名誉教授 南部 悟(なんぶ さとる) 氏(享年86歳)
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名誉教授 南部 悟氏は平成27年10月3日,膵癌のため86歳で逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。 同氏は,昭和3年12月18日札幌市に生まれ,同28年3月北海道大学農学部農業物理学科を卒業し,同33年3月北海道大学大学院研究奨学生修了後,同年4月農学部助手となり,同39年4月同助教授に昇任されました。昭和45年4月帯広畜産大学教授に転任,同55年4月北海道大学農学部教授に任ぜられ,農業工学科農業機械学講座を担当し,教育・研究に従事されました。平成4年3月北海道大学を停年退職,同年4月北海道大学名誉教授の称号を授与されました。 同氏の活動範囲は農業機械学を中心に極めて多岐に亘っており,なかでも昭和30年代後半から始められた土層改良用機械(石礫除去)の開発研究は,各地の多様な土壌・作物条件に適合する作土層確保に寄与するものとして高く評価され,その成果は,昭和59年に策定された農林水産省「土地改良事業計画設計基準(土層改良)」等多くの行政施策に活用されています。 国際貢献にも積極的に取り組み,昭和40年代後半からは海外の職業・技術教育プロジェクトに参画し,イランなどの農業技術に関わる人材育成に尽力され,平成3年にはそれらの功績により国際協力事業団国際協力功労者表彰を受賞されました。 退職後も,教育・研究の意欲は衰えず,平成6年にはインドネシア国立農科大学農業工学部客員教授に就任されました。また,多くの要職を歴任する傍ら,平成18年には研究論文「農用トラクタの開発と工業デザイナーによる機能的形状(北海道の農業機械46)」を執筆されるなど,晩年まで学術の発展に貢献されました。 同氏の永きにわたる後進の啓発と斯界の発展に尽くした功績は誠に大きく,ここに謹んで御冥福をお祈り申し上げます。 |