農学研究院では,10月30日(木)午後3時より農学部W109講義室にて,保健センターのカウンセラー武田弘子氏を招き,平成26年度第1回FD研修会「学生の自殺予防対策」を開催しました。受講生として教職員40名が参加しました。
冒頭の挨拶では,丸谷知己研究院長が大学におけるFD研修会の重要性とともに教職員の学生の自殺予防対策に対する知識向上の意義について述べました。講演では,北大生の自殺の現状を過去のデータから解説し,自殺のリスク因子や対人関係理論などについて説明がありました。武田氏は,保健センターが過去に行ったカウンセリング事例から,保健センター・病院・教員・学生の相互の連携の必要性と有効性を強調しました。
講演終了後には,活発な質疑応答が行われ,この問題に対する教職員の関心の高さがうかがえました。アンケートの結果からは,保健センター側の情報公開体制について不満の声や,講演中に推奨されていたような対応をする時間がとれない,などの回答もありましたが,おおむね「参考になった」という意見が大半を占めました。
今回の研修会は,今後開催予定の「ゲートキーパー講習会」と併せて,部局におけるメンタルヘルスの対処能力向上に大きな寄与を果たすことと思われます。
また,11月13日(木)午後3時からは,農学部W109室にて,平成26年度第2回FD研修会「研究倫理−学問上の誠実さ−」を開催しました。受講生として,教員,学生の合計41名が参加しました。
データの改ざんや盗作・「コピー・アンド・ペースト」といった研究倫理が問い直される事件が,ここ1年くらいの間に立て続けに起こりました。意図的な改ざんや盗作は論外としても,気づかないところで研究倫理に抵触する行為をしてしまう恐れもあります。研究倫理とは何か改めて整理して,意図せず不正を行ったと判断されないための努力が必要です。
そこで今回,文学研究科応用倫理研究教育センターの眞嶋俊造准教授を講師に,本FD研修会を開催しました。
専門家は非専門家から高い信頼を寄せられるが故に高い倫理観を持つことが求められること,研究倫理に抵触するかもしれないグレーゾーンの行為について,どれが研究倫理にかないどれがもとるのか,研究者自身で判断できるようになることが必要で,そのために「倫理テスト」という方法が紹介されました。研修会の後半では仮想事例を用いて実際に「倫理テスト」を使用し,倫理的にとるべき行為を参加者全員で検討しました。
第1回FD研修会にて講演いただいた武田氏,保健センター並びに,第2回同研修会にて講演いただいた眞嶋准教授には,ここに改めて感謝申し上げます。