名誉教授 伊藤 英治(いとう えいじ) 氏 (享年88歳)
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名誉教授 伊藤英治氏は,平成26年1月15日逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。 先生は,大正14年9月9日北海道札幌市に生まれ,昭和22年9月に北海道帝国大学理学部化学科を卒業,大学院特別研究生を経て,同24年11月に北海道大学理学部文部教官に任用されました。昭和28年4月に北海道大学理学部助手,同年12月に同講師,同37年12月同助教授,同39年10月に同教授に昇任され,化学科生物化学講座を担当されました。平成元年3月停年により退職,同年4月に北海道大学名誉教授の称号を授与されました。 本学を退職後は,平成元年7月から同6年3月まで函館工業高等専門学校の第4代校長として,工業技術者養成のための教育体制,施設,設備の充実と管理運営の改善に尽力され,同6年4月に函館工業高等専門学校名誉教授の称号を授与されました。 研究面においては,生物化学の分野で優れた成果を挙げられました。D-アミノ酸を含むペプチドの合成酵素群の発見,ペニシリンの作用機構の確立,マンノサミン等希少アミノ糖の生成経路と機能の解明,イソプレノール燐酸化合物の構造と機能の解明,細胞表面物質の構造と合成機能の解明,緑膿菌共通抗原の発見等,多くの独創的,先駆的な研究が高く評価され,平成元年2月には北海道科学技術賞を授与されています。 学内においては,昭和54年6月から評議員,同56年9月から同60年8月まで北海道大学理学部長として,大学運営の中枢に参画し,多大な貢献をなされました。 学外では,日本生化学会評議員,日本炭水化物研究会理事等を務められ,関係学会の発展に貢献するとともに,昭和56年から同60年まで北海道科学技術審議会委員として北海道の科学技術の発展に寄与されました。 平成10年11月には,これらの優れた研究業績及び大学及び高等専門学校の振興への貢献等の功績により,勲二等旭日重光章を受章されました。 ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 |