北の鉄道風景

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山笑う

山笑う

2008. 5. 6 函館本線 七飯〜大沼(七飯町)

 俳句に「山笑う」という春の季語がある。これは,春を迎えて草木が一斉に芽吹くことで山全体が明るく感じられる様子を表現するための言葉であり,11世紀後半の中国の画家,郭熙による画論「臥遊録」の「春山は淡治にして笑うが如く」という記述に由来している。写真は道南・七飯町の山間部,七飯と大沼間をショートカットする函館本線の新ルート,通称「藤城線」である。ここを通過する列車の大部分は特急列車と貨物列車であるが,一日に数本,写真のようなローカル列車も走る。新緑真っ盛りで「山笑う」山間部を単行列車がゆっくりと登って往く。

情報科学研究科 准教授 山本 学

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