水産学部では,7月5日から9月6日の土曜日のうち全6回にわたり,公開講座「最近の海の環境変化と水産資源」を開講しました。
近年の海水温の上昇が海洋環境に大きな影響を及ぼし,その結果,魚の回遊域や生態系が変化して漁村の生活に変化をもたらし始めています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)では「人間活動が地球温暖化の最大の原因である」という結論に至っていますが,そう言い切れない部分も残されています。
今年度は,「地球温暖化と水産資源−本当に温暖化に向かっている?」「気候変動とサケ」「最近のサケの資源変動と資源づくり」「漁業と漁村に吹く新風−資源・流通・暮らしの変化−」「『そこうお』の資源量変動」「道南における近年の海洋環境の変化」の題目で,各講師が最新の研究成果を解説・紹介し,延べ235名が受講しました。講義後には活発な質疑応答があり,地球規模の環境変化の予測がいかに困難であるか,またその影響がいかに幅広く深いものであるか,水産科学を通じて学びました。
最終日には4回以上出席した30名の受講生に安井 肇水産科学研究院長から修了証書が手渡され,本講座は成功裏に終了しました。