北の鉄道風景

(19)

黄葉の渓谷

2013.10.26 函館本線 ニセコ〜比羅夫(ニセコ町・倶知安町)

2013.10.26 函館本線 ニセコ〜比羅夫(ニセコ町・倶知安町)

 後志の名流大河である尻別川は,伊達市大滝区,千歳市及び札幌市南区の境界に位置する山間部を源とし,数多の支流を合わせながら,羊蹄山麓の北側から西側を回り込むように流れ,蘭越町の港地区で日本海へ注ぐ。尻別川が羊蹄山麓の西側に刻んだ渓谷に沿って,函館本線のニセコ〜倶知安間の線路が敷設されており,この区間には,ニセコ側から順番に尻別川第二橋梁・第三橋梁・尻別川橋梁の三つの鉄橋がある。写真は尻別川第二橋梁を渡る「SLニセコ号」である。JR北海道は,今年度限りで同列車を廃止する方針を示している。黄葉真っ盛りの渓谷を,汽車が白煙をたなびかせながら走るという,郷愁あふれる情景は,残念ながら今秋で見納めとなる。

情報科学研究科 准教授 山本 学

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