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平成26年度文学研究科FD研修会を開催

講演を行う宮内教授

講演を行う宮内教授

 文学研究科・文学部では,教員資質向上・授業改善などを目的として,随時,FD研修会を行っています。
 今年度は「授業内容の改善」というテーマを設定し,先進的な取り組みをされている先生にお話しいただき,その一助とすることができればという方針で企画を行いました。そこで,平成24年度に教育総長賞を受賞した本研究科地域システム科学講座の宮内泰介教授を講師として,9月3日(水),午後1時45分から午後2時30分まで,人文・社会科学総合教育研究棟W409室において,「ピア・ラーニングを生かした授業の組み立て方」と題した講演を行いました。
 講師の宮内教授は,環境社会学,また,それにかかわるガバナンス論等で学会をリードする研究者であると同時に,非常に優れた教育者としても知られた存在です。今回の演題にもなっているピア・ラーニング(学生同士での学び合い)について,『グループ・ディスカッションで学ぶ社会学トレーニング』という,極めて実践的な著書を昨年出版されたばかりだったこともあり,今回はこうした日頃の取り組み,工夫についてぜひ研究科内で共有したいと考え,研修の講師をお願いしました。
 当日の研修会では,宮内教授が全学講義と学部ゼミで実際に利用している教材を示し,グループ・ディスカッションのテーマの提示から実際のディスカッションを経て全体で共有するまでの流れを授業中にどう構築するのか,極めて具体的に紹介しました。「学生同士が互いの力を発揮し共同で学ぶ」授業実現のためになされる,ディスカッション・テーマの工夫,作業への指示の明確化やワークシートのデザイン,さらには適切なグループ人数や教室のデザインにまで至る授業のきめ細やかな設計は,大変参考になりました。宮内教授は,ディスカッションも単調にならないよう,「答えを出す」「議論を深める」「アイデアを出す」などトピックに合った適切な目標設定をすることが重要だと話し,宮内教授が長年蓄積してきた様々な工夫を知ることができました。
 教職員約50名の参加があり,議論の評価方法や宿題の出し方などについて,活発な質疑応答がありました。本研究科・学部では,今後もこのような研修会を開催し,それを通してより良い教育研究環境の形成を目指したいと考えています。

(文学研究科・文学部)

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