北の鉄道風景

(32)

去り行くブルートレイン

2011.11.12 室蘭本線 小幌〜静狩(豊浦町)

2011.11.12 室蘭本線 小幌〜静狩(豊浦町)

 ブルートレインとは,青色に塗装された客車を使用した寝台特急列車の通称である。1958年10月1日から20系客車での運行が開始された夜行特急「あさかぜ」(東京−博多)を嚆矢として,最盛期には数多くのブルートレインが運行された。しかし,新幹線や飛行機などとの競合によって乗客が減少し,廃止が進められた結果,「北斗星」(上野−札幌)が最後のブルートレインとなった。その「北斗星」も,車両の老朽化や北海道新幹線開業を理由に,2015年8月22日の札幌発上野行きを最後に運行終了,ブルートレインの歴史に終止符が打たれた。写真は晩秋の礼文華峠を駆け下りる札幌行きの北斗星である。今秋からは,落葉松の黄葉に映えるブルートレインを見ることは叶わず,一抹の寂しさを感じる。

情報科学研究科 准教授 山本 学

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