北海道大学は基幹総合大学として,教育・研究・社会貢献への重大な責務を負っています。今,大学は教育・研究のグローバル化により大きな変革期にあり,国際社会の中で評価を高め,地位を確立しなければなりません。そのためには,大学構成員の努力だけでなく同窓生の支援協力が不可欠であり,全学の同窓会組織と連携し,大学の責務を成し遂げたいと考えています。
本学は,2026年に創基150年を迎えます。この重要な節目を迎えるに当たり,本学は,社会において大学が果たすべき役割の重要性を深く認識し,「世界の課題解決に貢献する北海道大学へ」向けて,2026年に至るまでの今後12年間における具体的な改革戦略を「北海道大学近未来戦略150」として本年4月に策定しました。その中で同窓会については,「国内及び国外同窓会組織との相互支援体制を強化し,世界横断的な卒業生ネットワークを構築する」としています。以下に,本学の全学同窓会の現状について報告します。
北海道大学連合同窓会について
本学が世界水準の知のリーダーとして発展していくためには,従来にも増して社会に向けての情報を発信するとともに,教育研究活動への参加や支援を求める社会的ニーズを適切に把握することが重要です。また,同窓生にとっても大学や他学部の同窓生との繋がりが重要になることから,大学と同窓生の相互支援体制の要として,国立大学が法人化された平成16年に連合同窓会は設立されました。連合同窓会は20の学部同窓会と29の地区同窓会(中国,台湾,韓国,ブラジルの4海外同窓会を含む)からなる49の組織を会員とする集まりです。主な事業として,ホームカミングデーの開催,北大フロンティア基金への協力,企業研究セミナーの開催,地区同窓会への支援,学生主催卒業パーティーへの支援,北海道大学カード加入者及び@フロンティアへの加入者増加に向けた取組等を大学と連携・協力の下に行っています。
事業のうち,北海道大学カードはカード利用額の一部が本学に寄附されており,様々な学生支援活動に役立てられています。また@フロンティアは本学の卒業生に提供するインターネットサービスで,無料で取得できる北大ドメインのメールアドレスをはじめ,本学や卒業生とのコミュニケーションツールとして利用可能です。
北海道大学ほっかいどう同窓会について
連合同窓会における29番目の地区同窓会となる「ほっかいどう同窓会」は,母校の地元・北海道に,北海道全域を カバーし,且つ,母校の発展,社会貢献,会員相互の交流・親睦を活動の基本とする学部横断的な同窓会として,本年4月に発足しました。本同窓会は,本学卒業生に限らず,現旧教職員,留学生,研究生など短期間でも北海道大学に関わった人も会員になることができます。地区同窓会ではありますが,道内在住者にこだわることなく,道外在住者も会員になることが可能です。また,メールなどインターネットツールを利用し,同窓会事務局を介して個人会員と情報交換するネットワーク型の同窓会を目指しています。
入会案内は,北海道大学ほっかいどう同窓会のホームページからご覧いただけます。
北海道大学連合同窓会の今後の在り方について
本年6月に開催された平成26年度の本学連合同窓会評議員会・幹事会合同会議において,連合同窓会の今後の在り方について議論がなされました。大学支援の充実強化に向けて,本学連合同窓会をより実質的な全学組織として再構築する必要があるとの認識の下,新しい同窓会組織の在り方に関し検討作業を行うための「同窓会の在り方検討会」を設置することが了承されました。なお,充実を図るための検討項目としては,会員資格の拡大,対外的に開かれた組織への変更,学部・地区同窓会との関係強化,財政基盤の充実,同窓会内部組織の整備(事務局の整備,実行機能の充実など)及び卒業生名簿情報の収集・管理などが挙げられています。また,従来の活動に加えて,ホームカミングデーをはじめとする全学的な事業の積極的推進,ウェブサイトやメルマガなど新たな媒体の活用による積極的な情報発信,学部生・大学院生に対するグローバル人材教育・就職活動支援,及び大学と産業界等との各種連携活動に対する積極的な橋渡しなどを検討します。
最後に
本学が社会に開かれた大学として発展していくためには,同窓会との緊密な連携の下,社会に一層の情報公開を行い,社会から様々なニーズを汲み上げる必要があります。また,同窓生にとって,より開かれた存在となり,様々な分野で活躍している同窓生の交流の場となり,それが本学の発展を促す駆動力になるものと考えます。「皆に親しまれ,必要とされる同窓会」の誕生が望まれます。