薬学部では6月15日(月)に,薬学部臨床講義室において,薬学部のFD研修の一環として,医療系学部大学教員の薬害に対する理解を深めるため,東京理科大学薬学部講師の佐藤嗣道先生をお招きして研修会を行いました。
佐藤先生は,本学薬学部の卒業生でもあり,また,サリドマイド被害者の立場からも,薬害の歴史と薬物治療のリスク管理について,わかりやすく,かつ情熱を込めてご講演くださいました。ドイツのグリュネンタール社が開発した睡眠薬サリドマイドは,妊婦が服用すると催奇形性が生じることを,製薬会社や国が認識して対応するまでの過程を時間軸に沿って具体的に解説されるともに,米国での対応との比較,サリドマイド被害者のその後についてもわかりやすく説明をしていただきました。さらに,スモン,薬害エイズ,薬害肝炎など,サリドマイド以降に繰り返された薬害の歴史についても解説いただきました。
今回の講演は,出席した31名の薬学部教員はもとより,参加した多数の学生にとっても大変貴重なメッセージとなり,FD研修会は成功裏に終了しました。