」分野 |
マサチューセッツ大学アマースト校 Department of Landscape Architecture and Regional Planning |
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Zhangkan Zhou(M2) |
| 「環境変化の緩和と適応」分野 |
オウル大学 Department of Process and Environmental Engineering |
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Riku Eskelinen(D2) |
| 「資源の適切な利用」分野 |
コッパーベルト大学 School of Business |
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Francis Maemu Kalumba(B2) |
 審査の様子 |