第18回ソウル大学校・北海道大学ジョイントシンポジウムを開催
 全体会での集合写真 |
11月26日(木)・27日(金)に,第18回ソウル大学校・北海道大学ジョイントシンポジウムを開催しました。本学とソウル大学校は,1997年の大学間交流協定締結を機に,1998年より毎年交互にホスト校となり合同シンポジウムを開催しています。合同シンポジウムの一環として,複数部局が分科会を開き,共通分野での教育・研究交流を行っています。
今年で18回目を迎えた本シンポジウムは,全体会及び19の分科会が,ソウル大学校を主会場とし盛大に開催されました。26日(木)には全体会が催され,ソウル大学校のSUNG Nak-in総長と本学の山口佳三総長から,長きに亘る交流を祝い,更なる持続的継続・発展を願う挨拶がありました。また,「Climate Change Impacts on Natural Disasters(気候変動が自然災害に及ぼす影響)」をテーマとして両大学の基調講演が行われ,ソウル大学校工科大学のYOON Jeyong教授からは「Development and Application of Appropriate Technology in the Era of Climate Change(気候変動時代における適切な技術開発とその応用)」が,本学工学研究院の山田朋人准教授から「Global Hydrological Cycle and Its Predictability Associated with Human Activities(人間の活動に関連した世界的な水循環とその予測可能性)」について講演がありました。続くレセプションでは,ソウル大学校音楽大学国学科,声楽科,器楽科の学生による演奏もあり,和やかに初日を終えました。
 両学総長の記念品交換 |
 山田准教授による基調講演 |
 学生の演奏 |
(国際本部国際支援課)
分科会1
The 4th HU-SNU Joint Symposium on Materials Science and Engineering
第4回材料科学に関する合同シンポジウム/工学研究院 准教授 橋本直幸
本シンポジウムは,ソウル大学校のKIM Youngwoon教授のご協力のもと,本学工学研究院材料科学専攻とソウル大学校工科大学材料工学科との間で開始され,昨年度よりHAN Heung Nam教授を窓口とし,本年度は11月27日(金)にソウル大学校工科大学材料工学科棟内会議室において開催しました。
ソウル大学校・本学合わせて計10名の教授・准教授にソウル大学校の大学院生及び学部生10数名を加えて,計30名程度の参加者数となり,8名の先生から材料科学に関する最新の研究紹介がありました。材料科学に関する内容ではあるものの,それぞれの研究の応用範囲は幅広く,個々の専門を超えて活発かつ有意義な討論が行われました。双方の最先端の実験設備や解析手法に興味を持ち,意見交換の後に近い将来の共同研究も視野に入れた交流もあり,本シンポジウムが研究及び教育の幅を拡げる貴重な場になり得ることが確認できました。今後,これまで実績のある大学院生のインターンシップに加えて,博士課程学生によるシンポジウムや,一部の研究分野で計画中のサマープログラムを活用し,ソウル大学校の大学院生を受け入れるといった学生間の交流事業について具体的に進めたいと思います。
両校の材料科学分野の研究者にとって有意義なシンポジウムになったことを実感しつつ,来年度の札幌開催を確認して閉会しました。
 池田賢一准教授による講演 |
 HAN教授による講演 |
 参加者による記念撮影 |
分科会2
Chemical Exposures among Sensitive Populations and Environmental Health Implications
脆弱な人々への化学物質曝露と環境衛生上の意義/環境健康科学研究教育センター 特別招へい教授 岸 玲子
化学物質曝露による健康影響に関する分科会は,昨年に引き続き2回目の開催となりました。分科会には,本学から3名がソウルを訪問し,ソウル大学校からは教員,研究員,大学院生16名に加えて,漢陽大学校,順天郷大学校,梨花女子大学校の共同研究者,韓国国立環境研究院,韓国環境省担当官から8名,合計33名が参加して活発な意見交換が行われました。
セッション1ではソウル大学校で行っている「CHECK(Children’s Health and Environmental Chemicals in Korea)」と本学が行う「環境と子どもの健康に関する北海道スタディ」の研究紹介が,両大学の分科会代表者であるCHOI Kyungho教授,岸 玲子特別招へい教授より行われました。加えて,本年初めて企画したポスター紹介では,20演題以上のポスターが準備され,お互いの研究に関する理解を深めることができました。セッション2はコーホートの維持と曝露評価について,お互いが研究を進めていくうえでの課題解決への議論がなされました。セッション3は今後の共同研究計画や講義提供に関する意見交換を行い,今後の研究・教育連携に向けて有意な意見交換を行うことができました。
最後は梨花女子大学校のHA Eunhee教授より,新しく始まる韓国の出生コーホートに関する特別講演があり,閉会となりました。次年度は本学で第3回となる分科会を開催予定です。
 分科会集合写真 |
 分科会における討論風景 |
分科会3
SNU-HU-NTNU-KU Joint Symposium on Asian Science Education in the 21st Century
21世紀のアジアにおける科学教育についてのSNU-HU-NTNU-KUジョイントシンポジウム/教育学研究院 教授 大野栄三
ソウル大学校側代表のKIM Chan-Jong教授の提案で,タイ王国カセサート大学(KU)で開催されたThe 3rd International Conference for Science Educators and Teachers(ISET 2015;第3回国際理数系教育者・教員会議)の中で,分科会を実施しました。国立台湾師範大学(NTNU)とカセサート大学を加えた4大学に拡大した分科会になりました。
ISET 2015は,タイの理数系教員養成を担う複数の大学が持ち回りで開催している国際会議です。本分科会はISET 2015参加者にも公開されており,広くアジアの研究者,大学院生と交流できました。来年度は,本学を会場に4大学の分科会として開催する予定です。
 オープニングセレモニーの様子 |
  分科会での発表の様子 |
分科会4
Toward Understanding of Changing Environment
変わりゆく地球環境の理解に向けて/理学研究院 講師 佐々木克徳,環境科学研究院 特任教授 吉川久幸
本分科会は「変わりゆく地球環境の理解に向けて」というテーマで,ソウル大学校自然科学大学地球環境科学部において計20件の研究発表を行いました。
今年度のジョイントシンポジウムの全体会のテーマである「気候変動が自然災害に及ぼす影響」に即したテーマであり,熱心な議論が交わされました。午前はソウル大学校のCHO Yang-Ki教授による歓迎の挨拶で始まり,主に古気候,大気海洋化学等について本学から5名とソウル大学校の4名が各々の研究について口頭発表を行いました。昼食休憩後には研究室ツアーを開催し,海洋生物から衛星観測の研究室まで計4か所を訪問し,観測機器や実験装置についての見学を行いました。午後は主に気象,海洋物理・生物についての口頭発表を本学から7名,ソウル大学校から4名が行いました。分科会の最後には本学の山本正伸准教授が,今年度の若手研究者・大学院生の熱心な発表とその準備への賛辞と,来年度の本学での分科会の開催と再会を約束し閉会となりました。出席者数は30〜40名程度でした。
今後とも研究活動の交流を通じ,両校の友好的な関係を維持するように努めていきたいと考えています。
 分科会の集合写真 |
分科会5
2015 International Workshop on New Frontiers in Convergence Science and Technology
複合領域科学及び技術の最前線/情報科学研究科 教授 平田 拓
11月27日(金)午前,ソウル特別市に隣接するSuwon市にあるソウル大学校Graduate School of Convergence Science and Technology(GSCST複合領域科学技術研究科)において分科会を開催しました。分科会に先立ち,GSCST副研究科長であるSHU Bongwon教授から開会と歓迎の挨拶がありました。
本分科会はソウル大学校のPIAO Yuanzhe准教授と共同で準備され,本学からは3件の講演,ソウル大学校からは4件の講演を行いました。本学,ソウル大学校と近い分野の演題を,一人あたり20分で交互に発表しました。具体的には,神経科学,ナノ材料・デバイス,バイオイメージングの分野から講演を行いました。分科会全体の参加者は30名程度で,そのうち,本学及びソウル大学校の教員は10名,大学院生は20名程度でした。午後には研究科内の4研究室を見学し,研究環境について理解を深めました。さらに,韓国と日本の大学における研究環境や研究助成,教育などについて広く意見交換し,互いの理解を深めました。
来年は本学で分科会を開催する予定です。
 分科会に参加した両大学教員の集合写真 |
 脳埋込型マイクロ電子デバイスについて 講演する舘野 高教授 |
分科会6
Drug Discovery and Smart Nanomedicine
創薬とナノ医療/薬学研究院 特任准教授 梶本和昭
6回目となる本分科会は,日本学術振興会二国間交流事業(韓国との共同研究)(平成26−27年度,代表:梶本和昭,OH Yu-Kyoung)の一環として11月27日(金)にソウル大学校薬学大学にて開催しました。平成27年7月に本学薬学研究院とソウル大学校薬学大学との間で部局間交流協定が締結されたことを受け,一部の研究室間で継続してきた国際交流の芽が部局間での学術・人材交流の場として大きく花開くこととなりました。本学からは,南 雅文薬学研究院長を含む教員6名と大学院生・学部生9名,ソウル大学校からはLEE Bong-Jin薬学大学長を含む教員8名と博士研究員・大学院生12名が参加しました。
シンポジウムの発表演題は27件に上り,過去最大規模の分科会が盛大に執り行われました。聴衆全員の投票による優秀発表賞の選考では,ソウル大学校のPARK Joo Yeon氏(大学院生)と本学のABBASI AY Sa’ed氏(大学院生)が優秀賞を受賞し,本学の羽田智哉氏(大学院生)が特別賞を受賞しました。懇親会においても,両校の学生間で積極的に会話を楽しむ場面が見られ,貴重な人材交流の機会としても大成功であったと思われます。また,新たな試みとして,両校の学生を少人数ずつ4つのフォーカスグループに分け,シンポジウムの翌日に討論会を催しました。時間制限を設けず,自由に発言・意見交換できる討論会は両校の学生にも好評であり,国際交流の若い芽を育む機会として今後も継続していきたいと思います。
 記念品贈呈(Lee薬学大学長(左), 南薬学研究院長(右)) |
 分科会での集合写真 |
分科会7
The 11th HU and SNU Symposium on Mathematics - Mathematical Analysis and Applications
数理解析とその応用/理学研究院 教授 栄伸一郎
数学関連のジョイントシンポジウムとして,今回で11回目となる分科会を招待講演4件(ソウル大学校,本学各2名ずつ),一般講演6件(各3名ずつ)及び学生を主体としたポスター発表14件(各7名ずつ)という内容で開催し,逆問題や確率過程,界面問題やフーリエ解析に関連する内容など,数理解析の応用を意識した研究発表が行われました。
特にポスターセッションは学生が主体となり運営し,セッションの最初には各自数分程度のショートプレゼンテーションを行うなど,学生にとって貴重な国際交流体験の場になったと思われます。
その後の懇親会は和やかな雰囲気の中で行われ,11回目となる開催回数が分科会中最多という情報がその歴史とともに紹介されるなど,こうした研究集会を継続開催していくことの重要性が再認識されるとともに,今後とも協力して開催していくことなどに多くの賛同が集まりました。
 参加者集合写真 |
 ポスターセッションの風景 |
分科会8
Traveling Asia and Geographical Imaginaries
アジアのツーリズムと地理学的想像/メディア・コミュニケーション研究院 准教授 金成玟
本分科会は,「アジアのツーリズムと地理学的想像」をテーマに11月27日(金)にソウル大学校アジア研究所で開催しました。ソウル大学校からはKANG Myungkoo教授(ソウル大学校アジア研究所長),NAM Eun Young研究員が,本学からは岡本亮輔准教授と周倩助教,金成玟准教授が参加し,講演と司会進行を行いました。他にもトルコのKadir Has大学,日本の立教大学から研究者をお招きし,より国際的な観点から日中韓を中心とした東アジアの観光文化に関する議論を行いました。
分科会はKANGソウル大学校アジア研究所長の挨拶で始まり,「中国人観光客の経験と自己認識」「日本のナショナリズムと聖なる場所」「中国ミドルクラスによる観光経験」「日本における中国人観光客」「トルコの観光産業におけるアジア認識」のテーマによる5つの発表と5名の討論者(ソウル大学校の教員と韓国の観光政策専門家等)による討論の順で構成されました。全体で36名の参加者があり,大学院生も参加し,活発な議論がなされました。
シンポジウム前のソウル大学校アジア研究所との会議では,今回の成果を今後ジャーナルや書籍の出版などの形で発信することに合意しました。またシンポジウム後の懇親会では,今後の共同研究の計画についてお話しするとともに親睦を深めることができました。
 口頭発表の様子 |
 会場での集合写真 |
分科会9
Electrons in Chemistry
化学における電子/理学研究院 教授 佐田和己,工学研究院 教授 島田敏宏
11月27日(金)にソウル大学校で教員,大学院生30名以上の参加者を集めて本分科会を開催しました。本学からは教員5名(理学研究院3名,工学研究院2名)が基調講演1件と招待講演4件を,大学院生6名がポスター発表を,ソウル大学校からは若手教員を中心に4名が基調講演1件と招待講演3件を,大学院生11名がポスター発表を行い,計算化学から材料,生物にわたる広い学術領域で,電子材料の設計,物性・機能評価,さらに最新の分光学的手法によるナノ構造やその特異な物性の解析など,両大学の化学関連部門が強みとする分野における最新の成果が発表されました。
今回も前回同様,大学院生による各3分間のポスターパレード(口頭発表)があり,制限時間を守って,緊張気味ながら研究成果を一生懸命アピールする姿が印象的でした。講演は,制限時間を超えての熱心な質疑応答が行われました。ポスター発表では大学院生間で懇親会直前まで討論が交わされ,両大学間の今後の協力関係について,次世代の若い力を心強く感じる機会となりました。懇親会においても,日韓の教員,大学院生との歓談の中で今後の相互訪問や共同研究,次回シンポジウムに関する提案も出され,両大学間協力関係の今後のさらなる発展が期待される,双方にとって実り多いシンポジウムでした。何名かの大学院生にとっては初めての海外渡航であり,新千歳空港でパスポートを忘れたことに気がついた学生がおり,対応に苦慮しましたが,なんとか後発の便にてソウルに向かうことができ,分科会へ参加できました。きっと良い経験になったものと思われます。
 シンポジウムでの集合写真 |
分科会10
Future Education with ICT
ICTを活用した教育の未来/高等教育推進機構 教授 細川敏幸
本分科会は11月27日(金)午前10時からソウル大学校(SNU)Center for Teaching and Learningの301号室で開催しました。本学からは小林幸徳教授がオープンエデュケーションセンターの組織とその活動を紹介しました。佐多正至氏と田中宏明氏は同センターの活動の詳細として,OCW(オープン・コースウェア)の経験を引き継ぐ授業の動画記録,さらにはMOOC(大規模オープン・オンライン・コース)やedX(MITとハーバード大学が創立したMOOCプラットフォーム)にも参加していることを報告しました。またPARK Hyunjung准教授はCoSTEP(科学技術コミュニケーション教育研究部門)の活動の概要とICT(情報通信技術)を利用した子供たちへの科学教育について詳しく説明しました。山本堅一准教授は高等教育研修センターの設立と今年の研修活動の概要について話しました。
一方,SNUからはKIM Sunyoung教授により韓国のMOOCについての説明がありました。韓国では,およそ40の大学が参加するKOCW(韓国オープン・コースウェア)があります。これに加えて2012年からedXを開始しました。10分程度の講義と小テストを組み合わせ5〜8週で終了するよう計画されており,現在4コースを提供しています。PARK Taejung氏は10大学が参加しているK-MOOCが生涯学習やFlipped Learning(反転学習)の助けになるよう計画されていることを説明されました。現在27コンテンツが配信されており,来年には100,2018年には500になる予定です。最後にHEO Sung氏はOPENedXの世界的な進展(反転学習)について説明されました。現在世界中で146サイトから1,840コースが提供されています。40の国から18種類の言語を使って公開されており,今後その影響が広がることが期待されます。
 参加者記念撮影 |
分科会11
The 10th Japan-Korea International Symposium in Ophthalmology
第10回日韓国際眼科シンポジウム/医学研究科 診療准教授 南場研一
11月20日(金)・21日(土)に第10回日韓眼科シンポジウムをソウル市内のDalgaebiセミナーハウスで行いました。第10回の記念シンポジウムということもあり,本学から石田 晋教授,南場研一診療准教授,北市伸義客員臨床教授,岩田大樹助教,神田敦宏特任講師の5名,ソウル大学校からはYU Hyeong Gon教授をはじめとする16名が参加し,例年よりも規模の大きな会となりました。はじめに,本学の石田教授による開会の挨拶の後,本学から5演題,ソウル大学校から6演題の講演があり,最新の話題や興味深い演題が多く,活発な意見交換が行われました。
懇親会では第10回の節目にあたるということもあり,ソウル大学校側より記念のセレモニーが準備されていました。本学の石田教授とソウル大学校のYu教授によりケーキカットが行われ,また,過去10年のシンポジウムの様子がスライドで紹介されました。分科会の歴史を振り返ることができ,感慨深いものがありました。次の10年もより良いシンポジウムに発展していくことを期待したいと思います。
来年は札幌で第11回日韓眼科シンポジウムを行う予定ですが,台湾チャングン大学の先生もお招きする予定です。
 シンポジウムの様子 |
 石田教授(左),ソウル大学校Yu教授(右)に よる共同ケーキカット |
 参加者による記念撮影 |
分科会12
The 3rd Seminar on Renewable Energy and Indoor Air Environment for Comfort and Energy Conservation in Buildings
第3回建物の快適性と省エネルギーのための再生エネルギーと室内環境に関するセミナー/工学研究院 教授 長野克則
工学研究院環境システム工学研究室では,分科会を11月27日(金)・28日(土)に開催しました。
ソウル大学校からは建築学専攻建築環境計画研究室のKIM Kwangwoo教授,大学院生(15名)が, また成均館大学校のPARK Cheolsoo准教授,世宗大学校のSUNG Mingi助教授が参加しました。本学からは長野克則教授,葛隆生准教授,博士課程の学生1名,修士課程の学生3名が参加しました。省エネルギー換気装置であるデシカントシステムとアースチューブシステムの性能評価,地中熱ヒートポンプシステムの性能評価, 室内温熱環境,室内空気環境に関する研究について研究発表を行いました。
また,ソウル大学校の新築図書館とソウル市役所の見学会を行いました。研究発表後,食事や懇親会でソウル大学校の研究室の皆様と楽しい時間を過ごすことができました。本分科会の開催により,両大学だけではなく他大学も含め,本研究分野に関連した研究交流が可能になりました。今後の持続的な交流を促進する意味でも効果的な機会でした。今後も,研究・教育の発展のために持続的な交流を行い,来年は本学で第4回シンポジウムを行う予定です。
 会場での集合写真 |
 ソウル大学校の新築図書館前での集合写真 |
 ソウル市役所の見学の様子 |
分科会13
The 11th SNU-HU Joint Symposium on Mechanical and Aerospace Engineering
第11回機械工学と航空工学に関するシンポジウム/工学研究院 教授 大橋俊朗
11月26日(木)にソウル大学校工科大学において,分科会として「第11回機械工学と航空工学に関するシンポジウム」を開催しました。当日のソウルは日中には小雪が舞い底冷えのする寒い1日となりました。
ソウル大学校側代表者のProf. LEE Soogab,オーガナイザのProf. KO Seung Hwan,本学側代表者の大島伸行教授,オーガナイザの大橋俊朗教授が中心となり,教員による口頭発表(ソウル大学校5件,本学5件)及び学生によるポスター発表(ソウル大学校8件,本学6件)を行い,両大学から約30名の参加者を得て盛況な会議となりました。超高圧下の水素の燃焼現象からマイクロフルイディクスによる単細胞解析まで,幅広い研究分野の発表が行われました。
午後には自動車エンジンに関する研究施設のラボツアーを行いました。現代自動車の寄付による施設は大変充実しており,特にエンジンの構造を断面から可視化した展示は興味深いものでした。また昼食と夕食を兼ねた懇親会を準備していただき,研究交流に加えて大いに親睦を深めることができました。当分科会は毎年開催しており,今後も継続して開催する予定です。
 ソウル大学校側オーガナイザ Prof. KOによる事前説明 |
分科会14
Present Situation and Future Perspective on Crop Production in Japan and Korea
日韓における作物生産の現状と将来展望/農学研究院 特任教授 岩間和人
11月27日(金)午後に開催した分科会は,ソウル大学校農業・生命科学大学(CALS, College of Agriculture and Life Science)のJYUNG Chyul-Young学長による開会挨拶によって開始され,本学側が4名,CALS側が4名,計8名による講演(各30分)が行われました。各講演では,日韓両国における作物栽培と育種の現状,最新研究の内容紹介,及び将来展望が報告され,参加者は両国での農業及び研究の状況と問題点を詳細に把握することができました。本シンポジウムはすでに18回の長きにわたり開催されてきましたが,植物科学分野に関する分科会は初めてであり,分科会の講演によって両国での作物生産の現状を把握でき,両国の農業が抱えている問題を解決するために,両大学間で植物科学分野の教員と学生の交流を活発に行うことが重要であると思われました。
分科会終了後に開催された両大学の分科会講演者を中心にした交流会において,参加者全員が今回の分科会が大変有意義であったことを確認し,次年度以降も分科会を継続することで合意しました。本学が当番校として開催する次年度のシンポジウムでは,今回参加した農学研究院の貴島祐治教授(植物育種学)がオーガナイザーとなり,CALSと分科会を開催する予定です。なお,ソウル大学校は韓国のトップ大学であり,教員と学生の能力は極めて高いので,交流を継続することは,本学にとって得ることが多いと考えられます。
 分科会終了後の参加者の集合写真 |
 ソウル市内観光での貴島教授とCALS大学院生 との記念写真 |
分科会15
Application of Cutting Edge Science to Veterinary
Clinical and Applied Sciences
最先端の獣医科学からみる臨床応用へのエビデンス/獣医学研究科長 稲葉 睦
本分科会は,11月27日(金)午前9時から正午まで,ソウル大学校獣医科大学のSchofield Hallにおいて開催しました。ソウル大学校の木村順平教授が司会をつとめ,ソウル大学校獣医学部長のKIM Jae Hong教授並びに本学獣医学研究科長の稲葉 睦教授から開会の挨拶がありました。シンポジウムでは,本学から4名,ソウル大学校から3名の合計7名の教員が講演を行い,最先端の獣医学研究及びその臨床応用展開について議論しました。本年度のシンポジウムはソウル大学校獣医科大学のEducation, Research and Development Day(教育,研究と開発の日;大学院生の研究発表会)と共同開催され,午後は約80名のソウル大学校大学院生が口頭あるいはポスターで研究内容を発表し,活発な討論が展開されました。また,木村教授による附属動物病院の案内が行われ,ソウル大学校の獣医療を見学しました。シンポジウム後の懇親会では,今後の開催方法等について意見を交換しました。
来年度以降は,大学院生による発表等も視野に入れ,引き続き最先端の獣医学研究をトピックに取り組んでいく予定です。本分科会の開催にあたりご尽力をいただいた両大学の皆様に,心よりお礼申し上げます。
 懇親会における意見交換 |
 分科会参加者 |
分科会16
Compressed Modernity and Liberalism in Asia
アジアにおける圧縮された近代とリベラリズム/文学研究科 准教授 ホメリヒ・カローラ
18回目を迎えた本分科会は,本学から3名,ソウル大学校から5名が参加して11月27日(金)にソウル大学校で行いました。今回のテーマ「アジアにおける圧縮された近代とリベラリズム」に関して,日韓独仏から集った社会学者が相互に意見交換を行い,活発な討議がなされました。
シンポジウムでは,日本と韓国には共通する歴史的・社会的課題があり,特にリスクに対する認知とウェルビーイングに関わる問題について,将来的により緊密な意見交換をしていく必要が認識されました。特に,HAN Sang-Jinソウル大学校名誉教授,そして本学の高幣秀知名誉教授による発表はともに極めて刺激的で,参加者の間では既に来年の討議に向けた問題意識が育まれているようでした。
さらに,今年は韓国・日本のみならず,ドイツ(ホメリヒ・カローラ 本学文学研究科准教授)やフランス(カンパニョーロ・ジル フランス中央科学研究所研究専任教授)からの参加者があり,より国際的な視点から議論を行うことができました。今回のシンポジウムは今後のさらなる発展が期待される,大変意義深いものとなりました。
 集合写真 |
 高幣名誉教授の発表後の質問会 |
分科会17
3rd HUH-SNUH-SHH Joint Symposium
第3回北海道大学病院−ソウル大学病院ジョイントシンポジウム/北海道大学病院長 寳金清博
11月26日(木)に,ソウル大学病院がん病院講堂において「第3回北海道大学病院−ソウル大学病院ジョイントシンポジウム」を開催しました。今回も昨年度に引き続き,本院と部局間交流協定を締結している台北医学大学双和病院(台湾)が特別参加しました。
分科会はソウル大学病院の吳秉熙病院長,本院の寳金清博病院長,台北医学大学双和病院の林家瑋副病院長による挨拶で始まり,「Translational Research to Clinic and Industry(医学における産学の橋渡し研究)」というテーマのもと,「Promotion of Translational Research(橋渡し研究の推進に向けて)」「Clinical Research and Biobank(臨床研究とバイオバンク)」「Clinical Translation of Stem Cell Therapy(幹細胞治療の橋渡し研究)」と題した3つのセッションから構成されました。各セッションの終わりには,各大学の特徴的な研究内容についてはもちろん,橋渡し研究における「倫理」についても活発な質疑応答が行われ,貴重な意見交換の場となりました。
分科会終了後には,ソウル大学病院ツアーとして,7月に竣工したばかりのCenter for Medical Innovation(メディカル・イノベーション・センター)の見学を行いました。地上4階,地下5階からなる最先端研究施設の見学は大変参考となるものでした。その後の懇親会では終始和やかな雰囲気の中,専門分野を超えて情報交換を行い,来年度の本学での第4回ジョイントシンポジウム開催を約束し,終了しました。
今回のシンポジウムを踏まえ,本院においても橋渡し研究を一層加速すること,そして東アジアにおける主導的役割を担うべく3大学間のネットワークをさらに強化していくことが期待されます。
 分科会参加者による集合写真 |
 寳金病院長による挨拶 |
 院内ツアーの様子 |
分科会18
Russian Culture:Daily Life and Festivity
ロシア文化:日常と祝祭/スラブ・ユーラシア研究センター長 田畑伸一郎
本分科会は12月19日(土)の午後1時から同6時までソウル大学校のロシア・東欧・ユーラシア研究所において,同研究所と本学スラブ・ユーラシア研究センターの共催で開催しました。文学・民俗学・宗教学・芸術学にまたがる学際的な観点からロシア文化についての議論が行われました。
本学からは,望月哲男特任教授が帝政ロシア期の写真を題材にして視覚的な記憶について論じ,越野 剛准教授はソビエト連邦の学校のフォークロアについて,高橋沙奈美助教は革命後に処刑されたニコライ皇帝一家の遺骨や埋葬地をめぐる記憶の対立について報告しました。ソウル大学校側は,SEO Kwang Jin講師が18世紀知識人の自殺観について,BYUN Hyun Tae所長とAKHMETSHIN Ruslan客員教授(モスクワ国立大学)はロシア文化の祝祭性についてそれぞれ包括的な報告を行いました。計6本の報告それぞれに討論者が用意され,議論を深めることができました。分科会にはソウル大学校の教員・大学院生の他,韓国外国語大学校などソウル市内の他大学の教員も訪れ,総勢で20名以上が参加しました。
 研究報告 |
 集合写真 |
分科会19
Understanding & Managing Risks of Short-Term Study Abroad Programs
短期留学プログラムにおけるリスクの理解と管理/国際本部長 上田一郎
11月27日(金)に,ソウル大学校国際協力本部と本学国際本部の分科会を,ソウル大学校国際協力本部応接室で開催しました。様々な形態で学生の受入,派遣が進むにつれ,世界の情勢不安や自然災害に関わるリスクはいや増しています。両大学の学生の国際交流体験の目玉でもある,短期プログラム中に伴うリスクの理解と管理について,互いの実例と対応策を紹介し,意見交換が行われました。
ソウル大学校からはCHO Seung Ah Theresa副本部長が,海外協定大学に滞在し社会・文化経験を積む短期派遣プログラムSNU in World Series等を基に,派遣前の言語強化プログラムを含めたリスク管理や派遣先での学生の安全衛生管理について,また受入学生の健康管理や現地生との繋ぎについて説明しました。本学からは,ファースト・ステップ・プログラム担当の国際教務課の正木幹生講師が,同プログラムのリスク管理体制について,8月のタイ王国バンコク爆破テロ事件等における対応実例を説明しました。限られた時間ではありましたが質疑も活発に行われ,今後も国際業務を行うにあたっての課題に係る情報共有や意見交換を行う場となることが期待されます。
 分科会の様子 |
 上田本部長とCHO副本部長 |