6月17日(水)・18日(木)の2日間,台湾のNational Health Research Institutes(NHRI)のShu-Li Wang教授と,環境と子どもの健康に関する研究交流会を開催しました。
Wang教授は,環境疫学,内分泌かく乱物質や有害金属類による,ヒトの健康や発達への影響を専門に研究されています。今回は,東京で開催される環境ホルモン学会でのご講演に先立ち,研究交流のために当センターを訪問されました。
初日は,遠友学舎にて,当センターで行っている「環境と子どもの健康に関する北海道研究(北海道スタディ)」の概要,またPCBs・ダイオキシン類やフタル酸エステル類,農薬などの環境化学物質の胎児期曝露による,子どもへの健康影響に関する研究成果について報告しました。Wang教授からは,NHRIの紹介と,Taiwan Maternal and Infant Cohort Study(TMICS:台湾の母と乳幼児のコホートスタディ)の成果についてご発表いただきました。TMICSは,環境化学物質による子どもへの内分泌かく乱作用や神経発達,免疫,遺伝的変化などの影響を調べる調査研究で,平成14年より当センターで実施をしている北海道スタディの調査継続にあたり,非常に役に立つ貴重な情報を提供していただきました。
また,この日は北海道立衛生研究所主幹である小島弘幸氏も参加され,活発な意見交換が行われました。
2日目は,ファカルティハウス「エンレイソウ」にて,ラウンドテーブルディスカッション形式で,研究協力の可能性を探るミーティングを行いました。調査方法や化学物質の測定,調査参加者のフォローアップ維持の工夫など,互いの調査研究の具体的な情報を交換しました。
短い時間でしたが,次世代の子どもにとって,より良い環境作りに貢献するという共通の目的に向かい,NHRIとの研究協力や情報交換を行う有意義な機会となりました。今後の研究発展に繋げたいと考えています。