部局ニュース

教育学研究院・特別修学支援室の共催で
「珈琲とエンピツ」映画上映会及び講演会を開催

 教育学研究院では,11月16日(土),学術交流会館において,「障害学生支援−体験世界への理解と成長への助力を考える」をテーマとした映画上映会と講演会を開催しました。
 午前の部では,今村彩子監督「珈琲とエンピツ」が上映され,引き続き,今村監督と午後の部の講師を務める立命館大学 甲斐更紗先生とのトークセッションが行われました。
 今村監督は,ろう者・難聴者の日常世界を映像に納めたドキュメンタリー映画を制作し続けている映像作家で,全国的に知名度の高い方です。上映終了後のトークセッションでは,今村監督と甲斐先生のスムーズな会話のなか,作品に秘められた思いが展開され,お話は休憩時間にも及びました。
 午後の部では,立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員(Ph.D.)で臨床心理士でもある甲斐先生による,「聴覚障害学生への心理的成長にかかる支援を考える」と題した講演が行われました。先生ご自身の臨床経験や研究の一端を学ぶ機会を得ることができたほか,「聞こえない人」がどのような生活体験をしてきたのか,どのような体験を奪われてきたのかを知る貴重な講話でした。何より,他者とのやりとり,学びを共有すること,プロセスを体験することのできる環境の合わせによる情報保障が,修学支援において,また心理的成長にかかる支援の上で重要であることが,新たに確認されました。
 講演には学内の教職員,学生・大学院生のみならず,他大学の教職員,学生,一般の方が午前の部では74名,午後には90名近く参加し,多方面より多くの関心を集める企画として,盛会に終了しました。
 本企画では,講師の手話を札幌市聴覚障害者協会の熟達した手話通訳者が音声に翻訳し,要約筆記サークル(ふきのとう)がパソコン入力によって音声をスクリーン上に文字に起こす,という情報の伝達手段が重要な機能を果たしました。今回のような,言語の違いを橋渡しする多様な情報伝達手段による講演会は,これら外部団体の協力なしには成立しませんでした。手話通訳,要約筆記はいずれも情報保障のための手段であり,合理的配慮に位置づけられるものです。本講演会は,障害のあるなしに関わらず,こうした合理的配慮によって共に学ぶことが可能であることを実体験する場にもなりました。この意味で,特別修学支援室と共催で開催した本企画は,本学において,障害学生支援をより一層推進する貴重な機会となりました。
講師の甲斐先生

講師の甲斐先生

左から手話通訳者,今村監督,甲斐先生,要約筆記のスクリーン

左から手話通訳者,今村監督,甲斐先生,要約筆記のスクリーン

(教育学院・教育学研究院・教育学部)

前のページへ 目次へ 次のページへ