以下では,本センターが実施する研修事業の中から,大学院生を対象としたものを紹介します。
大学教員養成(PFF)
Preparing Future Faculty(PFF)という言葉があります。大学教員を目指す学生に対する準備教育を指しますが,アメリカでは1990年代前半に組織的なプログラムが開発されました。
本学では,高等教育研究部の主催で,2010年から「大学院生のための大学教員養成講座」が開始され,2015年3月までに6回実施されました。講師には,UCバークレー校から,この種の教育を専門とする2名の教員をお招きし,ティーチングの基礎やシラバスの書き方,学習目標の設定の仕方,評価基準の作成方法,大人数授業への対応,職務規程と教育倫理など,教育能力の獲得を目指す講義の他に,論文を書く際に最低限守らなければならないルールなど,研究者としての基礎を学ぶ講義も含まれます。毎回40名ほどの受講者があり,1週間の英語による講義は,予習・復習にも多くの時間が必要で大変なハードワークになります。しかし,修了者からは高い評価を得ており,「教員には学生との関係を円滑にする人間的能力がとても大事なことを学んだ」,「学生に対する忍耐,敬意,愛,信頼をもち,楽譜に沿ってアドリブを交えるパフォーマンスを身につける必要があることを学んだ」,「大人数授業の問題に気づかされ,自分の大学に能動的学習を広めたい」といった声が寄せられています。
本学では,高等教育研究部の主催で,2010年から「大学院生のための大学教員養成講座」が開始され,2015年3月までに6回実施されました。講師には,UCバークレー校から,この種の教育を専門とする2名の教員をお招きし,ティーチングの基礎やシラバスの書き方,学習目標の設定の仕方,評価基準の作成方法,大人数授業への対応,職務規程と教育倫理など,教育能力の獲得を目指す講義の他に,論文を書く際に最低限守らなければならないルールなど,研究者としての基礎を学ぶ講義も含まれます。毎回40名ほどの受講者があり,1週間の英語による講義は,予習・復習にも多くの時間が必要で大変なハードワークになります。しかし,修了者からは高い評価を得ており,「教員には学生との関係を円滑にする人間的能力がとても大事なことを学んだ」,「学生に対する忍耐,敬意,愛,信頼をもち,楽譜に沿ってアドリブを交えるパフォーマンスを身につける必要があることを学んだ」,「大人数授業の問題に気づかされ,自分の大学に能動的学習を広めたい」といった声が寄せられています。
ティーチング・フェロー制度と研修
このように,PFFは高い効果が期待できる講座ですが,受講可能な学生数は限られています。そこで本学では,今年度から,より多くの大学院生にティーチング技能を高める機会を与え,同時に学士課程教育の充実を図ることを目的として,ティーチング・フェロー(TF)制度を導入しました。今年度の採用予定者は180人ほどです。TFとして採用された博士課程学生は,教員と分担しながら学士課程教育を担うことで,将来,大学教員としてのみならず,幅広い分野において指導的な役割を果たすための訓練を行うとともに,よりきめ細やかな学士課程教育の提供にも寄与することになります。TFを採用できる授業は,定型化した実験や実習などに限られますが,教員の指導の下で授業を分担し,教員が行う授業設計や教材開発を補佐するなど,これまでのTA(ティーチング・アシスタント)とは質的に異なった業務を行うことができます。
しかしながら,こうした業務を行うためには,OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでは不十分であり,やはり研修が欠かせません。TF業務に当たるためには,TA経験を有することの他に,高等教育研修センターが実施または認定するTF研修を受講することが必須の基礎資格となっています。この研修においても,グループ学習の基本,クラス・マネージメントの方法,シラバスの理解,評価の機能と種類といった「学習指導」と「授業」の基本を学んでもらいますが,その他にも,授業参観の機会付与,TF業務終了後の実施報告書の提出,所属研究科長等への指導教員による成果報告など,手厚い対策をとっています。大学院の教育カリキュラムの中に「教育研修」が必要な時代になったということです。
しかしながら,こうした業務を行うためには,OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでは不十分であり,やはり研修が欠かせません。TF業務に当たるためには,TA経験を有することの他に,高等教育研修センターが実施または認定するTF研修を受講することが必須の基礎資格となっています。この研修においても,グループ学習の基本,クラス・マネージメントの方法,シラバスの理解,評価の機能と種類といった「学習指導」と「授業」の基本を学んでもらいますが,その他にも,授業参観の機会付与,TF業務終了後の実施報告書の提出,所属研究科長等への指導教員による成果報告など,手厚い対策をとっています。大学院の教育カリキュラムの中に「教育研修」が必要な時代になったということです。